夜にほどける赤
不二家のミニピーナツハートチョコレート、
1個27円(税込)。
2つ買った。
バーコードがふにゃっとしていて、
「ん?」ってレジが言っているみたいで、
何度か、ピッピってやり直してた。
直打ちしようとしたところで、
もう一人の店員さんが助け舟。
15秒くらいかな。
わたしの頭は勝手に計算を始める。
この町の最低賃金で割ると、
2人でだいたい9円くらいか。
27円✖️2 のハートのために、
9円分の時間をもらっている。
なんとも
申し訳ないような、
でもちょっと可笑しいような。
ものすごい田舎の夜。
レジ前には、わたしひとり。
時間は、だれにも急かされていない。
だからきっと、
あの15秒も、
ただゆっくり流れていただけ。
赤は、
派手な情熱だけじゃない。
レジ前で、
くすっと笑いをこらえてる、
そんな赤もある。
27円のハートを握りしめて、
わたしは今日も、
ちゃんと生きている。
