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6歳で線が引かれる日——首都圏お受験の“見えない選別”を数字で読む【深掘りシリーズ】

割引あり

小学受験ブームの裏で何が起きている?——首都圏の「お受験」が映す格差の正体

正直、年長さんが小さなスーツに身を包んで、親と並んで面接会場に入っていく映像をニュースで見るたび、胸の奥がざわつく。まだ6歳にも満たない子どもが、背筋を伸ばして「おはようございます」と深々とお辞儀をする。横ではお母さんが完璧な笑顔で受け答えをし、お父さんは背広で同席。——なんか、怖い。
「遊びたい盛りなのに」「小さな大人を演じさせて大丈夫?」。そんな気持ちが先に立ってしまう。

でも現実には、首都圏の小学受験はここ数年で急激に広がっている。2023年度の志願者数は2万4,840人と過去最高を記録し、2024年度も2万2,793人と2万人超を維持した(朝日新聞デジタル「私立小入試 志願者数2万2793人に減少」2024/9/3)。しかも人気校では倍率が10倍以上になるのは当たり前。慶應義塾幼稚舎や早稲田実業初等部は千人単位の志願者を集め、狭き門を競い合っている(リセマム「2025年度首都圏私立小入試 志願倍率ランキング」2025/1/15)。数字だけ見れば「一部の富裕層だけの遊び」ではなく、社会現象に近い広がりを見せているのだ。

さらに驚くのはお金のかかり方だ。受験専門の幼児教室に通えば、年長の1年間だけで100万円超。季節講習や模擬試験を足せば、2年間で150万〜200万円に達する(ReseEd「小学校受験、塾費用は年間100万円超」2023/6/20)。これに受験料や親子のスーツ代、交通費まで加わる。冷静に考えれば、これは「小学校入学」のための費用である。庶民感覚からすれば「車が一台買える金額」をたった2年で使い切るようなものだ。正直、生活圏の常識からすると別世界すぎて実感が湧かない。

でも、そこに参入する家庭は確かに存在する。データによれば、小学受験をする家庭の52%が世帯年収1,200万円以上で、**1,000万円超は86%**にのぼる(文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度)」2022/12/21 PDF)。つまり、受験は「選ばれた層」だけが参加できるゲームになっている。やる前からスタート地点が限定されている、そんな印象を持たざるを得ない。

けれど、僕らの違和感は単に「お金がかかるから大変そう」という話ではない。
もっと根本的に、「なんでここまで競争しなきゃいけないの?」という疑問だ。出生数は年々減っているのに、なぜ倍率は下がらないのか。むしろ一部の学校はますます狭き門になっている。中学受験を避けたいという親心、コロナ禍で浮き彫りになった公立との格差、共働きで教育費に余裕が出た家庭の増加——その背景には、日本社会の大きな構造が関わっている気がする。

僕たちはふと「これは前にも見た景色じゃないか?」と感じる。受験をめぐっては常に「格差」「不安」「将来の保証」がキーワードになってきた。高校受験や大学受験に比べると小学受験はまだ小さな市場かもしれない。でも、この小さな競争の場に、日本社会の未来が凝縮されているのかもしれない。

ここで問いをはっきりさせたい。

  • なぜ小学受験は首都圏でここまで拡大したのか?

  • 誰が得をして、誰が損をしているのか?

  • そして、この仕組みは子どもたちの未来をどう変えてしまうのか?

ニュースは「倍率○倍」「名門校人気」と表面的に流すだけだ。けれど本当に大事なのは、その裏にある構造と歴史、そして未来への影響を見抜くこと。

——この先は有料部分でじっくり掘り下げたい。

背景解説——小学受験はどこから来たのか

戦前から続く私立小の系譜

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