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索引のようなもの-七色の蛇篇-

 ローゼルの不器用な想いははっきり言って重い。だから書いていても少し苦しい。思えば彼の声が大きくなり始めたのはこの「七色の蛇篇」辺りからだ。それは今書いている(実はつい先程書き終えた)「白銀の大鷲篇」で大団円を迎える。
 しかしあくまでこの「七色の蛇篇」は時間は戻らないというお話。私は書き始める前にテーマを決めるわけではない。鳥たちの"聲"に沿って話を練っていると不思議とひとつの流れが見える瞬間がある。それがそのお話の主軸になっていく。
 これは死と時の流れを扱った「七色の蛇篇」のあらすじである。

はじまり

季節は秋。実りの秋であるにも拘らず、水が豊かな筈のエルアグアで雨が降らない。定期の仕事で城へ行ったカリンが王から相談を受けるところから話が始まります。一方レンは、せっかくマカニの村で一緒に暮らしているカリンが再び城の都合で駆り出されることに不満が募り、族長の家を飛び出してひとりポハクへ。

カリンとローゼルがワイの町へ

レンとは少し気まずいまま、それでも結局カリンはローゼルと二人でエルアグアにあるワイの町へ向かいます。そこで二人はワイの町に傭兵として滞在しているローゼルの父アジュガと再会。そして北の泉で七色の蛇の謎の発端となる事件が起こります。

ラウレルの死、エンジュの過去

レンと仲直りし、七色の蛇の謎に向き合い始めたカリンの前で診療所の主ラウレルが倒れます。村の最高齢ラウレルは族長の過去を知る数少ない人物。ラウレルから族長の過去を聞いたカリンは何を思うのか。そして、自分のことを本当の孫のようにかわいがってくれたラウレルの死とどう向き合うのか。時を同じくしてレンはシヴァから族長の息子カエデとの関係について話を聞きます。カエデもまた苦しい過去を抱えるひとり。

二度目のエルアグア

ラウレルの死に負けないようにエルアグアの問題と向き合うカリンに謎の答えが降りてきます。その答え合わせのため、カリンは再びエルアグアへ向かいます。そこでカリンはローゼルがまだ二人で過ごした子供時代に留まろうとしていることを知ります。しかし、あることをきっかけにローゼルはそこから外の世界に目を向けることに。

七色の蛇の謎が解かれる

この物語の中で謎の答え自体はあまり重要ではありません。しかし、謎の答えを聞いたワイの族長エリカは「昔からそうだから」というだけで続いてきた古いしきたりをどうしていくかという問題を突き付けられます。

エルアグアに水が戻った。しかし…

エルアグアに水を取り戻す方法が分かり、マカニ族総勢三十一名の戦士たちがワイの町へやってきます。そこには何故か戦士ではないカエデの姿が。エルアグアの川に大量の水が流れ込みます。しかし、予想以上の量の水が流れ込み、カリンは濁流にのまれてしまいます。

 ほっとしたのも束の間、シヴァが低い声で言った。
 「レン、カリンが息をしていない。」
 レンが動くよりも早く、ローゼルが弾かれたようにカリンの身体に近づいた。

死者の想いは誰の想いか

子供の頃に死んだカリンの母親、ラウレル、そして族長の妻スズナ。死の淵で三人の想いに触れたカリンは、結局それは自分が創り出した幻想なのだと考えます。そして、族長もまたスズナの死に捕らわれたままなのだと気がついたカリンは族長に語り掛けます。エンジュを、決して流れることのなかった涙の湖から引き上げることができるのか。

後日譚

七色の蛇の謎を受け、エリカはある決断をします。そして、「鳥の歌篇」からずっと許婚との関係に悩んでいたルクリアも許婚と一緒になる決心をします。ワイの町も新しい時代へ。

それぞれの決意

レンはカエデに弓を引いて見せてほしいとお願いします。シヴァの言うとおりカエデの弓は美しかった。しかし自分の弓では人を救えないとカエデは言います。改めて弓と決別し、医術の道に進むことを再確認するカエデ。そのカエデの話を聞いて自分は弓の道に進もうと思いを強くするレン。カリンは自分の本職が薬師なのだということを思い出します。そして、ラウレルから引き継いだ診療所をしっかりと守っていこうと思い直します。

 ラウレルが自分に遺してくれたこの診療所を大切に守っていこう。レンには弓がある。カリンはやはり薬師の仕事が好きだった。
 大好きなマカニの診療所で、大好きな薬師の仕事をしながら、レンの弓と飛ぶ姿を見ていられるのだ。自分はなんとしあわせなのだろう。
 少し前まで、何故自分は居場所が無いなんて思っていたのだろう。
 カリンは先程のレンとの会話を思い出して思わず笑いを漏らした。
 カリンとレンは、お互いを追いかけているのだ。でも、きっとそれでいい。それはとてもしあわせなことだと思った。

「物語の欠片-七色の蛇篇-」は22編の欠片で構成されています▼

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