世に蔓延るわからず屋 | 雑文
「あなた。そろそろお別れの挨拶をしないと」
『このどあほう。先に逝っちまう親不孝者がどこにいるってんだ…』
「まさかこんな場所で再会することになってしまうなんて」
『このどあほう。これからだって時に、俺たちより先に旅立ちやがって…』
「兄ちゃん。父ちゃんたち、黒い服の人たちに連れていかれちゃった」
『あのどあほう。俺たちに黙って莫大な借金なんか作りやがって…』
「彼の親御さんから聞いたんだが、その後大勢の知り合いから金を借りていたそうだよ」
『あのどろぼう。取り返しのつかない借りばっか作りよって、この先どうするつもりなんだ?』
「お前の好きだった例の芸能人。不倫か浮気か知らんが、週刊誌に撮られて活動休止するって」
『どあほう。あの娘には、俺たちファンのために貞操観念を守って欲しかったよ』
「ところで例の婚約者なんだけど、挙式を上げる前日に浮気が親御さんにバレたらしいよ」
『どあほう。アイツは一体何やってんだよ。結婚相手がとても不憫でしかたないよ』
「例の問題児と付き合ってた彼女。妊娠がわかって退学になっちゃったみたいだよ」
『どあほう。あんなロクデナシと付き合うから、これからの人生どうしていくんだろうか』
「地元に残っているアイツ。何やら事件起こしたみたいで、また警察に捕まったそうだよ」
『どあほう。大人になってもガキの頃から全然変わってないじゃねえか』
「本日未明、東京都◯◯区で人気俳優の◯◯容疑者が◯◯の疑いで警察に現行犯逮捕されー」
『どあほう。折角芸能界に復帰できたのに、また事件なんか起こしちまって…』
「社長、昨日入社した新人くんが退職届けを出していきました…」
『どあほう!なんで期待の星でもある彼を引き留めなかったんだ!』
「先輩。例の機械、操作に失敗して壊れてしまったのですが…」
『どあほう!あれだけマニュアルちゃんと読めと言ったはずだぞ!』
「課長。この量の仕事、どう頑張っても今日中に終われません…」
『どあほう!鍛錬がなっていない証拠だぞ!いいか、俺の若い頃はなー』
「あの、部長。すみません、この作業のやり方について教えていただきたいのですが…」
『どあほう!君、入社して何年目だい?未だにそんなこともわかっていないなんてー』
「お客様。大変申し訳ございませんが、当店ではこちらの商品の対応はー」
『どあほう!こっちが困っているから来てやってんのに、その態度はなんだ!』
「えー、ただいまこの電車は、人身事故の影響により運転を見合わせておりまー」
『どあほう!こっちは急な用事があるのに、なんでこんな時に限って電車が止まるんだァー!』
(荷物をお届けに伺いましたが、不在だった為持ち帰りました。再配達をご希望される場合はー)
『どあほう!こちとら今日はずっと自宅に居たのに、なんでインターホン鳴らさんのじゃ!』
「やあやあ、Tくん。髪切ったんだね。もしかして、恋人にフラれたー?」
(どあほう…。美容室に行ったぐらいで、なんでそんな質問してくんだよ、このー)
来月、GRAPEVINEの新しいアルバム発売を控えている中、まさかこのタイミングで新曲が発表されるとは露知らず。
気づけば、自分なりに考える「世に蔓延るわからず屋」について、思わず叫びたくなるものがいろいろと浮かんできました。
この中に限らず、咄嗟に口にしてしまうこと、内に秘めていること、皆それぞれワンフレーズ分の「どあほう」と思うものを、おそらく持っているのではないでしょうか。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています!