早く起きた朝には… | 雑記
その日は午前5時近くに起きてしまった。
別段どこかに行く予定があるわけでもなく、何かを行う用事すらない。気づいたらいつもの如く、身体に負担がかかってよろしくない姿勢なまま、ソファに横たわっていたのである。
開口一番に「今、何時だ?」と、一人暮らしの住居に居座ってるはずのない誰かに問いかけるよりも、上から下まで常闇に閉ざされた空間で真っ先に時計を探し出す。
そして、引っ越してきた時から位置の変わっていない壁時計に目を配ると、蛍色にぼんやりと塗られた長針と短針が、まるで弓なり月を描いているような位置を指していた。
しかしながらこの時の自分の意識は、かつて経験した学生みたく「遅刻だ遅刻!」などと、ギリギリの状態に追い込まれた挙句にお決まり文句をかます訳でもなく、何かを諦めたかのように再びソファに寝そべってしまうのである。
だが、こうした中途半端な時間帯に目が覚めてしまったからには、再び二度寝してしまうのは何故か非常に惜しいと感じてしまう。とはいっても、これから何かをしなくてはならないタスクは特に無い。
まして、昨今で流行りのモーニングルーティンとやらは、いわゆる意識高い系人間と呼べるには程遠くかつ無縁な半生を過ごしてきた自分にはほとんど組み込まれていない。
ひとまず、溜まった衣類だけでも洗濯しようと、昨年買い替えたドラム式…ではなく、従来型にして安心と信頼で形造られた、縦型の全自動洗濯機にまとめて放り込む。
今年に入ってから洗濯に使う洗剤については、柔軟剤を含めてすべて、薬局などで売られている市販のものから「無印良品」に切り替えている。
洗濯が終わるまでの間、まだ太陽の光が差し込んでいないにも関わらずカーテンを開け、さらにベランダの窓を開け放った。
外はすっかり次の季節を運んできたかのような空模様と、つい最近まで汗ばんでいた陽気とは180度異なった乾いた冷たい空気が心地よく感じるようになった。
既にこの時間帯からは、電車の走る音が地味に騒がしく聞こえてきている。一人暮らしを始めた頃に住んでいた家も、とある沿線沿いに位置していた場所だったため、今となってはそこまで気にならなくはなっている。
なんとなく「何か」を始めるには時間においても陽気においても、丁度いい気がしていた。とはいえ「何か」をやろうという目星は案の定、まったく付いていない。
それでも、今みたいに真っさらな状態からその「何か」を始めてみたら、真っ当らしい根拠はその場に無くとも、行き当たりばったりになろうとも上手くいける気がしていた。
耳をすませば木漏れ日が聞こえてきそうで、どこにでもありそうな有りふれた日の早朝だった…。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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