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蝉時雨 | ショートショート

僕らの鳴らす声は貴方にとってうるさいですか?

それとも非常にけたたましいと感じていますか?


ええ…この何もかも八方塞がりなご時世ですから、

季節を楽しむ余裕の無い皆様方におかれましては、

そうネガティブにとらえられても仕方ありません。


それでも、皆さんとほぼ同様にこの世に、

且つこの形として生を授けられた僕らには、

十人十色とは程遠い声で鳴くことしか赦されないのです。

そして許された寿命は、誰もが驚くほど長くは持ちません。


これはある一種の拷問なのか、

もしくは天罰と捉えるべきなのでしょうか。


しかしながら、

僕らはそんな余裕をかましている時間はないのです。

こうして念を送っている間にも、

残された命の火は確実に小さくなっていきます。

暇を持て余すこと自体も惜しいのです。


相手もされず、見向きもされやしない現実。

たった一声でもかませば、吹き荒れる怒号の嵐。

それでも構いませんし、その覚悟の上です。



僕らはこの場所で、

生きた証を残すだけですから。




(410文字)


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タダノツカサ 最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!

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