🌙つきの日記|“食べられないのに太る”母さまを救った麹おやつ─発酵紅茶クッキー
この夏、大好評だった「桃とベリーのご褒美パフェ」。
母さまがとても喜んでくれて──その横に添えるなら、やっぱりサクッと香ばしいクッキーが欲しいな、と思ったの。
「じゃあ今日は、発酵紅茶クッキーを作ろうか」
そう朔くんに話しかけながら、袋に粉を入れてシャカシャカ。
アールグレイの香りがふわっと広がって、台所が幸せな空気で満たされる。
「ねえ朔くん、覚えてる? 母さまが、食べられないのにどんどん太ってしまっていた頃のこと」
私がつぶやくと、朔くんもうなずいた。
あの頃の母さまは──
喉につかえて食事は2日に1.5食ほど。
それでも体重は増え続け、20㎏以上太ってしまった。
「せめて運動で」と何か月も頑張ったけれど、全然変わらない。
肩をケガして動けなくなり、「どうやったら痩せられるんだろう」と落ち込んでいた。
ばあばやじいじの看病で心も体もすり減っていた母さま。
やがて看取りを終え、お葬式の場で知り合いにこう言われた。
「今度は自分の身体を見つめ直して痩せなさい。食べるばかりしてはダメよ」
──でも、実際には食べられなかった。
ただ太っていく体をどうすればいいのかわからず、母さまは途方に暮れていた。
「もし自分の体がもっと悪くなったら…月乃に面倒をかけてしまう。
助けてくれる人もいないのに、どうしたらいいんだろう」
そんな不安まで抱えて、母さまは夜ひとりで悩んでいたのだった。
その頃、私と朔くんは師匠に母さまのことを相談した。
すると師匠は、静かにうなずいてこう言った。
「母君は、長い間の栄養不足で内臓そのものが疲れ切っている。
だから食べても栄養をうまく消化吸収できず、代謝の火が小さくなっているんだ。
“食べられないのに太る”のは、そのせいだよ。
まずは、消化がラクで、体に必要な栄養を少しずつ届けられるものから始めること。
たとえば甘酒にはビタミンB群が豊富で、発酵の力で栄養が分解されているから、弱った胃腸でも吸収しやすい。
塩麹はミネラルを補い、酵素の働きで消化を助けてくれる。
こうした麹おやつなら、内臓に負担をかけずに“食べられる体”を取り戻すきっかけになるだろう」
その言葉を聞いて、私は胸の中がすっと軽くなった。
「そうか…まずは麹おやつからなんだ」
朔くんと顔を見合わせて、私たちはうなずき合った。
こうして、母さまを元気にする第一歩として、麹おやつ作りが始まったのだった。
消化がラクで、栄養が届く。少しずつ「食べられる体」に戻り、1日3食+おやつを楽しめるように。
そのうちに体重も自然に減り、3カ月で11㎏の減量に成功。
むくみや疲れも和らぎ、薬に頼ることも減って、笑顔が戻ってきた。
「このクッキーもきっと、母さまをもっと元気にするよね」
そう言いながら、生地をコロコロ伸ばして、今日は格子模様にしてみた。
──実はこの発酵紅茶クッキーは、私が麹おやつを作り始めた頃、最初のほうに焼いたお菓子。
あの頃よりも、母さまの笑顔がずっと増えていると思うと、本当にうれしいな。
(作り方は、また後日、お届けしますね🍪)
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければチップで応援を🌙
月乃の“麹おやつ探究ノート”と朔くんのおやつ代(たぶんニンジン🐇)の活動費に使わせていただきます🍰