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「会社辞めたいって、甘えですか?」

朝、いつも通りの満員電車。
通勤時間は、スマホを見ているか、
何も見ていないかのどっちか。
今日は、何も見たくない日だった。

職場に着いて、いつも通りの笑顔。
上司に言われたことを淡々とこなし、
後輩のフォローをして、
取引先には丁寧な言葉を並べて。

その間に、自分のしたかった仕事は、
どこにもいなかった。

なんでもないようなふりをして、
お昼休みにはコンビニのパンを急いで食べて、
定時を過ぎても終わらなかった分は、
誰にも言わずに持ち帰った。

そんな日が、何日も続いていた。


夜、帰宅して。
お風呂にも入らず、夕飯も抜いて、ただベッドに寝転んで、ひとりぽつんと天井を見てた。

「もう、だめかも」

スマホを持つ手が、
なんとなくSafariを開いていた。

「仕事 疲れた 辞めたい」

何気なく打ち込んだ検索窓。
画面には、似たような言葉が並んでいた。

その中に、すっと胸に入ってくる、
やわらかい雰囲気の、小さな記事があった。

見つけたのは、“note”に書かれていた、
小さな、でもまっすぐな記事だった。

見知らぬ誰かが、自分の気持ちみたいなことを、ただ正直に綴っていた。

読みながら、不思議と涙が出た。
ひとことも書いていないのに、
「つらいね」って言ってもらえた気がした。

「辞めてもいいのかもしれない」
そんなふうに思えたのは、
その文章がはじめてだった。

私の気持ちは、間違っていなかった。
無理して笑っていた日々が、
ちゃんと誰かに届いた気がした。

たぶんその夜が、
私が“書いてみよう”と思えた、
いちばん最初の夜だった。


「会社辞めたいって、甘えですか?」

その答えは、今も正直わからない。
でも、自分の気持ちにフタをしないことは、
きっと甘えじゃない。

そしてこの場所で、
もう少しだけ、自分の声に耳をすませてみたい。

あの夜、noteで誰かの言葉に救われたみたいに。
こんどは、私の言葉が誰かに届いたらいいなと思って。まだうまく言えないけど、それでも。
忘れられない、消したくない記憶を、そっと書いていきます。

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つきの あなたの灯りが、わたしの夜に息をくれます。