白と黄色の薄い夢 ✴ 短篇
* スーツケースがいっぱいの夢…
気付けばなぜか、朧気に… たしか‥‥
実家には、白いスーツケースとか、キャリーケースとか、幾つかあったよなぁ‥ とか思っていたら─
こんなスーツケースもあった、こんな小さいサイズのものも、あんなサイズのキャリーケースも‥と。
あれよあれよと 増えていく… 見つかり、現れ出す。
エスカレーターを登る…など、場面に合わせてケースバイ・ケース、色々なケースに対応できますよーていう、
広告みたいな…?? 夢。キャリーケース*
スーツケースがいっぱいの夢
*
✴
とある日の夜、夫婦は車を走らせていた。
おそらくきっと、帰路だろうか…田舎のなかの田舎、畑なのか田んぼ道やらになって、実家に近付いてきた…という頃、"薄黄色い" 影─が 視界をかすめる。
─きっと、気のせいだろう…。
そう、思う事にした。 (まさか、ね)
ひと度思い出せば、忘れる事などできないくらいには刻み込まれていた色─
けれど、
それから…今までずっと、出会う事は なかった─
遠く 懐かしくなり果てた記憶の中でしか、見たことのない色─
フードを頭に被った、幼い忍者の姿が 頭をよぎる。
「将来の夢は…忍者」だった頃の、幼き日の彼が
愛用していたパーカーの色は、薄黄色だった。
*
… 報せが入る。
その、幼き日の彼その人が、祖母に見つからぬよう、夜中に家を抜け出し、銀座の高級倶楽部に行っていた─のだ。と、
その道中は、いつもと違う道のりを使い、畑のまっただ中を突切るように通る。(駄菓子屋を目じるしに)
そして、その先には、小さな無人駅がある。
夫婦が車を走らせていた道は、
あの薄黄色い影─が目を掠めたのは…ちょうど、その駄菓子屋の前の、田畑にまみれた道であった。
* *
─珍しく… そんな夢を立て続けに視た。意味はわからないけれども釈明とした、釈然のような夢を。
