犯罪学の視点から語る『ショーシャンクの空に』|犯罪学 教授が解説
立正大学教授 丸山泰弘(犯罪学・刑事政策)が、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説します。今回は「映画『ショーシャンクの空に』を語る」です。
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名作『ショーシャンクの空に』を犯罪学・刑事政策の観点からネタばれ全開で語ります。なぜ刑務所を出るのが怖かったのか? 出所後に利用している施設とは? アメリカと日本の刑務所の違いとは?
スタッフより一言
感動する映画や不朽の名作ランキングの度に、相当な頻度でNo.1の「ショーシャンクの空に」。若い頃は「何をみんなそんな感動してるのよ…」と思っていましたが、ツミナハナシで語った今となっては、いつでも、何度でも観たい作品になりました。
「刑務所から出るのが怖い」「刑務所に戻りたい」という言葉を、ニュースで一度聞いたことはないですか?その意味がはっきりわかる作品だと思います。観たことあるよ、という人が多いと思いますが、ツミナハナシを聴いてくださっている今、きっと新しい発見や視点が詰まった作品だと思います。「午前10時の映画祭」では繰り返し選出されているので、スクリーンで観る機会もあります。ぜひ、映画館で観てくださいね。
好きなシーンはたくさんありますが、何かあるたびに思い出すのは最後のモーガン・フリーマンの「I hope…」です。“人は、いついかなる時も、希望を奪われることはない” 私たちは、これからも、皆さんととも未来を描いていきたいと思っています。2026年もどうぞよろしくお願いいたします。(み)
こんな話をしています
・ネタばれ:刑務所を出るのが怖い「刑務所病」
・解説:出所後に利用している施設とは(ハーフウェイハウス)
・解説:アメリカと日本の刑務所の違い
・ネタばれ:原作者が描きたかった「希望」
南口:「ショーシャンクの空に」が、いつ見ても、何回見てもいいなって思うのは、字幕だと「刑務所病」となっているんですけど、その問題を取り上げてくれるところなんですよね。
丸山:50年ぐらい刑務所の中で過ごして、仮釈放が決まった受刑囚のブロックさんに、若い受刑者友達が「おめでとう」と言ったことで、普段温厚なはず彼が「刑務所を出たくない」と暴れるんですよね。もう塀の外に出たくないって。まだ受刑経験が短めの受刑者はおかしくなったんじゃないかっていうんだけど、受刑経験が長い人ほど、「あの気持ちはわかるんだ」っていうんですね。
南口:そこが、その後モーガン・フリーマンも長期受刑して出所するところに繋がってきます。
丸山:この「施設慣れ」英語だと「institutionalized」という過程を、モーガン・フリーマンが説明してます。最初は自分を外に出せないようにしてる塀が憎いという怒りがあるんですけれど、そこからだんだん塀があるのが当たり前のような生活に慣れてきてしまう。さらに、社会から自分を逆に守ってもらってる壁であって、自分はこの中だから存在意義があるとなってしまう。
モーガン・フリーマンの調達屋さんは、色々な受刑者が「ああいうの欲しい、こういうのが欲しい」というのを集めてくるので重宝されているんだけど、塀の外に出てしまったら、もう電話帳1冊で済む話だし自分が何の存在意義もなくなる。誰も知らないし、ただ年老いた前科者だっていう存在になってしまう。社会からの風も強いだろうからと、自然と塀がだんだん憎いものから、こんな社会から自分を守ってくれるものになっているということが描写されていると思います。
南口:ブルックスとモーガン・フリーマン、2回描かれるからしっくりくるんですよね。見事な作りだなって思います。
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作品概要
『ショーシャンクの空に』(原題:The Shawshank Redemption)
監督:フランク・ダラボン
原作:スティーブン・キング
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
1994年/アメリカ/カラー
ミナハナシを話すヒトたち
丸山泰弘:立正大学法学部 教授/知的エンターテインメント・クリエイター
南口芙美:合同会社黒子サポート 代表
山口裕貴:フリーランス(パラリーガルなど)
※3人とも、一般社団法人 刑事司法未来 理事
でてきた用語・人物
ハーフウェイ・ハウス
刑務所慣れ(institutionalized)
更生保護施設
拘禁刑
メディカルモデル
もっと知りたい
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