#きおくをつなごう|祖父の命が、わたしに託した“平和のバトン”─80年目の『つなぐ』宣言。
今年も、あの日がめぐってくる。
日本の夏は、セミの声とともに始まる。
でも、8月6日は違う。
蝉時雨の奥に、言葉にできないざわめきがそっと息をひそめている。
あの日から、80年。
2025年の夏は、その節目の年。
一人の人生が6巡りしてもなお、
街の風は、あの日に焼き付いた記憶を、静かに運んでいる。
消えてしまったはずの声が、今もどこかでささやいている気がする。
――あの日、祖父は生き延びた。
そのことが、すべての始まりだった。
だから、わたしは今、ここにいる。
その事実に、胸が詰まる。
歳を重ねるたびに、重たさと、いとしさが増していく。
「生きてくれて、ありがとう」
そう心の奥で、何度も何度もつぶやく夏が、また来る。

🕊️はじめに|祖父から受け取った、ことばにならない記憶
幼いころ、祖父から一度だけ、戦争のはなしを聞いたことがあります。
「戦争で飛行機に乗っとったんじゃ」
「特攻に行くはずじゃったけど、あの日の朝、お腹が痛うてな……布団から起き上がれんかった」
聞いたのは、たった一度きり。
けれど、その声の響きと、祖父の横顔が、ずっと心に残っています。
あれから何十年も経った今も、8月6日が近づくたびに、あの記憶が静かに胸に帰ってくるのです。
祖父は多くを語らない人でした。
でも、やさしさの宿る目で、いつも静かにわたしを見つめてくれていました。
そのまなざしの奥に、どれほどの葛藤や祈りがあったのか――
今となっては想像することしかできません。
けれど、わたしは知っています。
祖父が生き延びたことで、父が生まれ、わたしが生まれたこと。
その偶然のような奇跡の先に、今ここに自分がいること。
祖父が遺してくれた問いがあります。
「生き残った者は、何を残すのか?」
わたしはその問いを受け継ぎ、今を生きています。
🕊️祖父の物語|わたしの平和の原点
祖父が若いころ、海軍航空隊に入隊し、神風特別攻撃隊の一員として出撃命令を受けた日のこと。
その朝、腹痛で動けなくなり、医務室に運ばれて出撃を免れた。
それが、祖父の語った唯一の戦争体験でした。
仲間たちは飛び立ち、戻らなかった。
命を懸けた覚悟を持ちながら、戦わずして生き残った者として、
祖父はその後の人生を静かに、けれど真っ直ぐに生きていたように感じます。
その生き様こそが、わたしにとっての「平和」の原点でした。
🕊️わたしにできること|語る・つなぐ・手渡す
世界のどこかで、今も誰かの現実として起きている――
それが戦争なのだと、わたしは“知っているつもり”でいました。
でも、“知ろうとすること”は、今からでもできます。
“伝えること”も、“祈ること”も、“形にすること”も、きっとできる。
だからこそ。
平和のバトンをつなぐために、
わたしにできる小さな一歩を、日常のなかに探そうと思いました。
🌱わたしが選んだ「3つのアクション」
1. 語ること ── 祖父の話を、言葉として残す。
2. つなぐこと ── 想いを、誰かに届ける作品として形にする。
3. 手渡すこと ── 子どもたちへ、未来を想うきっかけを手渡す。
この3つを、「平和の種まき」として、わたしは続けていきたいと思っています。
🕊️キャラクター「つなぐ」に込めた願い
やさしさを、かたちにしたい。
祈りを、そっと誰かの手のひらに渡したい。
つなぐの姿に込めた、3つの平和の願い
❤️雲のような まあるいかたち
→ すべてをやさしく包み込む「争いのない世界」の象徴。
とがったところのない、まるい形には、「分かり合う余白」があります。
❤️両手で抱いた赤いハート
→ たとえ違いがあっても、「愛を持ってつながろう」とする勇気のしるし。
誰かに手を差し出すことを、あきらめないという想いがこめられています。
❤️そして、「つなぐ」という名前そのもの
→ 人と人、想いと想いをつなぎながら、やさしさの輪をひろげていく。
“名前”という存在そのものが、このキャラクターの使命であり、祈りでもあります。
「つなぐ」は、わたし自身の分身であり、
心を込めて言葉を届ける“やさしさの案内人”でもあります。
🕊️おわりに|生き延びた祖父と、生まれてきたわたしと
もし、あの日祖父が出撃していたら、わたしは存在していなかった。
そう思うとき、ただ「運がよかった」では片付けられないものが、胸に広がります。
祖父の命の延長にわたしがいて、
わたしの命の先に、未来の子どもたちがいる。
平和とは、「戦争がないこと」だけじゃない。
平和とは、「やさしさが続いていくこと」なのだと思います。
そのやさしさを、ことばで、行動で。
これからも、つないでいきたい。
8月6日。祈りの日。
「つなぐ」の名前に込めた願いとともに、
今年もまた、やさしい1日を迎えられますように。
🕊️さいごに
わたしが母となり、子どもを守るようになってから、
ようやく見えてきたものがあります。
あの日、祖父が生き残ったという奇跡。
そして今、わたしが広島という場所で
「平和」を語りたいと願っているという事実。
──これは、祖父からそっと託された
“平和のたね”だったのかもしれません。
何気ない日常の中にある「やさしさ」が、
未来をつくる、大切な力になりますように。
つなぐ|HIROMI 🌸
平和の種を蒔く人
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エッセイ、サウンドストーリー、3行日記、やさしいことばたち――
あなたの心にそっと寄り添うものを、ジャンルごとにまとめています。
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わたしも、あなたのあたたかさを誰かに繋げていきます🕊️
