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【第41回】AIは2つの関係の強さをどう測る?相関係数とは

2つのデータに関係がありそうでも、それがどれくらい強いのかは見ただけではわかりません。
その強さを -1 から 1 の範囲で表すのが相関係数です。
この記事では、相関係数の見方と、共分散との違いをやさしく解説します。


1. 読み方

そうかんけいすう (Correlation Coefficient)


2. 意味(定義)

「2つの変数の間の連動性の強さを、−1 から +1 の範囲で表した数値」のことです。

  • +1 (完全な正の相関): 片方が増えれば、もう片方も完璧に一定の割合で増える(グラフに描くと、右肩上がりの一直線になる)。

  • −1 (完全な負の相関): 片方が増えれば、もう片方は完璧に一定の割合で減る(グラフに描くと、右肩下がりの一直線になる)。

  • 0 (無相関): 2つの間には、連動しているという関係が全く見られない。

「相関がある」と言ったとき、単に「関係がある」だけでなく、「一方が動けば、もう一方も(プラスかマイナスかは別として)予測可能な動きをする」という意味が含まれています。


3. 歴史・背景

相関係数の概念は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、統計学が「データの記述」から「変数間の因果関係や関連性の推測」へと進化する過程で確立されました。

特に、カール・ピアソン(Pearson)という数学者が、これまでの「共分散」の弱点(単位によって値が変わってしまうこと)を克服するために、標準偏差を使って数値を正規化(スケーリング)したことで、現代的な「ピアソンの積率相関係数」が誕生しました。これにより、異なる種類のデータ(例:身長 cm と体重 kg)の間でも、同じ基準で「関係の強さ」を比較することが可能になったのです。


4. 比較・対比(似た用語との違い)

ここが試験で狙われる「整理」ポイントです!

  • 相関係数 vs 共分散 (Covariance) ★超重要

    • 共分散: 「連動の方向と量」を示すが、単位に依存する。値が 100 でも 0.1 でも、データの大きさに左右されるため、「強いか弱いか」を判断しにくい。

    • 相関係数: 共分散を標準偏差で割って「−1 ∼ +1」の範囲に閉じ込めたもの。単位に依存せず、誰でも「強い・弱い」を判定できる!

  • 相関係数 vs 因果関係 (Causality) ★超重要(罠!)

    • 相関係数: 「AとBが連動して動いている」という事実を示すだけ。

    • 因果関係: 「Aが原因で、その結果としてBが起こる」という、原因と結果の関係を示す。

    • ⚠️ 注意: 「相関があるからといって、因果関係があるとは限らない」。

      • 例:「アイスクリームの売上」と「水難事故の数」には強い正の相関がありますが、「アイスを食べたから溺れた」わけではありません。「気温の上昇」という共通の第3の変数(交絡因子)が両方を動かしているだけです。


5. 活用シーン(どんな問題に使うか)

  • 特徴量選択 (Feature Selection): 機械学習において、ターゲットとなる値(予測したいもの)と強い相関を持つデータを見つけ出し、予測に役立てる。

  • 多重共線性 (Multicollinearity) の検出: 予測に使うデータ同士が「強すぎる相関」を持っていないかを確認する。もし強すぎると、モデルの計算が不安定になるため、片方のデータを削除する判断材料になります。

  • マーケティング分析: 「広告費の投入量」と「売上」の相関を調べ、広告の効果を測定する。


6. G検定での出題傾向

G検定では、以下のポイントが狙われます!

  1. 値の範囲と符号の意味: 「−1 ∼ +1」「正なら右肩上がり、負なら右肩下がり」という基本知識。

  2. 共分散との関係式: 「相関係数 = 共分散 ÷ (標準偏差A × 標準偏差B)」 という計算・概念問題は超頻出です。

  3. 「相関と因果の違い」: 前述した「第3の変数(交絡因子)」による偽の相関の例題や、記述問題。

  4. 多重共線性 (Multicollinearity) との関係: 特徴量同士に高い相関がある場合に発生する問題点についての理解。


7. G検定の例題

【問題1:計算問題】

変数 X と Y の共分散が −5であり、X の標準偏差が 2、Y の標準偏差が 2.5 であるとき、この2変数の相関係数はいくらですか?

  • A. −0.5

  • B. −1.0

  • C. −2.5

  • D. 1.0

【問題2:概念・因果関係】

「ある地域において、気温が高い日ほど、アイスクリームの売上量が増える」というデータが得られた。このとき、統計学的な解釈として最も適切なものはどれですか?

  • A. アイスクリームの売上が増えると、気温が上昇する因果関係がある。

  • B. アイスクリームの売上と気温の間には、負の相関がある。

  • C. アイスクリームの売上と気温の間には、正の相関があるが、必ずしも因果関係があるとは限らない。

  • D. 相関係数が 1 であるため、気温の変化はアイスクリームの売上に全く影響を与えない。


8. 例題の回答と解説

【問題1 の回答】

正解:B

【解説】 相関係数の公式​に当てはめます。 ρ = −5 / (2 × 2.5) = −5 / 5 = −1 

【問題2 の回答】

正解:C

【解説】

  • 「売上が増える → 気温も高い」という連動が見られるため、「正の相関」があります。

  • しかし、前述した通り、アイスクリームが気温を上げるわけではありません(因果関係の否定)。

  • 統計学において最も重要な教訓の一つである「相関関係 ≠ 因果関係」を問う典型的な問題です。


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