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【第54回】AIは数を予測する?種類を見分ける?回帰と分類とは

前回は「教師あり学習」について学びましたね。正解ラベルを使ってAIが勉強するという仕組みはバッチリでしょうか? でも、AIが「正解を当てる」といっても、実は「何を当てるか」によって、AIの中での計算方法が全く違うんです。 「明日の気温は何度か?」と「明日は晴れるか雨か?」を当てるのは、実は全然違うアプローチ。 今日は、教師あり学習の2大巨頭である「回帰」と「分類」について、スッキリ整理していきましょう!


1. 読み方

  • 回帰 = かいき

  • 分類 = ぶんるい


2. 意味(定義)

AIが答えを出すとき、その答えが「数字」なのか「グループ」なのかで名前が変わります。

① 回帰(かいき)=「数値をピンポイントで当てること」 例えるなら、「スーパーの店員さんに、カボチャの重さを予想してもらうこと」です。 「だいたい2.5kgくらいかな?」という風に、連続した数値で答えを出します。 1kgなのか、1.1kgなのか、1.15kgなのか、答えが無限にあり得る「量」を予測するのが回帰です。

② 分類(ぶんるい)=「どのグループに属するか当てること」 例えるなら、「バラバラに届いた郵便物を、『重要』か『チラシ』かに分けること」です。 「これはAグループ!」「これはBグループ!」という風に、あらかじめ決められたカテゴリー(ラベル)のどれに当てはまるかを判定します。 答えは「AかBか」のように、パキッと分かれた選択肢の中から1つを選ぶのが分類です。


3. 歴史・背景

人間は昔から、「過去のデータから未来を予測したい」と考えてきました。 例えば、農作物の収穫量を予想したり、病気の症状から病名を特定したり。

AIの世界でも、この「数値を当てる(回帰)」ことと「種類を分ける(分類)」ことは、機械学習の最も基本的で重要なタスクとして発展してきました。 なぜこれが重要視されるかというと、世の中のほとんどの問題が、このどちらかに集約されるからです。

「売上を予測したい」 → 回帰
「この画像が犬か猫か知りたい」 → 分類
「このメールが迷惑メールか知りたい」 → 分類
「来月の電気代がいくらになるか知りたい」 → 回帰

このように、やりたいことに合わせて「回帰を使うか、分類を使うか」を正しく選ぶことが、AI開発の第一歩になります。


4. 比較・対比(似た用語との違い)

「回帰」と「分類」はどちらも教師あり学習ですが、決定的な違いは「出力される答えの形」です。

【回帰】の場合

  • 答えの形: 連続した数値(量)。

  • 特徴: 「どれくらい?」という量的な予測をする。

  • 例: 明日の株価、テストの点数、家の価格。

  • イメージ: メジャーで長さを測る感じ。

【分類】の場合

  • 答えの形: 離散的な値(カテゴリー)。

  • 特徴: 「どっち(どれ)?」という種類的な判定をする。

  • 例: 合格か不合格か、犬か猫か、赤か青か。

  • イメージ: スパムを迷惑メールフォルダへ、それ以外を受信トレイへ仕分ける感じ。


5. 活用シーン(実社会のどこで、どんな問題に使うか)

① 不動産アプリの「家賃相場予測」(回帰) 駅からの距離、部屋の広さ、築年数などのデータから、「この部屋の適正家賃は〇〇円です」という具体的な数値を算出します。これは典型的な回帰の活用例です。

② スマホの「顔認証ロック解除」(分類) カメラに写った顔のデータが、「登録された持ち主(正解)」なのか、「それ以外の人(不正解)」なのかを判定します。「持ち主である / ではない」という2つのグループのどちらかに分けるため、これは分類になります。


6. G検定での出題傾向

G検定では、「ある具体的な事例が提示され、それが『回帰』か『分類』かを選ばせる問題」が非常によく出ます。

  • 見極めポイント: 答えが「〇〇円」「〇〇度」などの具体的な数値になっているか、それとも「〇〇である」「Aグループである」というカテゴリーになっているかに注目してください。

  • 注意点: 「0か1か」で答える問題が出たとき、それが「確率(0.7など)」を求めているなら回帰的な考え方ですが、「0(ダメ)か1(OK)か」というラベルを求めているなら分類になります。文脈をしっかり読みましょう。


7. G検定の例題

【問題1:最頻出(基礎的な定義)】

教師あり学習において、連続する数値を予測することを何と呼ぶか?

A. クラスタリング
B. 分類
C. 回帰
D. 次元削減

【問題2:頻出(事例からの判断)】

「過去の天候データと気圧から、明日の最高気温が何度になるかを予測する」というタスクに最も適した手法はどれか?

A. 回帰
B. 分類
C. 教師なし学習
D. 強化学習

【問題3:ひっかけ(勘違いしやすいポイント)】

以下の例の中で、「分類」に該当するものはどれか?

A. 過去の販売実績から、来月の売上個数を予測する。
B. 走行距離と年式から、中古車の販売価格を予測する。
C. 検査数値から、患者が「糖尿病であるか、ないか」を判定する。
D. 過去の気温データから、10年後の平均気温を予測する。


8. 7の例題の回答と解説

【問題1:回答】 C

【解説】 正解はCです。定義そのものの問題です。連続した「数値」を予測するのは「回帰」です。ちなみにAとDは教師なし学習の手法、Bはカテゴリーを当てる手法です。

【問題2:回答】 A

【解説】 正解はAです。「最高気温が何度になるか」という答えは、「25.3度」のように連続した数値になります。したがって、これは「回帰」の問題になります。

【問題3:回答】 C

【解説】 正解はCです。

  • Aは「売上個数(数値)」なので回帰。

  • Bは「販売価格(数値)」なので回帰。

  • Dは「平均気温(数値)」なので回帰。

  • Cだけは「である / ない」という2つのグループに分ける判定をしているため、「分類」に当たります。すべて数値予測に見える選択肢の中で、一つだけ「判定」が混ざっているひっかけ問題でした。


9. Ankiアプリ用(CSV形式)

教師あり学習で、連続した数値を予測する手法は?,回帰
教師あり学習で、データがどのグループに属するかを判定する手法は?,分類
「明日の株価がいくらになるか」を予測するのは回帰か分類か?,回帰
「メールが迷惑メールかどうか」を判定するのは回帰か分類か?,分類
回帰と分類の決定的な違いは何か?,出力される答えが「数値(量)」か「カテゴリー(種類)」かという点。


📝 総評・まとめ

お疲れ様でした!「回帰」と「分類」の違いはバッチリ掴めましたか? どちらも「答えを当てる」ことですが、「定規で測る(回帰)」か「箱に分ける(分類)」かというイメージを持っておけば、もう迷うことはありません!

✅ 絶対に覚えて!

  • 回帰 = 答えが「数値」。量や金額、温度などをピンポイントで予測すること。

  • 分類 = 答えが「ラベル(種類)」。AかBか、どのグループかを判定すること。

  • 実例で考えよ! = 「〇〇円」なら回帰、「〇〇である」なら分類。


🚀 次回予告 回帰の基本がわかったところで、次は具体的にどうやって数値を予測するのかを見ていきましょう。 AIが予測に使う「魔法の直線」のお話です。

【第55回】AIは直線で予測できる?線形回帰とは


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