【楢葉遠隔技術開発センターを訪れて】「日本の覚悟」が詰まった場所
痛快技術株式会社 上田です。
先日、ご縁があって福島県楢葉町にある「楢葉遠隔技術開発センター 」に訪問をしました。
大阪空港(伊丹)から福島空港まで、飛行機で約50分。
正直、体感としては「もう着いたの?」という距離感です。


訪れる前のイメージは、「遠隔技術の研究施設」「ロボット関連の実証拠点」。その程度の理解でした。
でも実際に足を運んで感じたのは、ここは “研究施設” というより、
日本が未来に向けて積み上げてきた現場そのものだ、ということでした。
この施設は、なぜ生まれたのか
きっかけは、言うまでもなく
2011年の東日本大震災と 福島第一原子力発電所 事故です。
事故対応や廃炉作業では、下記のような作業があります。
・人が近づけない高線量環境
・視界が確保できない閉鎖空間
・正確さと安全性が同時に求められる作業
そこで必要になったのが、「人が行けない場所で、人の代わりに作業する技術」。つまり、遠隔操作・ロボティクス・センシング・映像認識といった分野です。
楢葉遠隔技術開発センターは、
廃炉という超高難度ミッションに向けた「実機・実寸・実環境」で試せる世界的にも珍しい総合的な実証フィールド
として整備されました。
福島第一原発「20キロ圏外ぎりぎり」の場所
楢葉遠隔技術開発センターが設置された場所には、明確な「理由」と「意味」があります。この施設は、福島第一原子力発電所から
およそ20キロ圏内、当時の避難指示区域の“ぎりぎり外側に位置しています。
事故直後、20キロ圏内は立ち入りが厳しく制限され、人も、物資も、技術も、自由に入ることができませんでした。その「限界点」として選ばれたのが、この楢葉町(ならは)でした。
事故対応の“最前線”に最も近い、安全な場所
当初、この場所は、原発事故対応の最前線に最も近い、安全な拠点でした。
これ以上近づけばリスクが高い
これ以上離れれば現場性が失われる
その境界線。
つまりここは、安全と現場性の両立が求められた、極めて現実的な選択の結果でもあります。
このお話をお聞きして「なぜ福島に作ったのか」
ではなく、「福島でなければ意味がなかった」そう言える場所なんだと感じました。
すごさ1:机上の研究では終わらせない「実寸環境」
この施設の最大の特徴は、「本番を想定した環境が、ほぼそのまま用意されている」 点です。
原子炉建屋を模した大型試験設備
配管・段差・狭隘空間
カメラ越しにしか把握できない状況
ここで行われているのは、「うまくいくはず」という研究ではなく、
「失敗したらどうなるか」まで含めた検証です。

遠隔操作ロボットも、ただ動けばいいわけではありません。
操作する人が“失敗”をしないか
判断が遅れないか
映像・遅延・操作感は実用レベルか
といった点を、何十回・何百回も検証した上で現場導入をされています。
すごさ2:廃炉だけじゃない。技術は広がっている!
ここで培われた技術は、廃炉専用で終わるものではありません。
ここの施設は様々な用途で使用が可能とのこと。
災害対応ロボット
危険区域での遠隔作業
つまり、これらの施設・設備は、1Fの廃炉に関わる利用に限らず、幅広いご利用が可能ということです!
※以下は、楢葉遠隔技術開発センター公式HPより一部引用
開発実証施設として
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)の楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所(1F)の廃炉推進のために遠隔操作機器(ロボット等)の開発実証施設として整備されました。
NARRECは研究管理棟と試験棟から構成され、実規模モックアップ試験を行える屋内大空間・モックアップ試験設備や、廃炉作業の作業計画等の検討を行えるVR室、会議・研修を行える多目的室・会議室等の各施設・設備がご利用可能です。
なお、これらの施設・設備は、1Fの廃炉に関わる利用に限らず、幅広いご利用が可能です。NARRECでは、遠隔技術に関する幅広い専門分野の研究者や技術者が集まり、その研究開発を効率的かつ有効的に進め、さらに、得られた成果の情報発信も行う遠隔技術開発の拠点を目指しております。
すごさ3:若い世代が、この場所を目指して集まってくる
楢葉遠隔技術開発センターでは、研究や実証だけでなく、次世代人材の育成も重要な役割として位置づけられています。
ここを会場に開催されている「廃炉創造ロボコン」も、その一つです。
今回、センター長から伺った話の中で、特に印象に残った言葉があります。
「このロボコンに出たくて、高専に進学した学生もいるんです」
廃炉というテーマは、決して派手でも、分かりやすくもありません。
それでも、
社会に本当に必要とされている技術に触れたい
現実の課題に向き合うロボットを作りたい
“本物の現場”に近い環境で挑戦したい
この話を楢葉という場所で聞いたことで、
この施設が担っている役割の大きさを、改めて実感しました。
最後に、グッズもいただきました!
ハイチュウ × ケンキュウチュウ、思わずニヤッとしてしまうネーミングです!

まとめ
3.11の後、2013年頃に、私は仙台や石巻でハッカソンを運営したことがあります。被災者の方のお話を聞き、現地の学生たちと一緒に手を動かした時間は、自分自身にとっても、とても考えさせられる経験でした。
ただ、今回初めて福島を訪れて、改めて強く感じたことがあります。
震災から時間は確かに経っている。けれど、廃炉に向けた挑戦は、いまも現在進行形で続いているということ。
そしてその現場から、技術や人、さらには新しい取り組みが、確かに生まれ続けているということです。
楢葉遠隔技術開発センターに整備されている施設や設備は、福島第一原子力発電所の廃炉に関わる利用にとどまらず、より幅広い用途や挑戦で利用できるとのこと!
今回の訪問を通じて、この場所で、何か新しい取り組みに関われないだろうか。そんなことを自然と考えるようになりました。
余談ですが….
福島空港ではウルトラマンがお出迎えしてくれていました。ウルトラマンの生みの親、特撮の神様 円谷英二氏は、福島県須賀川市に誕生した為らしいです。

著者 : 上田 哲弘 (痛快技術株式会社)
中学生の時に「時代の寵児」と話題になったホリエモンに憧れIT業界に興味を持つ。その後、WEB開発を学びWEBディレクションを経験するが、より開発をしたく再度エンジニアとして粉骨砕身で挑んでいる。
痛快技術株式会社について
痛快技術株式会社 : https://www.tsu-x.com/
当社は、技術の力で社会の問題を解決することを目的として設立されました。私たちは、技術の楽しさを広め、社会のニーズに合わせた製品を開発し、幸せな未来を実現することを使命としています。
痛快技術ではAIの技術やを使った開発を行っております。
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