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2020年代は、Eveの時代になると断言する。

【Eve/『Smile』】

喪失、後悔、葛藤。その孤独な日々に光を差す、かけがえのない他者との出会い。同じ感情を分かち合えた歓び、そして、その先に訪れる救済と再生。

BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、米津玄師、そうした数々のアーティストたちが紡いできた「一人称」のロックという系譜があるとして。2020年の今、そのフォーマットを堂々と引き受け、最も痛快な形で更新しているアーティストは、僕はEveだと思う。



『文化』、『おとぎ』で一つの完成形に至ったバンドアンサンブルはそのままに、今作『Smile』では、極めて精緻なサウンドプロダクションによって、感情表現の深度と精度が格段に増している。

まずは、今作のリードナンバー"LEO"を聴いて欲しい。曖昧な感情の輪郭を的確に捉え、リアルタイムでチューニングしていくようなスリリングなロック体験を味わえるはずだ。ストリングスを主軸としながら、立体感を強調したアレンジも素晴らしい。



笑いながら泣いている(泣きながら笑っている)表情を模したアルバムジャケットが象徴的であるが、この最新作『Smile』が映し出す「二面性」は、あまりにも鮮烈なものである。そして、その両極の内、ブライトサイドを最も鮮やかに担っているのが、カラフルなポップ・フィーリングが弾ける"心予報"、そして"白銀"だ。



特に、"白銀"の突き抜けた爽快感は本当に凄い。鮮やかに開けていく視界。広大な大地を踏み締めるリズムに合わせて、次第に踊り出す心。そしてついに迎える《白銀の大地を蹴った》瞬間、思わず胸が熱くなる。これが本当にEveの楽曲なのかと驚かされてしまった。同時に、そのスケール感を誇るステージに値するアーティストへと、まさに彼は進化を遂げたのだと確信した。

そして、アルバムの最後に配置されているのは、あまりにも無防備なアレンジの"胡乱の食卓"だ。今作のテーマである「二面性」、そのダークサイドの感情を剥き出しにしたグロテスクな同曲は、矛盾するようであるが圧倒的に美しい。


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自分は何者であるか。孤独を引き受けて、それでも必死に愛と向き合いながら、僕は、私は、この先にどのような道を歩んでいくのか。その探究の旅は、いつまでも終わることはない。それに、きっと必ずしも答えなんてないのかもしれない。それでも今作『Smile』は、僕たちリスナーの背中を優しく、力強く押してくれる。

「一人称」のロック、その最新系にして、一気に普遍の真理へと至ってしまったような、まさに新時代の傑作の誕生だ。



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