【レポ】徳川美術館 ~特別展 国宝「初音の調度」10年ぶりに一挙公開!
こんにちは!今回は、名古屋の徳川美術館で4月12日から開催中の特別展「国宝 初音の調度」をご紹介します。
なんと開館90周年を記念して、10年ぶりに国宝「初音の調度」が一挙公開されているんです!
初日に行ってきたのですが、大変な賑わいでした。
また、記念講演会では、長年の修復を終えた三基の絵書棚についてでした。
今回、
·三基の絵書棚の修復について
を分かりやすく解説します。
「初音の調度」とは?
「初音の調度(はつねのちょうど)」は、寛永16年(1639)に3代将軍徳川家光の娘・千代姫が尾張徳川家二代藩主 光友(みつとも)に嫁ぐ際に作られた婚礼調度です。
『源氏物語』「初音」や「胡蝶」等を題材するなど豪華絢爛な作品となっています。
6年にわたる保存修復
2017年から2022年にかけて、「初音蒔絵書棚(はつねまきえしょだな)」二基と「胡蝶蒔絵書棚(こちょうまきえしょだな)」一基、あわせて三基の修復が行われました。
どれも見た目はそっくりですが、実は損傷の程度が大きく異なっていたのです。科学的な分析や調査を進めながら、状態に合わせた修復が行われました。
各絵書棚の特徴と修復内容
A. 初音蒔絵書棚「七宝繋(しっぽうつなぎ)」

最も状態が良く、大きな損傷はありませんでした。ただし長年の汚れで漆の表面が劣化。棚板や脚まわりにダメージがあり、クリーニングや基本的な修理を実施。
B. 初音蒔絵書棚「龍膽(りんどう)七宝繋」

展示の際に、あえて古く見せる「古色付け」がされていたため、特に汚れが目立ちました。隅の金具も浮いていたため、固定し直しました。
C. 胡蝶蒔絵書棚

三基の中で最も損傷がひどく、木が痩せたことでヒビや剥がれが多く見られました。
漆を丁寧に接着し直して、ようやく安定しました。
修復でわかった新事実!
三基の棚の底裏をひっくり返してみると、それぞれ作りが違っていることが判明。
Aは金粉をまいた豪華な仕上げ。
Bは黒漆塗りでシンプル。
Cは節のある木材を使用し、漆下地も少ない質素な造り。
X線CTスキャンで調べると、どの棚にも内部に芯棒があり、二重構造になっていることも判明。
ただし使われている木材や加工方法には違いがありました。
職人技が光る「棚囲い」
棚を囲む部分には、約1ミリという細かい透かし彫りと全面の蒔絵が施されています。割れないように、3枚の木を重ねて縦横の木目をうまく使った工夫がされています。
カビも文化財の研究対象に
驚きの発見として、「胡蝶蒔絵書棚」の底裏に珍しい黄色い三角形のカビが見つかりました。木目に沿って発生しており、文化財で見つかるのは非常に珍しいそうです。
おわりに
10年ぶりの一挙公開という貴重な機会。
美しいだけでなく、職人の知恵と技が詰まった「初音の調度」は、まさに国宝にふさわしい品々です。
期間限定の展示ですので、お見逃しなく!
また、もっと国宝「初音の調度」について知りたい方はこちらも必見!
私つばきが担当している歴史マガジンサイト 戦国ヒストリーで掲載中。
参考文献・画像引用
『大解剖 国宝 初音の調度』令和7年
徳川美術館開館90周年 特別展 国宝 初音の調度
