フッ軽が戻ってきた。
学生時代から私を知る人に、「県外に行かなくなったね」「大人しくなったね」と言われたことがある。
以前の私は、思い立ったらすぐ出かけるタイプだった。旅行やイベントのお誘いがあれば、「行く!」と即答。フットワークの軽さだけは誰にも負けない自信があった。
でも気づけば、行動範囲は県内ばかり。
昔の自分と比べると、すっかり"フッ重"になっていた。
……とはいえ、他の人から見たら十分フッ軽なのかもしれないけど(笑)。
介護職という仕事柄、感染症には常に気を遣っていた。
遠くへ出かけることはできるだけ避けていたし、16時間夜勤や5交替勤務で、出かける時間も体力もなかった。
友人とも予定がなかなか合わず、休日はひとりで過ごすことが増えていった。
「出かけない」のではなく、「出かけられない」。
そんな毎日が、いつの間にか当たり前になっていた。
そして、心も体も限界を迎えた。
会社へ行けなくなり、3か月入院。8か月休職した。
あの頃は、また元気に出かけられる日が来るなんて想像もできなかった。
転職してからは、生活にゆとりが生まれた。
規則正しい生活になり、体力にも余裕ができた。
職場が都会になったこともあって、仕事帰りにふらっと飲みに行けるようになったし、友人とご飯へ行く機会も増えた。
休みの日数も増えたおかげで、県外へ出かけることも少しずつ増えてきた。
6年ぶりに学生時代の同期と再会したり、ろうあ者大会へ行ったり、友人とドライブへ行ったり。
「行きたい」と思った場所へ行き、「会いたい」と思った人に会える。
そんな日常が、少しずつ戻ってきた。
学生時代のフッ軽さを思い返すと、今となっては化け物レベルだったなと思う。
あの頃みたいに、思い立ったら全国どこへでも行くような生活にはもう戻れないだろう。
それでも、社会人になって失っていた"フッ軽さ"は戻ってきた。
最近は予定が入るたびに、「ちゃんと元気になったんだな」と実感する。
……その結果、毎月金欠になって焦っているんだけど(笑)。
でも、後悔はしていない。
人間らしい生活を取り戻せたことのほうが、私にとってはずっと大きい。
今しかできない時間の使い方を楽しみながら、これからも"ほどよくフッ軽"でいたいと思う。
