庶民がJAL国際線ファーストクラスに乗るとこうなる‐1(タイ・バンコク1泊弾丸ひとり旅①)
死ぬまでに1回で良いから経験してみたい、国際線ファーストクラス。
しかし、僕なんかの人生ではファーストクラスの航空券なんて、お金がなくて取れない。
なので、乗るとしたら、やはりマイルの特典航空券で乗るしかない。
数年かけて貯めたマイルを一挙に放出だ。
もちろんJALの羽田ーバンコク路線。
ここが6時間ほどのフライト時間で最安なのだ。
しかし、よりによって今年(2025年)必要マイル数が引き上げられてしまった。
なんてこった……
これにより必要マイル数は75000マイルに。
そもそも最下級会員(JMB elite)の僕は、通常の予約やキャンセル待ちは100%不可能なので、直前の放出を狙うしかないのである。
休みがうまく合わせられるか、いや、休みに放出が来てくれるのか、もう運任せなのである。
照準を定めた日が近づいて来ると、毎日ファーストクラス特典航空券の空き状況をチェック。
きっちりした規則性は結局よくわからなかったが、だいたい1週間前か、その当該週になってから放出されるようだった。
なので、毎日見続けるしかない。
そして、照準を定めた日の1週間前、突如としてバンコク行きファーストクラス特典航空券の空きが表示された。
いよいよか!
いよいよ行ってしまうのか!
一生に一度で良いから乗りたいって言ってたけど、本当に良いのか!?
75000マイルだぞ、これだけあればエコノミーならどこへだって行けるし、「どこかにマイル」を10回使ってもまだ余るレベルのマイル数だぞ、良いのか!?
という葛藤というかビビリというか、そうビビってしまったんですよ。
しかし、やはり一度は経験しないと死ねない…。
今後、また必要マイル数の引き上げやファーストクラスの廃止だってあり得ると思うと、やはり乗るのは今しかない!
逆に今を逃すとマジでもう一生乗ることはないだろう。
手数料払えばキャンセルできるんだしさ、とりあえずポチッちまおう!
と、覚悟を決めて、ついに予約したのであった。
マイルは引き去られた。
ここ数年、あらゆる決済や生活サービスをJALに全振りして貯めたマイルが一瞬で消え去ったのだ。
自分の仕事は出張で飛行機に乗ることは無いので、完全に自力で貯めたかわいい我が子のようなマイルたち。
喪失感で立ち直れない。
しかし、前を向こう。
いつまでもメソメソしてたら、消えた75000マイルたちが浮かばれない。
彼らも、きっと僕がファーストクラスで笑顔になることで成仏できるはず。
頑張るよ、俺。
こうして僕はマイルと訣別し、彼らの思いを胸にファーストクラスに乗ることにしたのだった。
なお、予約した席は2Dの席。
窓側のAやKの席は空いてなかった。
※搭乗する便のファーストクラスは横に4席✕2列で左からA・D・G・Kが振られている。
特典航空券だし、そこはブロックされてるのかな。
他の日は窓側が空いてる日もあったので、いつか解放されるかもしれない。
72時間前なのか48時間前なのか24時間前なのか、調べてもよくわからない。
最後まで解放されない説もあった。
マイル事情は日々目まぐるしく変わっていく。
路線や時期にもよるのでしょう。
ネットの情報もすぐ古くなってしまうので、結局根気強く向き合うしかないのである。
ファーストクラスとは、そうやって乗るものなのだ。
富豪は正規運賃100万とか出して乗るのでしょう。
彼らは最下級会員の僕とは違うのだ。
ファーストクラス特典航空券とは、彼らの「おこぼれ(空き)」に与ることなのである。
私のような「持たざる者」が乗るためには、せめて数週間ぐらいは努力しろということなのでしょう。
ということで、毎日気がつくたびにJALアプリで座席変更の画面をチェック。
すると、ある日、窓側の席が空いていることを確認した。
しかも、1Aの座席!
え!?1A!?
まさか!?
窓側と言っても、さすがに1Aが取れると思ってなかったので、手が震えた。
落ちついて、しかし迅速に座席変更の処理を済ませなければならない。
早く確定させなければ。
比喩じゃなくて、マジで手が震えた。
座席変更完了。
その後も心臓の鼓動が激しく、過呼吸になりそうだった。
まさか、1Aの座席が取れるなんて予想外だった。
なんか、こんなにうまく行くとなると、搭乗までの間に何か自分の身に事故とか不幸があるんじゃないかと不安になった。
麻雀でいうと九蓮宝燈を上がったようなものだ。
それからの日常生活では信号を厳守し、乱暴な運転の車からは離れ、電車のホームでは線路側に立たないようにする。
いつ何があるかわからないからだ。
1Aに座るまで死ぬわけにはいかない。
それから、急いでホテルと帰りの便を予約する。
仕事の休みは取れないから、一泊してすぐ帰る。
弾丸日帰りでも行ってみたいが、到着が夕方なので、さすがに今回日帰りは難しい。
それにタイの場合、日帰りだと不審がられそうだ。
もちろん許されるなら、できるだけ長くいたい。
しかし休みはないわけだし、ギリギリの線で、金曜の夕方に到着、翌日土曜の夜23時台発の深夜便で日曜の朝に帰国、というスケジュールにした。
ジップエアがバンコクから成田まで深夜便を飛ばしている。
これに乗ることにした。
ジップエアなら価格も安くて誠実なので安心。
ホテルと一緒にトリップドットコムで手配した。
ホテルはバンコクのグランドメルキュール。
グランドメルキュールは初めてなので、これも楽しみだ。
まぁ、一泊寝るだけだけど。
ジムもプールも行ってる時間はない。
トリップドットコムでホテルと帰りの便をまとめて予約する。
片道の航空券とホテルをまとめてネット予約できるなんて便利すぎる。
しかもジップエアは座席指定のオプションまでトリップドットコムでつけられて、その場で座席指定ができる。
なんて便利な世の中なんだ!
トリップドットコムで取ったジップエアの予約は、ちゃんとジップエアのアプリにも連携されて、後からオプション追加をすることも可能。
神すぎる。
これで、準備は完璧。
もう行くしかないですね。
そして当日の朝。
まだ外は真っ暗な時間帯に起床。
朝からラウンジで食い尽くすために、早起きをする。
夜明け前に家を出て、羽田空港へ向かう。
朝7時すこし前に羽田空港第3ターミナルに到着。

もう出発ロビーは賑わっている。
インバウンドの光景も見慣れたもの。
チェックインカウンターも保安検査場への道も、激混みで行列だ。
しかし、今日の僕には関係のないことだ。
なぜなら、私は今日、JALファーストクラス専用チェックインカウンターおよび専用保安検査場を使用するのだから。
さらば友よ。

第3ターミナル出発ロビーの目立たぬ一角に、重い雰囲気の扉が鎮座している。
鶴丸マークとJAPAN AIRLINESの記載はあるけれど、一体この扉が何なのかの記載はない。
広く知らしめる必要など無いからだ。
ここがJALファーストクラス専用チェックインカウンター。
カウンターっていうか、部屋。
正式名称は「JAL First Class Entrance」というらしい。
ここは、ファーストクラスに乗る人だけが使えるらしく、ステータスがあっても対象じゃないそうだ。
JGCプレミアだろうがダイヤモンドだろうが、当日ファーストクラスに乗る人でないと使用できないらしい。
そんな聖域に最下級会員の私が入っても良いのでしょうか。
たしかにファーストクラスに乗るんですが、たった75000マイル払っただけの僕が…。

追い返されやしないかヒヤヒヤしながら、入室。
自動扉が開くと、そこでは4名のグランドスタッフの方々が待ち構えていた。
4人も!
たまたま他の乗客がいなかったからだと思いますが、ビックリしました。
「本日はどちらまでですか?」と聞かれて、声が裏返らないように気をつけて、でも震えながら「バンコクです」と答える。
これでファーストクラスの就航路線でない地名を行ったら終わりだ。強制退室(知らないけど)。
声が震えて「カンコク(韓国)」って聞き間違えられていないかドキドキしたけど、大丈夫だった。
無印のスーツケースを預ける。
リモワとかプロテカじゃなくて、すみません。
でも個人的には無印のスーツケース、めっちゃ気に入ってるので、壊れてもまた無印で買います。
その後、大広間みたいなところに通される。
革張りのソファがたくさんあるけれど、誰もいない。
お好きなところにどうぞ、と。
そんなガストみたいに通されても、ガストならどこの席でも良いんだけど、ここじゃどこに座って良いんだかよくわからなくて選べないよ。
とりあえず近くて真ん中らへんのソファに座って、パスポートを預けて、借りてきた猫みたいにして待つ。
静寂。
自分の息を飲む音が聞こえそうだ。
記念に室内を写真を撮る。
スマホのカメラの「カシャッ」て音が響く。
そんな時にグランドスタッフさんは戻って来るものだから気まずいの何のって。

こうして搭乗券を発券していただきました。
そして、無印のリュックに(リュックも無印かよ)ファーストクラスのタグをつけていただく。
リュックにファーストクラスのタグ、って何か迷子札をつけられたみたいで恥ずかしい。
なんか庶民が必死にアピールしてるみたいに思われないかな。

その後は奥へとエスコートしていただけます。
ファーストクラス専用保安検査場です。
不思議な空間だ。
この保安検査場で検査やってる人たちって、JALの社員じゃないですよね?
羽田空港の職員?
すいません、調べてもよくわからず。
1日に何人ここに来るのわからないけれど、JALのファーストクラスに乗る人のためだけに配置されているんですね。
シフト制でしょうか?
自分が保安検査場の職員だったら、毎日ここのシフトが良いですが、競争率高そうですね。
すいません、勤務体制もよくわからないで適当なことを言ってます。
グランドスタッフさんが、一応離れたところで見届けてくださった。
保安検査自体は別にいつもやってるやつなので、特に何事もなくすんなり通過。
無印のリュックを通すだけです。
保安検査を抜けると、出国の自動化ゲートのところまで出てきた。
大幅なショートカットだ。
ファーストクラスに乗ってる人は、我々庶民が必死に並んでる間に、いつもこんなショートカットをしていたんだね。
出国完了。
さぁ、ラウンジだ!
ファーストクラスラウンジに行こう!
鮨が食べられる鶴亭とかJAL's SALONがオープンする朝7時に合わせて早朝から羽田空港にやって来たんだ!
わざわざ早起きをして!
行こう、人生最初で最後の未知の世界へ!
搭乗開始まで約3時間強。

羽田空港国際線のJALファーストクラスラウンジは、エスカレーターを乗った先にある隠れ家のような場所にある。
しかし、中に入れば隠れ家というより、明るくてきらびやかで、でも凛とした雅な日本の伝統を感じさせる風が吹いているのだ。(?)
なお、このJALファーストクラスラウンジは、ファーストクラス搭乗者じゃなくても、最上位ランクのステータスがあれば入れるので、中には最上級会員様たちがいらっしゃるのだ。
だから、チェックインの時とは違い、それなりに賑やかである。
とはいえ、もちろんだだっ広い空間ですから、居場所に困ることはない。
空港内にこんな世界があるんだなぁ、と思う。
雲の上の最上級会員の方々。
今日だけは僕も(マイルで)ファーストクラスに乗るので、最下級会員ではございますが、同じ空間で過ごさせていただきます。
いや、もはや俺は、もうアイツらと同じ釜の飯を食った仲なんです。
友達と言っても過言ではない。
ベゾスとかジョブズとか草間彌生みたいな人達が、ノートパソコン(彼ら風に言うとラップトップ)をカタカタ、このラウンジにおいても、そのキータッチひとつで財を積み上げ、雇用を生んでいるのです。
片っ端から名刺交換とかしたら、出禁になるだろうか。
なるだろうね。
なんたって僕はマイルだから。(自虐)
そんなことはしないよ。
ノブレス・オブリージュの世界なんだ、ここは。
卑屈になることはない。
行こう、向こう側の世界へ。
食べよう、鮨。
しかし、最上級会員の方たちって、結構いるものなんですね。
自分のようにマイルで乗ってる隠れ庶民も当然いるでしょうけれど、少数派ですよね多分。
日本人よりも外国人のほうが多く感じます。
JALじゃなくてワンワールドのステータスを持ってる人でしょうか。
正直、一生到達しないレベルなので、そこらへんのことは詳しくないので、わかりません。
この人たちは世界中のワンワールドのラウンジに入れるんですかね?
食事タダだし、便利ですね。
ちょっと長くなりましたので、次回の記事で、庶民のファーストクラスラウンジの過ごし方をご紹介します。
海外旅行記のはずなのに、ここまで書いてまだ出発の保安検査を通過しただけで、すみません。
つづく。
