【雑まとめ】フロイトのエディプスコンプレックスについて
今日は、フロイトの語るエディプスコンプレックスとやらを雑にまとめておきたい。というのも、いつも読んだばかりのときは「ふむふむ」とある程度クリアに理解しているのだが、時が経つとその理解も、ぼやーっと霧散してしまう。その後、”名前は聞いたことあるし昔は理解もしてたが状態”に陥り、新書などを読んでいるときにエディプスコンプレックスの引用がなされると、なんだか悔しくて、うんざりしてしまう。特にフロイトは、そこそこ硬い本での引用率が偉人トップ3には入るので、どこかでまとめておかないと、またいつかじめじめした不快な思いをするに決まっているのだ。
エディプスコンプレックスのはじまりは、乳児の母親に対する性的欲求である。(※厳密には、「母親」でなく「異性の親」であるが、ここでは男児、母親の定型で進める。)性的欲求というと「フロイト=変態」という先行イメージが強すぎて、そこからまともな思考ができなくなるわけだが、少し彼の肩をもつと、フロイトは、「性的欲求」と「性行為欲求」を区別して考えていた。子供が母親に対してもつ「性的欲求」とは、母乳を与える、とか、おむつを変える、とか、笑顔を向ける、とか、幅広く「快」の行動への欲求を指している。もちろん、乳房や肛門、口唇など広い意味での性的器官とは深く関わっており、性的関心の芽生えであることに変わりはないが、少なくともフロイトを読むうえで、「性的行為」と「性行為」は区別しなければならない。
さて、子どもから母親への性的欲求は、多くの場面で満たされるが、ときに満たされないこともある。母親の行動に邪魔が入るのだ。なぜか今日は母親がかまってくれない。なぜか、自分のところに来てくれない。なぜなのか・・・子どもは考える。考えて、一つの答えを見つける。父親の存在である。母親は、父親がいるときによく「不在」になる。子どもからしてみれば、母親を父親に取られた感覚である。これはなんとかせねばならない。父親が悪い、憎い。父親は、いないほうが(「不在」のほうが)いい。そうして、父親への強い敵対心が沸き起こる。
しかし、である。憎い父親も自分のために色々と気持ちの良いことをしてくれている。抱っこしてくれるし、ご飯も食べさせてくれる、笑って話しかけてくれる。母親を取ろうとする恋敵であり、嫉妬・排除の対象だが、相反して愛情も感じる。これはどういうわけか。父親は、本当は自分にとっての味方なのかもしれない。そして、そんな父親を憎んでいる自分こそ悪いやつなのかもしれない…その考えは、次第に深刻になってゆく。もしかしたら、父親を憎む自分は悪いやつで、悪い自分はそのために罰を受けるかもしれない。父親から不具にされてしまうかもしれない…(フロイトは、この恐怖を「去勢不安」と言った)
このように、
①母親(異性の親)に対する性的欲求
②父親(同性の親)に対する敵対心
③罰せられる不安
が、三すくみで展開するのがエディプスコンプレックスの核である。これらは、すべての人間に発生すると考えられている。
では、発生後、どのような経過をたどるか。
6歳頃になると、エディプスコンプレックスは、無意識内に抑圧される。意識上にもう登らないように心のフタをされる、というわけだ。この時期の抑圧は、精神発達上、非常に大きな意味がある。以下で抑圧に至る過程を説明する。
過程1️⃣同一化
エディプスコンプレックスの葛藤状態を収束させるため、子どもは同性の親の同一化を進める。敵であった父親と同一の価値観や行動、特性を得ようとする。こうして、「父親=敵」の図式を変えようとするのだ。
過程2️⃣超自我の成長
上記の過程で、子どもは親の持つ価値観、規範、信念を自身に取り込みながら、超自我を成長させる。超自我とは、概して「道徳心」「規範意識」のようなもので、人間の社会性を担保している。
本能=イド(これは無意識下にある。端的に、生物としての生々しい欲求である)を抑制するいわば心の門番である。
過程3️⃣抑圧
超自我が十分に発達すると、社会的に許されない考えであるエディプスコンプレックスを無意識のゾーンへ押しやろうとする心理が働く。こうして抑圧が起こり、エディプスコンプレックスは、忘れられ、子どもは超自我を確立させる。人格の成長である。
副作用:
幼児期健忘というものがおこる。エディプスコンプレックスに付随関連する記憶(5歳くらいまで)を一緒に無意識下へ閉じ込めてしまう。「物心がつく」、というが、5、6歳までの記憶がすっぽり抜け落ちているのは、このためであると考えられている。
以上が、フロイトのエディプスコンプレックスの本当にざっくりとした説明です。あらゆる書物で引用の多いフロイト。一度しっかりと理解しておきたいものです。
こうみると、6歳の我が子(息子)にどんな同一化をさせるか、責任重大だなぁと思います(汗)背中で語る父親をやれてんのかなぁ…
