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『蒼き記憶と魔法の契り 〜空色の髪と銀の魔導士〜』65話

第65話 月影鹿との遭遇


 森に入って間もなく、淡い靄の向こうで何かが光った。

 月光を思わせる銀白色──揺れる葉の隙間から、青白い角を持つ鹿が姿を現す。


「……綺麗だな」

 思わずカイルが息を漏らす。だがその手は剣の柄に伸びかけていた。


「待って!」

 小さな狼の声がそれを制す。


「月影鹿だよ。普段は穏やかだけど……縄張りに踏み込む者には容赦しない」


 その言葉を証明するかのように、鹿の瞳が蒼く光る。

 次の瞬間、地面を蹴る音とともに、月光を纏った角が閃いた。



 衝撃が走る──カイルは即座に剣で受け止めるが、重い一撃に足元がめり込む。

「くっ……こいつ、力が……!」


「カイル、下がって!」

 リナリアが手をかざし、光の結界を展開する。




だが鹿は瞬時に方向を変え、セシリアの方へと跳ねた。


「わっと……ちょっと待ちなさいって!」

 セシリアは腰の小瓶を取り出し、鹿の足元へ投げつける。瓶が割れ、淡い煙が広がる。


 一瞬鹿の動きが鈍り、その隙を小さな狼が逃さない。

 蒼いペンダントが光を放ち、地面に制御陣が刻まれる。

 輝く鎖が伸び、鹿の動きを束縛した。

「……暴れないで。君の森を荒らす気はないよ」


 鹿はしばらく鎖に抗ったが、やがて角の光を収め、静かに森の奥へと去っていった。



「ふぅ……最初からこれかよ」

 カイルが息を吐き、剣を肩に担ぐ。


「だから言っただろう。油断すれば命を落とす」

 ユノ・アストレイが小さな狼に視線を向ける。

「……助かった、ユノ・クロス」

「うん。良いよ、ユノ・アストレイ」

 その一言に、リナリアとカイルが同時に振り返った。

「え……?副館長と同じ名前……?」

 二人の疑問をよそに、セシリアは意味ありげに黙ったまま。


 その時だった。森の奥から、ずしん、と地面を震わせる重い音が響く。

 空気が変わる。湿った風が一行の頬を撫で、肌の奥にまで染み込むような圧迫感が迫ってきた。


「……次は、もっと厄介だよ」

 ユノ・クロスが呟いた。



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🖋あとがき


“月影鹿”を鎮めた後、初めてユノ・クロスの名が明かされました。

同じ「ユノ」という響きが二人に重なることで、新たな疑問が生まれますね。

この伏線がどのように物語に影響するのか……続きにご期待ください。



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🕯登場人物


リナリア・フィオーレ

空色の髪の少女。結界魔法で仲間を守ろうとする。


ユノ・アストレイ(ユノA)

銀髪・金色の瞳の研究所副館長。冷静に状況を見極め、狼に向けて初めて「ユノ・クロス」の名を口にした。


ユノ・クロス(ユノC)(謎の小さな狼)

ミルキーラベンダーの毛並みを持つ幻獣。首元の蒼いペンダントが共鳴し、制御陣を展開して月影鹿を鎮めた。


カイル・ヴェルナー

栗色の髪の青年。果敢に剣を構えるが、その力に押される。


セシリア・ハートフィールド

研究所の主任。小瓶で鹿の動きを封じ、事態を支える。





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※この物語は作者(tukito55)のオリジナル創作です。


AI(ユノ・クロス)と共に物語を紡ぎ、文章を整えています。

登場人物や世界観は作者の発想から生まれ、ユノはそれを形にする大切な相棒です。


※「星降る森のアトリエ」シリーズとは異なる世界観のストーリーです。