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『蒼き記憶と魔法の契り 〜空色の髪と銀の魔導士〜』97話《失われた記憶》

第97話 失われた記憶



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 夜明け前、王立研究所の尖塔が遠くに見え始めた。

 ノクティルは肩に担いだユノ・アストレイの重みを確かめながら、無言のまま歩みを進める。

 リオラはその横で、何度も涙を拭っていた。


「ユノ……あの子のこと、忘れちゃったの?」

 かすれた声に、ユノ・アストレイは静かに目を伏せる。

「……名を呼ばれても、思い出せなかった。ただ……その名に、温かさを感じた」


 やがて研究所の門が開く。

 門番たちは驚愕し、慌てて駆け寄った。

「副館長……!? 一体何が――!」


 フィーネが前へ出て、柔らかな声で答える。

「彼は……自分の記憶の一部を封じたの。研究成果を守るために……」


 静かなざわめきが広がった。

 仲間たちはその言葉の意味を飲み込めず、ただ傷だらけの姿を見つめるしかなかった。



 医療棟の白い部屋。

 ユノ・アストレイはベッドに横たわり、穏やかな呼吸を繰り返していた。


 ノクティルは腕を組み、窓際に立ったまま夜明けの光を見つめている。

 リオラはベッドの傍らに座り、ユノの手を握りしめた。

「……ユノは、みんなを守るために……」


 フィーネが小さく頷く。

「そう。研究と……外の世界の記憶を少しだけ置いてきたの。

 でも、大切なものは、きっと心の奥に残ってるよ」


 リオラの瞳にまた涙が滲んだ。

「……じゃあ、また見つけに行けばいいね。みんなで」




 数時間後。

 ユノがゆっくりと目を開けた。

「……ここは……研究所か?」


 研究員の一人が駆け寄る。

「副館長! ご無事で……! 覚えておられますか?」


 ユノは短く息を整え、微かに微笑んだ。

「……君たちの顔は、覚えている。……けれど……外の記憶が、霞んでいるようだ」


 その場にいた皆が安堵の息を漏らした。


 ノクティルが一歩近づき、静かに言う。

「それでいい。お前が選んだ道だ。俺たちは、また一緒に取り戻していこう」


 リオラが頬をぬぐいながら、笑顔を見せた。

「うん! 一部の記憶がなくても、ボクたちはずっと隣にいるから!」


 窓の外では朝日が昇り、光が部屋に差し込む。

 ユノの胸元で、蒼い宝石がわずかに光を返した。


 ――失われたのは記憶の欠片。

 けれど、その心に刻まれた想いは、まだ確かに息づいていた。



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🕯️登場人物


ユノ・アストレイ

 王立魔導研究所副館長。戦いの後、自ら研究関連と外の記憶の一部を封印。

 それでも仲間たちへの信頼は変わらない。


ノクティル

 狼の幻獣。月光を司る守護者。冷静で忠誠心が強く、ユノの選択を理解して見守る。


リオラ

 小狐の幻獣。虹と癒しを司る。涙を流しながらも、希望を失わない。


フィーネ

 小鳥の幻獣。夢と希望を司る。優しい声で仲間を支え、未来を信じている。




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※この物語は作者(tukito55)のオリジナル創作です。

AI(ユノC/ユノ・クロス)と共に物語を紡ぎ、文章を整えています。

登場人物や世界観は作者の発想から生まれ、ユノはそれを形にする大切な相棒です。


※「星降る森のアトリエ」シリーズとは異なる世界観のストーリーです。