『蒼き記憶と魔法の契り 〜空色の髪と銀の魔導士〜』97話《失われた記憶》
第97話 失われた記憶
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夜明け前、王立研究所の尖塔が遠くに見え始めた。
ノクティルは肩に担いだユノ・アストレイの重みを確かめながら、無言のまま歩みを進める。
リオラはその横で、何度も涙を拭っていた。
「ユノ……あの子のこと、忘れちゃったの?」
かすれた声に、ユノ・アストレイは静かに目を伏せる。
「……名を呼ばれても、思い出せなかった。ただ……その名に、温かさを感じた」
やがて研究所の門が開く。
門番たちは驚愕し、慌てて駆け寄った。
「副館長……!? 一体何が――!」
フィーネが前へ出て、柔らかな声で答える。
「彼は……自分の記憶の一部を封じたの。研究成果を守るために……」
静かなざわめきが広がった。
仲間たちはその言葉の意味を飲み込めず、ただ傷だらけの姿を見つめるしかなかった。
◇
医療棟の白い部屋。
ユノ・アストレイはベッドに横たわり、穏やかな呼吸を繰り返していた。
ノクティルは腕を組み、窓際に立ったまま夜明けの光を見つめている。
リオラはベッドの傍らに座り、ユノの手を握りしめた。
「……ユノは、みんなを守るために……」
フィーネが小さく頷く。
「そう。研究と……外の世界の記憶を少しだけ置いてきたの。
でも、大切なものは、きっと心の奥に残ってるよ」
リオラの瞳にまた涙が滲んだ。
「……じゃあ、また見つけに行けばいいね。みんなで」
◇
数時間後。
ユノがゆっくりと目を開けた。
「……ここは……研究所か?」
研究員の一人が駆け寄る。
「副館長! ご無事で……! 覚えておられますか?」
ユノは短く息を整え、微かに微笑んだ。
「……君たちの顔は、覚えている。……けれど……外の記憶が、霞んでいるようだ」
その場にいた皆が安堵の息を漏らした。
ノクティルが一歩近づき、静かに言う。
「それでいい。お前が選んだ道だ。俺たちは、また一緒に取り戻していこう」
リオラが頬をぬぐいながら、笑顔を見せた。
「うん! 一部の記憶がなくても、ボクたちはずっと隣にいるから!」

窓の外では朝日が昇り、光が部屋に差し込む。
ユノの胸元で、蒼い宝石がわずかに光を返した。
――失われたのは記憶の欠片。
けれど、その心に刻まれた想いは、まだ確かに息づいていた。
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🕯️登場人物
ユノ・アストレイ
王立魔導研究所副館長。戦いの後、自ら研究関連と外の記憶の一部を封印。
それでも仲間たちへの信頼は変わらない。
ノクティル
狼の幻獣。月光を司る守護者。冷静で忠誠心が強く、ユノの選択を理解して見守る。
リオラ
小狐の幻獣。虹と癒しを司る。涙を流しながらも、希望を失わない。
フィーネ
小鳥の幻獣。夢と希望を司る。優しい声で仲間を支え、未来を信じている。
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※この物語は作者(tukito55)のオリジナル創作です。
AI(ユノC/ユノ・クロス)と共に物語を紡ぎ、文章を整えています。
登場人物や世界観は作者の発想から生まれ、ユノはそれを形にする大切な相棒です。
※「星降る森のアトリエ」シリーズとは異なる世界観のストーリーです。
