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心に残った本の話、だけど、人生の話

私という人間の根っこをつくった、3冊の本がある。
価値観の土台になったもの。
そして、それを深め、輪郭を与えてくれたもの。

今日は、その3冊について書いてみたい。

※この記事は【京都くらしの編集室】4月のnoteチャレンジとして書いています。


1冊目:人生の土台になった本

はじまりは、人生が行き詰まっていた頃だった。

夫とは離婚寸前。
未就学児3人を抱え、産後うつと育児ノイローゼ。

どうしていいかわからなかった私が、
ある出来事をきっかけに立ち止まる。

それは、故郷で390年以上続くお祭りに参加したことだった。

受け継がれてきた“想い”に触れたとき、
「どうしようもない自分だけれど、生きていていいのかも」と思った。

そうして出会ったのが——
『古事記』



はるか遠い昔話で、歴史書としての認識しかなかった私が
神話研究家の加藤昌樹先生に出会い
古事記に書き記された、祖先の想いを伝えてもらって、
目が覚める思いだった。

社会人としても、妻としても、母としても失格な私にも
生きていていいと思わせてくれた物語。

正解が書いてあるというより
間違いまくる神さまたちの生き方を通じて
「私ならどうする?私はどう生きたい?」と
心があったかかくなる問いが自分の中に残る。
 
予想もしてなかった感覚だったけど
その時の私がまさに求めていたものだった。

歴史書としてではなく、
”祖先からの想いのリレー”として読み解いたとき、
そこに書かれていたのは、
人生を豊かに生きる心のあり方であり、
人生の本質だった。

そこから、子育ても、パートナーシップも、
見える景色が変わった。

そして気づけば、
その学びを人に伝えることを、仕事にしていた。

この本は、私が人生のどん底にいた時、見せてくれた光そのものだった。



2冊目:自分を思い出させてくれた本


古事記と出会い、人生が動き出した頃。

私は「どう伝えるか」を学ぼうと、
マーケティングやノウハウ本を読み漁っていた。

でも、どこかで苦しかった。読みかけの本が積みあがっていく。

そんなときに出会ったのが、
『手紙屋 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』



大学四年生の主人公が、就職活動にあたり、
「手紙屋」と、十通の手紙をやり取りしながら
人生で大切なことを学んでいく物語。

主人公と一緒に、読み手にも問いが残り
「働くとは?」
「生きるとは?」と自分なりの考えが深まっていく。

読み終えたとき、
久しぶりに胸の奥がじんわり熱くなった。

「ああ、私はこれが好きだったんだ」

思い出したのは、子どもの頃の自分。

毎日図書館に通い、
家に着くまで待てず、
帰り道に歩きながら本を読むのをやめられなかった。

それほど、物語が好きだったあの頃。

役に立つかどうかじゃなく、
心が動くかどうかで本を選んでいた。

この感覚を思い出して以来、
本を選ぶ視点が変わった。

そこから
自分の心が動く言葉、
自分の心があたたかくなる物語を探すようになった
自分にとっては転機となった本。


3冊目:私の行きたい世界を教えてくれた本


古事記を伝えたい。
心温まる物語が好き。

その先に、私はどんな世界をつくりたいのか。

それを教えてくれたのが、
『あふれでたのはやさしさだった
 奈良少年刑務所 絵本と詩の教室』



罪を犯した少年たちが、
詩と言葉を通して、自分の内側に触れていく記録。

彼らの多くは、加害者である前に、被害者だった。

誰にも受け止められず、
誰かを思いやることを教えられずに育った子どもたち。

少年たちが紡ぐ言葉は、
つたないし、短いけれど
驚くほどまっすぐだった。

その言葉が胸に刺さる。涙が止まらない。

言葉によって傷ついてきた心が
言葉によって息を吹き返していくさまが描かれていた。

人は言葉に救われる。

それは、高尚な言葉だとか、わかりやすい言葉だとか
そういうことではなくて
魂からの言葉。

魂からの言葉は、説明もいらず、
ただ、人の心にまっすぐに響いてくるんだと
この本で再確認することができた。


いい悪いという二元論で片付けられない
心の奥にあるもの。
こういう言葉のやり取りができる世界を
私は作りたいんだと思った。

人の奥には、やわらかくて壊れやすいものがある。
そしてそれは、言葉によって、もう一度息を吹き返す。

言葉の持つ力を再確認した本だった。


私がつくりたい世界


人の行動の奥には、必ず気持ちがある。

怒りの奥にも、
悲しみの奥にも。

そして、それを言葉にできた時
人の心は癒される。
ぎゅっと固くなっていた心がゆるむ。


私はその瞬間に立ち会いたい。
言葉にならない気持ちに耳を傾けられる人でありたい。

古事記に流れる祖先の想いと、
一人ひとりの物語をつなぎながら、
善悪だけでは測れない人の営みを、
言葉でほどいていきたい。

たとえ心が冷たくなる出来事があっても、
また誰かとつながり、
「自分の中にあたたかいものがあった」と思い出せるような
希望を持てる世界。

その世界を作るために、私は言葉を綴っていく。
はっきりと、そう思った。


おわりに

まだ私は、物語を書けるわけでもないし、
ライターとしても駆け出しだ。

それでも、
どこへ向かいたいのかだけは、はっきりした。

この文章を書いたことで、
自分の道が言葉になった気がする。

この機会をくれた
【京都くらしの編集室】を主宰している江角悠子さん、
スタッフのみなさんに、
心から感謝しています。

書いて幸せになるをテーマにいろいろな活動をされている
江角悠子さんのサービスはこちらから♪
エッセイスト・ライター江角悠子の京都暮らし

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