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作ったのは2品だけ。うつわと作り置きで整える「5品」の食卓術。

お気に入りの器があるだけで、何気ないお昼ごはんの準備が少しだけ特別な時間に変わります。

この日選んだのは、春窯(はるがま)さんの絵唐津の中皿。実はこのうつわ、私がリクエストして、縁の部分に松の絵を描き入れてもらった特別な一枚なんです。 なぜ「縁」なのか。それは、お料理を中央に装ったとき、せっかくの美しい絵柄が隠れてしまうのがもったいないと感じたから。縁に意匠があることで、盛り付けた後も絵柄がアクセントになり、料理に奥行きを与えてくれるのです。

そんなうつわに合わせたメインは「豚バラと赤水菜の醤油炒め」です。 今回、野菜のお取り寄せセットの中に入っていた「赤水菜」を初めて使ってみました。軸が鮮やかな赤紫色をしていて、通常の水菜よりも少し太めですが、驚くほどスジが少なくて柔らかい。サラダでもいけるとのことでしたが、今回は豚肉の旨みを吸わせることに。

豚バラから出る脂を丁寧に拭き取り、水菜をサッと加えて、味付けはシンプルに醤油だけ。お弁当のおかずにもしたかったので、仕上げに「とろみちゃん」をパラリ。水に溶かなくていい顆粒片栗粉は、手軽に水気を止めてくれるので、我が家では手放せない重宝アイテムです。

副菜には、蒸したかぼちゃ、そしてほうれん草の塩麹・ごま油和え。 さらに冷蔵庫の作り置きから、赤たまねぎのマリネを。これは、塩もみした赤たまねぎにリンゴ酢とはちみつを加え、「おぼろ昆布」を混ぜたもの。昆布が余分な水分を吸いつつ旨味を足してくれるので、時間が経つほど美味しくなります。

最後にご飯とお味噌汁を添えて、完成です。 振り返ってみると、この日新しく作ったのはお肉を焼いたのと、ほうれん草を和えただけの2品。でも、うつわの存在感と、彩りのある副菜が5品並ぶだけで、なんとなく「形」になってくれる。

「全部を一から頑張らなくていい。うつわが料理を助けてくれる。」

そんな私の店主としての想いを、改めて実感した昼食でした。 うつわの絵柄を眺めながら、旬の野菜を味わう。そんな静かで豊かな時間が、また午後の活力に繋がります。



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