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【読書メモ】『ぼくはねこの管理人 浪漫荘おもいでダイアリー』(著:高橋由太)

少し前、久々に街の書店をブラウジングしていた中で出会った一冊、作者さんはかな~り久々な高橋由太さん。「連作短編」との個人的には好みな形式だったりします。

さてこちら、舞台は川越の古い木造アパート「浪漫荘」、主人公は漫画家志望の門脇暖(だん)という、どこか頼りなさが先行する青年。

元々はその暖くんの祖母にあたるちえさんが管理していた「浪漫荘」ですが、そのちえさんが亡くなったことに伴っての代替わり、で、住人達との日常の悲喜こもごもが綴られていく、といった感じなのですが、、

ココマデならまぁ、そこそこありがちな枠組みとなりますが、少し変わっているのが、もう一人の主人公とも言うべき「ちっちゃいのすけ」の存在。

コチラ、ちえさんの飼い猫で、ハチワレな黒猫&足が白いいわゆる「靴下猫」なのですが、、なんと「人間の言葉が理解できる」との設定で、まぁ、現代版『吾輩は猫である』的な様相からのスタート(名前はありますけども)。

主人公たる暖くんもふくめ、住人それぞれが様々に事情を抱えながらも、なんとはない日々を積み重ねているのですが、その中のちょっとした煩悶や事情を「解決」しようと、ちっちゃいのすけくんが奮闘していきます。

とはいえ、いくら言葉が理解できるとはいえ、その事情までもを理解できるわけではなく、それなりに"かけ違い"からのちょっとした騒動にもつながってみたりと、そのギャップがどこか微笑ましくも。

そしてまた、妙にリアリティのある「出版業界事情」が切り出されていて、現在の「街の書店をも含んでの読書事情」としてみても、それなりに考えさせられたりもしました、うーむ。

続編があるのかどうかは分かりませんが、個人的には「姉さん」が遺した物語もスピンオフで読んでみたいなぁ、なんて風にも感じながら、この次の物語を楽しみに待ちたいと思います。

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