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【読書メモ】『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』(著:ゆうきまさみ)

好きな馬の父母のレースも見た、その父や母のレースも見た。
あるいはー、父も母も好きな馬だったから、その子供を応援するなんてね、いかにも悠々としてて愉快な趣味じゃないか。

出典:『じゃじゃ馬グルーミン★UP!(第3巻)』

GⅠ5勝を挙げて引退したドウデュース(牡5)が27日、種牡馬として繋養される社台スタリオンステーション(北海道安平町)に到着した。慎重に馬運車から降りると、同期のライバル・イクイノックスの隣に用意された馬房でくつろぎ、集まった関係者らをほっとさせた。

出典:ドウデュースが社台スタリオンステーションに到着 馬房はライバル・イクイノックスの隣
(「サンスポ」2024年12月27日)

毎年、有馬記念が終わるくらいから年末にかけてのこの時期、繁殖入り(牡馬は種牡馬、牝馬は繁殖牝馬)のトピックが賑やかになります。ここ最近の”推し”であったドウデューススターズオンアースも揃って繁殖にあがれて、まずは一安心といったところ。

次のステージ(いわゆるセカンドキャリア)でも頑張っていい仔を繋いでいってほしいなぁ、「父も母も好きな馬だったから、その子供を応援する」のはやはり競馬の醍醐味の一つだよなぁ、なんて『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』を思い出しながら。

確か、1994年~2000年にかけて『週刊少年サンデー』で連載されていた、競走馬(と競馬業界)を題材にしていた物語で、全部で26巻とのなかなかの長編モノ。著者は『究極超人あ~る』や『機動警察パトレイバー』、『新九郎、奔る!』などのゆうきまさみさんで、そのパトレイバーの次の作品になるのかな。

物語の始まりは、主人公となる久世駿平くんが高校2年生になる年の春休みに、ふとしたきっかけで北海道は静内町(現在の新ひだか町)にある「渡会牧場」を(道端で拾われて)訪れる所から。

その牧場で出会う美人四姉妹(年上、同い年、年下)との交流等をきっかけにして、最終的には高校(東大を狙えるくらいの進学校)を中退して渡会牧場で働くことになります、「中卒の牧童」として。まぁ、最大の理由は一目惚れしたっぽい四姉妹の次女・ひびきさん、だったのでしょうけど。

ただ、そこまでして飛び込んだ「牧場生活」は決して牧歌的ではなく、むしろ、徹底的に冷徹な「経済動物としての競走馬」と向き合っていくことを求められていくのですが、、今にして思うと少年誌で扱うにはなかなかにエグイ内容だったよなぁ、と。

馬は経済動物で、走らない馬に価値は無く、結果的に馬肉になることが明言されている箇所もあります。出産も命がけであるだけに、必要以上の感情移入はむしろ邪魔、「仕事」としての馬産とは、といったことをリアルに描き出していたと思います。

確かこちらより少し前に読んでいた『風のシルフィード』が少年誌(マガジンだったかな?)らしいファンタジー要素強めだったのと比べると、対照的なまでのリアリティさでしたが、個人的にはそれが魅力でもあったのか、引き込まれていったのを覚えています。

当然、競走馬も多種多様に出てきますが、物語の軸となるのは「ストライクイーグル」という牡馬、駿平が牧場を訪れた時にちょうど「スプリングステークス」を勝利、その後菊花賞、JC、春天、有馬などのGⅠ4勝の名馬、となるのですが、なかなかの浮き沈みのある戦績で、ちょうど、駿平の青春ともリンクしている感じだったのかな(その青春の終わりもなかなかの衝撃でしたが)。

また作中では、引退馬のセカンドキャリアに触れられている箇所もあります、乗馬、障害馬術への転向といった形で。恐らくは社台グループをモチーフにした大手オーナーブリーダー一族の一人、醍醐悟さん(駿平にとっては恋敵にもなった人物)が携わっているとの、なかなかに考えさせられる内容でもありました(当時の状況を鑑みるとなかなかにチャレンジングでもあったのでは?)。

この他にも、武豊さんや岡部幸雄さん、田原成貴さんなどをモデルにした騎手さんが出てきたりと、当時ダビスタにもはまっていた身としてはニヤニヤしながら読んでいた覚えも。

物語としては、1995年の春から1999年の春くらいまでの4年間、連載期間もほぼ被ってますから、そんなに違和感はない感じですかね(エピローグだけは時代が飛んでますが)。

連載期間が私の大学時代(1994年入学)とも被っていて、ちょうど、私自身が一番に追いかけていた馬(エアグルーヴ)がいたことも相まってか、より身近に感じる事も多かったのかな、と今にして思えば。

年末年始にかけて、久々に再読してみようかなぁ、、

【追記:2025.8.3】
競馬場、特にパドックやコース前などでは、傘(日傘)の扱いには注意していただきたいなぁ、、と、こちらの一コマを思い出しながら。「馬優先」との自省も込めて。

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