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『【期間限定】片想い文芸部』クリスマスとタコとコマとコイとワタシとアナタの呪術的関係


 ナルさんの『片想い文芸部』、【期間限定】で復活です。お題は「聖夜(クリスマス)」です。久しぶりでドキドキワクワク。
#クリスマスは片想い文芸部

 ヘッドライン画像は「みかこ|ゆる家計管理」さんの画像をお借りしました。どうもありがとうございます。



「クリスマスとタコとコマとコイとワタシとアナタの呪術的関係」


 聖夜クリスマスには~蛸あげて~、駒をまわして遊びましょ~、は~や~くぅ~こ~い~こ~い~聖夜クリスマス~ ♪


「いや、なんでクリスマスなんだよ!」
 商店街に流れてきたBGMに、思わず突っ込んでしまった。ナニこの曲! 誰が歌ってんの!? まさかクリスマスパーティーの買い出しに来た商店街で、こんな奇妙なモノを聞かされることになるとは!
「蛸も上げねぇし、駒も回さねぇよ!」
 すると、同じく買い出しに選ばれた、いつもは無口なタカハシさんが、珍しく声を出した。
「コレ、有名な曲だよ? 知らなかった?」
「え? そなの? 知らないし。」
「勘違いしてるみたいだけど、蛸は “上げる” んじゃなく “揚げる” の。駒も “回す” んじゃなく “廻す” …まぁ、いわゆる “輪廻転生” てヤツね。」
「え? あ、うん。まあ、別にどうでもいいけど…」
「どうでもよくないの。これはね、聖夜クリスマスに行われる重要な恋の儀式の歌なのよ?」
「…恋?」
「そう。恋。」
「とても恋と関係あるとは思えないんだけど。」
「『♪は~や~くぅ~恋~来~い~』って歌ってるでしょ?」
「あ、“来い来い” じゃなかったんだ…」
「違うし。コレはね、恋する子たちにとって、超重要な呪術なの。だから、絶対に間違えちゃダメ!」
 やめて! 唇に人差し指当てて、上目づかいで、そんな風にジッと見ないで!
 好きになってまうやろぉお~!
 ………
 いや、違う。
「“呪術” なの?」
「“呪術”よ。」
「いやおかしいって! なんで “呪術” を、こんな大っぴらに、昼の商店街のBGMで流してんの!? いや、そういう問題か? そういう問題じゃないよな!?」
「落ち着いて。コレは、そのくらいに重要な儀式だということの証明なの。“当たり前” の事なのよ。聖夜クリスマスには “蛸を揚げる”。そして、“駒を廻す”。」
「…それで、その後、どうすんの?」
「蛸は“食べる”。駒は“復活を待つ”。」
「“復活を待つ” って…。いや、“駒を廻す” って、要するに、“〇”しちゃってるわけだろ? タヒんだモノは、復活しないわけで…」
「“復活” するわよ。」
「“するわよ” って…」
「っていうか、“した”。」
「“した” って…」
 やべぇ、タカハシさんが、なんかすげぇ、やべぇ人だった!
「去年の聖夜クリスマス、私、コレ、試したの。」
「ふ…ふ~ん?」
「零時ちょうどにね、蛸を揚げて。」
「…へえ、ぇぇえ~。」
「仔馬の血を被った時は、なんか…、こう、言いようのない高揚感が。」
「やめて! そういうの!」
「そのあと、揚げた蛸を全部貪り喰って、仔馬も丁寧に埋葬したわ。」
「聞きたくなかったよ…」
「で、昨日の夜中なんだけど。寝てたら金縛りで目が覚めてね。地面の下から馬の駆ける音が聞こえてくるのよ。」
「ソレ、呪われてんじゃないの?」
「で、声が聞こえたの。」
「『…絶対ニ許サナイ…』ってか?」
「いや、『お前の恋は叶えられる』って。」
「ナンデダヨ!?」
「そのあと『もはや契約破棄はできない』って念を押されたけど。」
「怖いよ! ソレ、絶対呪われてるヤツだって!」
「で、今日があるのよ? つまり、この、買い出し?」
 タカハシさんが上目づかいで、ジッと見つめてきた。
 なんか、すごく、ドキドキしてるんですけど!
「じょ…、冗談だよね…?」
「ふふ…、どうかなぁ~ (´艸`*)」
 カワイイんですけど!


<終わり>
 


 いやぁ、久しぶりの、ナルさんの『片想い文芸部』です。見返してみると、『片想い文芸部』終了以降、ガクッとショートショート考える事が無くなっていたなぁ…と。
 書こうとは思ったりもしてたんですが、きっかけが、ね。

 さて、今回の話では、呪術の “補正” がかかってる部分が太字になっています。意外と少なかった!
 これは、もしかして、やりようによっては呪術なんか使わなくても上手くいってたんじゃないかって気がしますな。


 最後まで目を通していただき、どうもありがとうございました。