Okcsc M2 ヘッドホンを買った
最近の中華「イヤホン」は物が良いので、では「ヘッドホン」も音が良いのではと思い調べたところ Okcsc M2 が目に止まったので Aliexpress 経由で購入した。結論としてはとても音が良く、満足度は高かった。
Grado との比較ができればと思ったが、そもそも Grado と比べるほど知識がないので(RS1 や GS1000 を過去試聴したことがあるが……)、何と比較するということは割愛する。
https://ja.aliexpress.com/item/32876752076.html
音質
低音寄りのドンシャリ。
「特徴的」ではあるが、その特徴的とは相反するとも言える想像できないほど至極「まとも」な音を出してくれる。楽しく音楽を聴く上での全体的なバランスは見事であり、音質そのものも中々良い。
特徴的というのが音場の広さであり、分離している音を見通しよく配置している。ヌケの良さがあり、程良く耳から遠くで減衰していく。音場の広さとそれに追従する減衰の自然さが特徴である。
それでいて「まとも」さというのが、低音寄りのバランスで中音・高音の帯域との兼ね合いがよく取れているということである。その上、アタック感もかなりしっかりとあるので、音場の広さが特徴的だけど音は「まとも」という印象に繋った。加えて、「音がここで鳴っている」という見通しはとても自然であり、楽曲を選ばず自然に鳴っている。やたらと分離し音がバラバラになっているという訳でも団子になっている訳でもなく、ほどよく自然。このヘッドホンにおいて、この「音場の広さと見通しが良いのにもかかわらず、鳴らしかたは自然」というのは、他のヘッドホンと比べてとても良いと思う。総じて不自然さが無い。かと言ってモニターヘッドホン並に分離しているかと言えばそこまででもなく、音楽を楽しむ上で必要十分に性能がある。
低音・高音がソリッドで元気であり、明瞭であるという鳴らしかたは最近のトレンドっぽい。
低音はアタック感もあり、かなり量が出ている。ここまでの開放型だとほぼ出てないかな、と思っていたのが良い意味で裏切られた形だ。元気のよさとエッジも見え、粗がない。明瞭さもあり、音場が広く、良い減衰加減のお陰でリバーブの立体感が見事。楽曲のバランスによってはベースが特に目立ち、低音のドンシャリが際立つ形にもなる。低音だけに注目するとやや聴き疲れする可能性はある。
見た目と開放型とされるスペックの先入観から、低音は出ないものと思ってしまったが、そんなことは全くない。量も多く濃密ながらそれでいて繊細さも感じられる。
中音は女性ボーカルやシンセのリード、ピアノなどが他とは相対的にやや引っ込むような印象を受けた
低音側の量が多いので男性ボーカルは力強く聞こえるが、女性ボーカルになると求められる帯域が不足しており少々影が薄くなる。アタック感と音の輪郭が明確ではあるが、もう少し量が欲しいと思う時がある。曲によっては、低音に負けてると感じる場合もある。耳が慣れたのか、エージングが進んだかは分からないが、 30 時間ほど鳴らした現在は女性ボーカルの音の線も結構太くなったように感じるが、もうちょっと欲しくは思う。
中音の質そのものは高音の明瞭さと粗のなさに助けられているところもあるかと思うが、どことなく滑らかさが足りない(言葉にするのが難しい)と思うところはある。アタック感はあるがエッジがやや明確ではなく、それでいてボーカルやピアノを引き込むような形で鳴らすということには一歩足りない。総括すると「質は良い気はするが若干の物足りなさを感じる」というところ。ただし、この値段に求めるものではなく、これ以上の値段のウォーム系ヘッドホンの中音に比べてとなる。
高音はかなりエッジが強く非常に明瞭。量も多い。粗なくさらっと減衰していくため、聴き疲れせず自然。歯裂音も気にならない。一方で、元気よく音楽を鳴らすところは見事。
スネアやシンバルなどはアタック感よく、とても明瞭。アタック時の歯裂音の帯域における量が多く、その上で減衰の自然さがヌケの良さにプラスてくれる。アコースティックギター弦の擦れる音や、弦を鳴らした時のアタック感など、とても明瞭。
得意なジャンルがあるとすれば、男性ボーカルものや弦楽器が中心のもの。豊かな低音と高音とエッジの良さが楽しめる。一方で中音の引っ込みが気になると思われるので、複数の楽器に囲まれた女性ボーカルものやシンセサイザのリードやピアノは少々不得意かと思った。曲によって、やや線が細く感じる場合がある。またヌケの良さが抜群なので、曲によってはメタルやハード系のロックが合わない場合がある。曲の生々しさを伝えるのは上手だが、曲を密にして聴かせられないため迫力が欠ける場合がやや多い。
他、得意不得意はなく、明瞭さと音場の広さ、全体的なバランスの良さで何でも違和感なく聴けると思う。

作り
ZX1 が民芸品と呼ばれているのを他の方のブログ記事で拝見したが、はたして M2 も民芸品とまでは言わないが「手作り」という印象は受けた。ハウジングが木製で(プラスチックではない)、ヘッドバンドとハウジング部分を繋ぐところの少々簡素なスレンレスであり、ヘッドバンドもクッション性のないビニールレザーである。木製ハウジングというプレミア感はあったとしても、見た目チープな印象はどうしても拭えない。
一方で、作りに粗はあるかと言えばそうではなく、雑さは見受けられない。「手作りだけど丁寧」という印象を受ける。先入観が先行した「中華製の雑さ」はなかった。値段なりの品質は担保できている。
「Grado っぽい」という評を見たが、さもありなん。ハウジングは木、Grado と同じベクトルのチープさ。(GS1000 などは別。ハウジングもでかく秀麗、高級ヘッドホンとしての風格が漂う)
ハウジングの木目や光沢については割愛。語られるほど木については分からない(が、プラスチック中心の各製品の中においては、その木製のフォルムは十分に存在感がある)、木目やニスなど気になるところはない。高級ではなさそうだが、手はきちんとかかっている造りだなと思う程度。
装着感
イヤーパッドが耳乗せ型、かつヘッドバンドにクッションがないため側圧で頭に固定する形なる。その側圧がやや強めで、長時間の装着は 1 時間ほどが限界。不安定さはないが疲れやすい。
重くはないので首は疲れない。
耳のどこに乗せるかで若干音の鳴りが変わるので注意。
メンテナンス性
長く使えるか、という耐久性の面で気になるのは
・リケーブルができるか?
・イヤーパッドなど消耗品はどうか?
という点。一応、気になっているところはクリアできそう。
リケーブルに関しては純正ケーブルが Okcsc から購入できる。
https://ja.aliexpress.com/item/33037186714.html
本体側の左右からミニピンのジャックが挿さるようになっている。デフォルトのケーブルの本体側は 3 極ミニピンとなっているが、ケーブル自体は 2 本の線で構成されている。恐らく 1 極が繋っていない。
3.5mm のミニピンを KZ などのイヤホンでよく使われている 0.75mm の 2pin に変換できるアダプタがあれば、と思って調べてみたが、mmcx は存在していたが 0.75 2pin はなかった。それができればよくある 0.75 2pin と 3.5mm ミニピンのケーブルが流用できたのになー。
イヤーパッドは取り外しが可能。デフォルトは将来、劣化が予想されるウレタン。
イヤーパッドを外したハウジング部分の直径は 7.2mm 程度。恐らく Grado の SR60 のイヤーパッドが使えると思うので、ボロボロになったらそれに付け替える想定。肉厚の良さそうなイヤーパッドがあれば早めに付け替える予定。ただ、ドライバと耳の位置が変わるので、どのように音質が変わるかは心配である。
遮音性など
遮音性や音洩れは開放型なので、ほぼ無いに等しい。電車はもちろん、オフィスなどで使おうものなら苦情が来るだろう。一人の部屋でしか使えない。
ドライバの外側は金属メッシュになっているだけ。これが抜けの良さに繋っていると思う。
その他
まあまあしっかりしたケースに入っていた。もう少し大きければ他に流用できたかなと思ったが、 M2 にフィットしたサイズだった。なので容量は少なかった。長期保存したいヘッドホンとかに丁度いいかと思ったが残念。
総評
大変満足しているし、値段よりも品質の良さを感じるコストパフォーマンスに優れるヘッドホンだった。音の感じも万人受けすると思う。
側圧の強さや、やや引っ込む中音など気になる点はあるが、なかなに人の薦めやすい。
願わくば、 Amazon などでもう少し楽に買えるようになればと思う。
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老後、奥さんと世界一周のための費用にします。