守られてきた時間 ┃ チロリアンランプの徒然に
寒風が吹きすさぶ中、今日は友人と娘の三人で実家に行ってきました。
失ったものは計り知れませんが、いわゆる商品価値のないもの――
アルバムや本などは、大部分が残されていたように思います。
家具などの調度品は、現在の住まいのものよりはるかに品がよく、
捨てるには忍びないものばかりでした。
中でも、約100年前に製造された、和洋裁の先生でもあった祖母が
大切に使ってきたシンガーの足踏みミシン。
戦時中、祖母はそのミシンで兵隊さんの軍服を縫い、
物のない時代には近所の子どもたちの服も縫ってあげていたと聞いています。
戦後は新潟から東京まで大切に運ばれ、
私の子ども時代には、父が輸入していたスイスのレース生地の見本などを使って、
既製品ではない、とても素敵な服をたくさん縫ってもらいました。
そんな想いの詰まったミシン。
できることなら、どこかに寄贈して、
また誰かの役に立つ場所へ送り出せたら…と考えています。
アルバムも、私のものだけでなく、
両親の婚約時代からのものが見つかりました。
私の知らない若き日の両親や祖父母の姿。
掛け軸を背に、皆で火鉢を囲む写真。
新婚旅行でしょうか、
ハンドバッグに手袋、帽子をかぶった母が凛とした表情でポーズをとる一枚は、
とても新鮮で、胸に残りました。
足の踏み場もない状態なので、
小物や本の探索にはまだ時間がかかりそうですが、
根気よく、宝探しのように向き合っていきたいと思います。
