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#24【入試情報】明大世田谷誕生で何が変わる

2026年、首都圏中学受験界を揺るがせたニュースの一つが、日本学園の明治大学付属化です。そして2027年入試から、校名は正式に「明治大学付属世田谷中学校」となります。


「明大付属が世田谷にできる」
それだけでも大きな話ですが、受験生にとって本当に気になるのは、
「人気はどう変わるのか」
「偏差値は上がるのか」
「今までの日本学園とは何が違うのか」
ではないでしょうか。

今回は、明大世田谷誕生による影響を考えてみたいと思います。

明治大学付属世田谷中とは

前身は世田谷区松原にある「日本学園中学校」です。
最寄駅は京王線・東急世田谷線の下高井戸駅。駅から徒歩圏内で、新宿や渋谷方面からのアクセスも良好です。

日本学園は1885年創立の伝統校で、一時期荒れたこともあったようです。
しかし、2000年代以降、「面倒見の良い男子校」として知られてきました。
保護者やOBからの評判もかなりよい学校です。

・中学は特に勉強のサポートが手厚く、なんなら高校生より授業時間が多いが、定期テストの平均点が高く学校全体の向学心が高い
・英検、漢検なども学校で対策をしてもらえたうえ、準会場として受験もできるので家庭としても安心
・学校の先生との距離が近く、困ったことは相談しやすい

伝統的な校舎も特徴で、「1号館」は文化財指定されています。ただ古いだけでなく、リニューアルされているため安心ですね。
なお、高校生の校舎は2025年に新しい校舎が竣工しました。

インターネット上では、かなり保護者からの前向きな評価と、だからこそ、明治大学系属化に伴うシステムの変化を不安視する声が上がっていました。

また、日本学園時代からの学校の特徴は面倒見の良さだけではありません。それは、部活動の豊富さです。スポーツ教育が非常に盛んな伝統ある男子校でした。

硬式野球部、サッカー部、バスケットボール部、バレーボール部、柔道部、トライアスロン部、山岳部、硬式テニス部、陸上競技部、軟式野球部、フットサル部、水泳部、バドミントン部、剣道部、自転車部、中学軟式野球部
※バスケットボール部…2015年ウィンターカップ出場(ベスト16)
           2018年インターハイ出場

その日本学園が明治大学の系列校となり、2026年度から段階的に明治大学付属世田谷へ移行しています。

付属校化の最大の特徴は、明治大学への内部進学制度です。
もちろん全員が自動的に進学できるわけではありませんが、一般受験だけに頼らない進路選択が可能になります。
その流れを考えれば、明大世田谷が注目されるのは当然と言えるでしょう。

明治大学への推薦について

系属化に際し、最も心配が集まっているのは、「本当に明治大学への推薦がもらえるのか」「推薦をもったまま他大学を受験できるのか」ということでしょう。

明治大学への推薦について
生徒本人の志望、意欲および適性を尊重しつつ、高校3年間にわたる推薦得点(学業成績に加え、探究(創発学)の成績を含む)、英検2級以上の取得状況、人物評価、出欠状況などを総合的に判断して決定します。
また、学部・学科の選定に際しては、各種検定などの成績を推薦得点に加算し、その結果をもとに決定いたします。
明治大学への推薦資格を保持したうえで、全国の国公立大学および省庁所管の7つの大学校への併願受験が認められます
明大世田谷では、全教科を通じた幅広い基礎学力と創発力の向上を図るとともに、生徒一人ひとりの得意分野を最大限に伸ばす教育を実践してまいります。

明治大学付属世田谷中学校・高等学校 ホームページより

ちょっと具体にかけているような気がしますが、
①高校3年生卒業の資格を持っている
②英検2級以上

を最低条件として、それ以外の検定などの成績順位で学部が選べて行くイメージのようですね。また、明治大学をおさえたまま、国公立大学や防衛大などを受験可能ということは明記されています。

なお、大学推薦枠は200名という情報があります。
定員280名に対して200名なのでおよそ7割と表現されていることがありますが、正確には割合ではなく人数で、明治大学から各学部合計200名の枠は確約されていると説明会などでは触れていたようです。学年によっては、定員より多くの生徒が在籍する代もあるようですから、「全員が明治大学へ行ける」というわけではないので、注意が必要です。

成績上位者は国公立へ抜けていき、成績下位者は英検などの大学推薦資格を満たすことができず、実際には上位200数十名で推薦枠を争う、という構図になるのでしょうか。
なお、学部ごとの人数はまだ発表されていません。特に人気の法学部・政治経済学部・商学部は競争率も高くなると思われます。

入試日程と募集概要

2026年6月現在、学校のホームページではまだ募集要項は発表されておらず、簡単な入試概要のみが掲載されています。

明治大学付属世田谷中学校・高等学校 ホームページより

2026年入試では、2月1日・4日の2回の入試を行いました。
2027年は、これに加えて午後入試に参入します。
2日午後、算数・理科という科目スタイルは、東京農業大学第一の入試スタイルに近いですね。

現在の募集形態を見る限り、大きな方向性としては「大学付属校としてのブランド力を前面に出す」ことが予想されます。従来の日本学園時代よりも志願者数の増加はほぼ確実でしょう。

問題はどの程度増えるかです。近年の中学受験では、大学附属化→志願者急増→偏差値上昇 という流れが何度も起こっています。受験生としては、前年までのデータだけを見て判断するのは危険かもしれません。

2026年入試のデータを見てみましょう。
共学化して初めての代の入試となります。

明治大学付属世田谷中学校・高等学校 ホームページより

実は、倍率は2025→2026で少し落ち着きました。
2/1 4.1倍→2.6倍
2/4 7.7倍→4.9倍
2/5 11.3倍→今年なし
もちろん、2月5日入試がなくなったので単純な比較はできませんが、倍率的には落ち着いたのです。もっとも、油断はできません。中学受験の受験者数・倍率には「隔年現象」が発生します。来年、倍率が戻ってくる可能性は十分にあります。

なぜいったん倍率が落ち着いたのでしょうか。考えられる現象は以下の通りです。
①2025年入試で倍率が上がりすぎて敬遠された
 これは大きいでしょう。それまで、世田谷エリアの男子校ということで日本学園は一定の需要を集めてきました。そこへもってきて明治大学の系属化発表。期待感が高まり受験者数が急増。男子はすでに毎年のデータがそろっているわけですから、データをもとに敬遠されることは想像できます。

②倍率が落ち着いて見えるだけで受ける層は上がっている
 私個人はこれが大きいと思います。これまで日本学園を受けてきた生徒の層より、確実に受験者層は上がりました。ほかの明治系列の学校との併願は確実に増えました。特に男子は近隣の明大中野。また、1日に明大世田谷→2日に明大明治という併願は、男女ともに多くみられるようになりました。明大明治の難易度は、いまや大学付属の中では早慶に次ぐほどとなっていますから、かなり受験者層が上がったとみています。この傾向は小学校6年生の模試などですでにみられていたので、受験者層の上昇を感じ取り、中堅偏差値の層が受験を回避したと考えられます。

③大学への推薦率がまだ不透明である
 これもありそうです。中学受験の学校選びで、付属を受けていく生徒・ご家庭は、「大学受験を回避したい」という思いが強い方が多いです。逆に、「付属に通いたいが、付属大学以外の選択肢も残したい」という場合、大学は外へ出る生徒が多い学校を選びがちです(早稲田、学習院、東京都市大、芝浦工大…)。明大系列は、慶應義塾・青山学院ほどではないですが、大学への推薦率は高いです。そうなると、これまでの実績でどのくらい大学推薦されるか明らかになっている明大明治・明大中野・明大八王子に受験生がある程度流れたことは否めないでしょう。これは、「明大世田谷」として入学した生徒の1期生が大学生になるまではっきりしない部分もあると思います。

④中学生は校舎が新築ではない
 伝統的な文化財の校舎ですが、「教室のきれいさ」「校舎の新しさ」を学校選びの条件として優先する生徒には、敬遠される傾向にあったようです。高校生になると新築の校舎で学ぶことができるのですが、中学から入る子たちにとっては少し不平等に感じたかもしれませんね。

⑤(女子は)先輩が男子ばっかり
 女子生徒の受け入れが始まったのは、中・高ともに2026年春からです。よって、「女子生徒を受け入れる環境が整っていないのでは」「女子の先輩が少なくて、部活動などが参加しづらいのでは」といった不安の声を耳にしました。学校側もそれが分かっていて、ホームぺージなどでは積極的に女子生徒の写真を用いているように思います。これは、あと2年間で全学年に女子がそろうので、次第になくなる不安だと思います。

明大世田谷の今後

現状、明大世田谷の偏差値は「難関一歩手前」です。
学習塾やサイトによっては、
明大明治>明大中野>明大世田谷≒明大八王子
としているところが多いように見えます。

しかし、私の予想は違います。
あと2,3年のうちに、
明大明治≒明大世田谷>明大中野>明大八王子
となると考えています。
理由はいくつかあります。

①立地・設備
明治大学にも近い。駅にも近い。
そして住宅街が並ぶ世田谷区。災害対策としてもさほど不安はありません。
高校は新校舎。
一定の広さをもち、校庭など設備も整っています。
これで人気が出ないわけがありません。
特に、明大明治や明大八王子と比べると、都心からのアクセスは最もよいでしょう。
駅からのアクセスを考えれば明大中野よりも駅近です。

②共学の大学付属
大学付属の共学校は、実はさほど多くありません。
また、慶應中等部や青山学院のように、せっかく共学でも男女で偏差値格差が大きく開いていたり、男女の募集人数の枠が異なっていたりします。
その点、明大世田谷は男女同数募集です。
共学付属のライバルは法政大学、法政大学第二、中央大附属、中央大附属横浜あたりとなるでしょうが、エリア的にも優位でしょう。
世のご家庭が、男子・女子の別学より共学志向が強まっているのも事実です。渋谷教育学園や広尾学園の全盛はその証左でしょう。

③大学推薦の割合(7割)
大学推薦率もまた、程よいと思います。
「明治ブランド」を目指す層を受け入れる。さらに、外部受験で国公立を受ける場合は明治をおさえたまま受験可能。
大学付属のメリットを生かし、国公立の進学実績も積むことができる。まさに「いいとこどり」といえます。

個人的には、
「日本学園時代のイメージで考えない方が良い」と思います。
学校名が変わっただけではありません。
受験生層そのものが変わるのです。これはもう、避けられない流れです。
大学附属校としての人気を考えれば、今後数年間は注目校の一つになるでしょう。

結論としては、

①志願者増加はほぼ確実
②偏差値上昇の可能性が高い
③大学附属校志望者は要チェック

というところでしょうか。

2027年入試を考える上で、首都圏男子校勢力図を変える可能性を持った大きなニュースだと思います。

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