2024年の映画ベスト5、そのほか、
2024年に観た新作映画の中で特に良かった5本。
「ファースト・カウ」(ケリー・ライカート監督)
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」(クレイグ・ギレスピー監督)
「ツイスターズ」(リー・アイザック・チョン監督)
「Cloud」(黒沢清監督)
「SUPER HAPPY FOREVER」(五十嵐耕平監督)
※順位付けはなし(鑑賞日順)
※「ファースト・カウ」は2023年12月公開なので正確には2023年の映画だ。
〇「ファースト・カウ」(ケリー・ライカート監督)
1820年代のアメリカで、成功を夢見る二人の流れ者の話。
監督はアメリカのインディペンデント映画界で評価の高い人らしい(初見)。
〈アメリカン・ドリーム〉の源流を描いたような物語で、確かに他ではなかなか見ることがないような瑞々しさを感じさせる映画。
〇「ダム・マネー ウォール街を狙え!」(クレイグ・ギレスピー監督)
2021年初頭、個人投資家たちが団結してヘッジファンドに大損害を与えた実話を基にした映画。
一般庶民が団結して偉そうなヤツをギャフンと言わせる、というのはある意味ハリウッド映画の王道で、これがなかなか悪くない。
あと、コロナ禍の中でのアメリカの日常、というのが映画で描かれているのは意外に初めて見たな、という気がして新鮮だった。
もう少し話題になってもいいんじゃないかと思った映画。
〇「ツイスターズ」(リー・アイザック・チョン監督)
巨大竜巻が多発するアメリカ中部で、竜巻に立ち向かう者たちの姿を描いたアクションアドベンチャー。
エリート風のチームと荒くれ者風のチームが競い合い、それぞれのチームに属するタイプの違う男女が惹かれ合う、というこれまたいかにもハリウッドの王道、という作風が楽しい。
こういう映画が作られ続けて、ヒットし続けるといいなあ、と思う。
〇「Cloud」(黒沢清監督)
転売ヤーの男を襲う悪意の罠。ネット社会の闇、みたいな話らしいのだが、正直どういう話なのかよく分からない。
登場人物の誰にも感情移入できない。
それなのにとにかく面白い。
相変わらず変な映画を撮り続ける監督である。
〇「SUPER HAPPY FOREVER」(五十嵐耕平監督)
とある海沿いの観光地での男女の出会いを描く、というとなんとも陳腐な感じだが、ほとんど大したことなど起こらないのに、なにか特別な瞬間を見ているような気になる不思議な映画。
新作では以上の5本なのだが、旧作の再見を含めると、圧倒的に
「ミツバチのささやき」(ビクトル・エリセ監督)
「エル・スール」(ビクトル・エリセ監督)
の2本。
結局この2本をもう一度映画館で観ることができたのが2024年最大の収穫だったかも。
2024年の映画の話題で一番ショックだったのは、クリント・イーストウッド監督の新作「陪審員2番」が配信オンリーで、今のところ劇場公開の予定がない、という年末に入って来たニュース。
これで監督引退を明言しており、94歳という年齢もあっておそらく遺作になるだろう作品である。
ぼくにとって「映画を観る」というのは「映画館で映画を観る」ということなので、イーストウッドの最後の作品を観ることができない、というのはつらい。
「映画館で映画を観る」という文化がもう終わりつつあるのだろうな、と思う。
それはしょうがないことだと思うし、「映画館で映画を観る」という文化がまだ残っていた時代を過ごせて良かったと思っている。
しかしそれはそれとして、イーストウッドの遺作くらい映画館で見せてくれよー。
