読まれる前に迷子になる文章たちへ━━noteのスキ数アップについて《今週の三題噺発表》
いい文章を書けば、読まれる。
この信仰は文章界の古代宗教です。祭壇にはキーボードやスマホが所狭しと置かれ、信者は毎朝こう祈ります。
「どうかこの記事を、誰か見つけてください」
しかし現実は残酷なもんで。名文はだいたい押し入れの奥で正座している。
読まれる前に、見つかる必要があるんです。
これを理解した瞬間、文章の世界は急に物流業界になる。文章は作品である前に、荷物なんだよ。届けなければ意味がないのよ。
どんなに美しい記事でも、誰も知らないフォルダの奥で「私は名文です」と独占配信していても、それはただの孤独なライブ配信なんですね。
観客ゼロ。
拍手ゼロ。
コメント欄は凪。
怖い話をしましょうか。
世の中には、めちゃくちゃおもしろいのに誰にも見つかっていない文章が、冷蔵庫の奥の納豆みたいに、静かに存在しています。
逆に、「え、これ?」という文章が繁華街の大通りの看板みたいに目立っていることもある。
怒ってはいけません。これは文章の優劣ではないんですよ。
発見力の問題。
文章は内容だけでは生きられない。少々着飾らないと裸も同然なんで。だから服も必要です。
タイトル。
導入。
サムネ画像。
投稿時間。
全部、衣替えが必須なんです。
冬のコートを着た文章は、夏に読まれない。
逆もまた然り。言葉も季節を着替える。
たとえば、「文章論について考える」というタイトル。真面目で良い感じ。
だけど、「最強開運日なのに文章が読まれない理由」なんて書かれたら、ついクリックしてしまう人がいる。
もちろん、釣りはダメですよ。けれど入り口を明るくする努力は必要なんです。
文章は地下のライブハウスでもある。扉が見つからないと、誰も入れない。目の前にあるのに素通りしちゃう。
だから書き手は、少しだけ宣伝を覚えるの。ちょっとだけ声を張る。ほんの少し看板を出す。
恥ずかしい。
自意識がざわつく。
「作品は黙って読まれるべきだ」なんて言いたくなる。
それは文学的ロマンの話であって、現実では迷子の美文を増やすだけなのよ。
見つけてもらうことは、媚びることではないんです。
むしろ、届けたいという誠実さだから。
あなたが書いたその文章は、きっと誰かの役に立つ。誰かを笑わせる。誰かの夜を少し軽くする。
けど肝心のその人は、あなたの文章の存在をまったく知らない。
まず、見つかろう。
独占配信は誰かが再生ボタンを押してから成立する。文章は、読まれて初めて呼吸をする。
原稿に少しだけ衣替えをさせる。
タイトルを磨き、
冒頭を整え、
世界の大通りに置く。
名文は、見つかってからが本番です。
《前回の三題噺》
1.独占配信
2.最強開運日
3.衣替え
説明しよう!三題噺とは、まったく関係のない3つの言葉を強引にひとつの話にまとめる文章遊びであーる。頭をフル回転させながら、「どうつなげる?」「オチどうする?」という落語的プレッシャーが味わえます。エピソード構成力、語彙力、そして無茶ぶり耐性まで育つ、文章版・筋トレRPG。それが三題噺。やってみなきゃ、もったいない!
《今週の三題噺》
1.布教活動
2.果汁100%
3.長らくのご愛顧ありがとうございました
ハッシュタグ
#木曜日は3ースデイ
をお願いします。
どなたでも参加できます。
締め切りは一応来週3月18日(水)まで。
過ぎても大丈夫です。
#放課後ライティング倶楽部
[画像協力:さちわ]
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