【俳句】子規忌

9月19日、久しぶりに熱を出して仕事を休んだ。
家にあったネオバターロールを口に押し込み、処方されたアセトアミノフェンを飲むと、午後にはだいぶ楽になったと感じる。
現代はなんて手厚い時代なんだろう。
もう眠くもないし、やることもない。暇に任せてアマゾンプライムをつけ、友人から勧められていた葬送のフリーレンをソファに横になりながら観ることにした。

発熱や臥しつアマプラ観て子規忌

柘植内雨月

正岡子規は言わずと知れた俳句会を代表する明治の俳人。
晩年は結核からくるカリエスのため病床に臥し、起き上がることもままならず、食べることだけが楽しみだった子規。妹の律が、包帯を替え、身体を拭き、食事を用意して懸命に看病した。病床には多くの弟子や友人が集まり、句会を開き、意見をぶつけあった。

期せずして子規の命日に体調を崩したが、123年を経た今日、病気を患っても医者に行けば薬が手に入り、病床にいても娯楽には事欠かない。コンビニやスーパーに行けば、栄養価の高い果物も、魚も肉も野菜も、産地や季節を問わず手に入る。
だけど看病してくれる家族は、仕事に、学校に、当然友など、頼るべくもない。
幸せは他人と比べるものではないけれど、同じく病床に臥しながら、「子規さん、幸せだったのかな」と思いを馳せるのも、供養ということにしておこうと思う。


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