冷戦中夫婦に訪れた節分
4日くらい奥さんと口を聞いていませんでした。
きっかけは些細な言い合いでした。
完全に私が悪いので、すぐに謝りましたし、そこからも機を見て謝ってたのですが、軽く頷くだけで奥さんから言葉が返ってくることはありませんでした。
お菓子買ったり、奥さんが最近ハマってる「ハイキュー」とコラボしてるファミマのスイーツをもってしてもしても効果はありませんでした。
これは長くなるな、と感じました。
知り合ってから5年くらい、結婚して3年になりまして、基本的には比較的仲の良い方だとは思うのですが、まあ人並み以上の頻度では喧嘩してると思います。
私はすぐに謝れるのと、奥さんも「嘘でもいいから謝れ」ってよく言うので、謝りさえすれば仲直りはできるのですが、今回は難航しそうでした。
何年か前にハヤシライス作って喧嘩した時並の喧嘩やなと思い出しました。
我が家の「ハヤシライス事件」ってのを概要を説明すると、その当時、私は働いていなくて、ほぼ毎日夜ご飯を作っていました。
調理したり買い物したりするのは全然苦じゃなかったので、楽しんでしていたのですが、料理する中で一番頭を悩ませたのが献立決めることでした。
同じようなメニューが続かないように、とか、高頻度で同じメニューにならないように、とか自分なりに工夫していて、
奥さんは私が作るカレーが美味しいと言ってくれるのでカレーを軸に我が家の献立は決まっていったのですが、
カレーはカレーでも奥さんはキーマカレーが好きなのですが、キーマカレーばっかりでも飽きるかなと思って、一度スープカレーを作ってみました。
そしたら、美味しいとは言ってくれたのですが、「普通のカレーでいいかな」って言われてしまいました。
スープカレーの方が普通に手間かかるんですよね。
それで普通のカレーがいいって言われてしまって、ちょっとショックでした。
次のカレーローテーションの日は言われた通り普通のカレーを作ったんです。
the家のカレーって感じのやつ。
普通のカレーでいいって言われたんで。
そしたら、「えー、キーマが良かった」って言われました。
私がキーマカレー作りすぎてて、奥さんの中で普通のカレーってのがキーマカレーになっていたみたいです。
その日から我が家のカレーはキーマ一択になりまして、何も考えすに玉ねぎみじん切りにして挽肉炒めて、最近は20分くらいあればキーマカレー作れるようになっています。
カレーはキーマという共通認識ができたので、普通カレー、スープカレーに代わるメニューも考えないといけないなと思って、同じような具材でできるハヤシライスを作ってみました。
カレーなどの煮込み料理によく使う鍋があるんですけど、仕事から帰ってきた奥さんが、その鍋を台所で見かけて、「お、今日はカレーか」って言ったんですね。
んで、ハヤシライスをよそって持って行くと、「いや、カレーでいいやん」って言われて、さすがにむかついて、
「ほな食べんでいいわ」って言ってしまって、
まあこれが俗に言う「ハヤシライス危機」ってやつなんですけど、
2日くらい会話なかったです。
この時ほど謝る意味がわからないことはなかったのですが、一応謝って雪解けはできました。
今回それ以来の危機なんですよね。
もう冷戦状態です。
なんか、オードリーがネタ合わせする時に若林が直接、春日に言わず、同席している作家のサトミツに言ってる風で春日に伝えてるみたいに言っていて、
昨日、奥さんの出勤前はそんな感じになっていました。
「私、仕事行くからね」って子に言っていて、
私も「いってらっしゃいって言ってあげて」って言って、
お互いの声、余裕で聞こえてるんですけど、頑なに会話はせんぞ、っていうお互いの覚悟を感じましたね。
奥さんが仕事に行った後は、久々に家の中にピリついた空気がなくなって子と2人で平和に過ごしていました。
攻撃されることもなく、反撃準備もしなくていい、まさに休戦というか、停戦みたいな状態で、
その時に改めて思うんですね、なんで喧嘩してたんやっけ?って。
4日も引きずるような言い合いじゃなかったと思うんですよね。
もちろん奥さん側には今まで溜まっていたこともあると思うので、言い合いだけが原因じゃないのですが、お互い意地張ってしまっていて、落とし所が見つからなくなってるのかなって思いました。
奥さんが帰ってくるまでの時間で、子と近くの商店街に散歩に出かけました。
その商店街の中にある、昔からある街のお寿司やさんみたいな、
数席カウンターがあって、店頭にも持ち帰り用のお寿司とか巻き寿司、押し寿司が置いてあるようなお店で、
いつもはそんなに繁盛しているイメージはなかったのですが、昨日は行列ができていて、なんでかなと思ったのですが、昨日節分だったんですよね。
私は実家で家族と住んでいた頃は、親とかが季節のイベント的なことは一通りやってくれた気がしていて、
でも1人で住むようになると、シフトの勤務でカレンダーをあまり意識することがなかったこともあって季節のイベントとは無縁の生活を送ってしました。
対して奥さんは、季節のイベント事を大事にするタイプで結構好きなんですね。
なので、奥さんと知り合ってからは、季節の花を見に行ったり、クリスマスにチキンを食べたり、それこそ恵方巻きを食べたりしたこともありました。
散歩の帰りに寄ったスーパーでも恵方巻きが売っていて、半額になっていた恵方巻きがあったんですね。
定価が1000円超えるような恵方巻きだったので、これはお得やなと思って奥さん用に1つ購入しました。
家に帰って、恵方巻きの入れ物に、「ごめんね、東北東向いて食べてください」って書いて冷蔵庫入れておいたんですね。
そしたら、奥さんが帰ってきて、奥さんも値引きされた恵方巻き買って帰ってきてたんですね。
んで、お互いが買ってきたやつを食べることになって、
恵方巻きって恵方を向いて、食べ終わるまで喋ったらダメじゃないですか、
幸か不幸か、我々4日、口きいてなかったんですよね。
東北東向きながらお互い無言で食べました。
正直これまでも、私から謝ってみたこともあって、無視とか頷きだけとかだって心が折れてて、話しかけるってことは、平和的解決に至る可能性もあれば、
一歩間違えると、武力攻勢になってしまうリスクもあるわけなんですよ。
それが冷戦状態なんですけど、ほぼ同時に恵方巻きを食べ終わって、
「高いだけあって美味しいね」って奥さんが言ったんですよ。
「イオンで1380円の半額やってん」って私が言って、
「数の子も入っててテンション上がった」って奥さんが言って、
「数の子好きやもんね」って答えて、4日振りに会話をしました。
鉄のカーテンが開いていくのを感じました。
夫婦を東西に分断していた壁がどこからともなく穴が空いていき最終的には崩れていきました。
平和協定を締結した我々は、奥さんはその日の仕事のこと、私は子とどんな1日を過ごしたか、4日分を取り返すように会話をしました。
恵方巻きを黙って食べるというのには、福を逃がさないようにという意味が込められてるみたいで、
私が偉人になった時には必ず教科書に載るであろう、この冷戦の危機を、恵方巻きは見事、福を呼び戻して解決してくれました。
少なくともこの1年は、福を逃さないように夫婦仲良く過ごしていきたいなと思ってます。
