【ショートショート】誤解陸上
昔々、浜辺で一匹の年老いた亀が子供たちにいじめられていました。
そこに通りかかったのは漁師の浦島。子供たちにアツいゲンコツをかますと、子供たちを追い散らかします。
亀はお礼に是非とも竜宮城に招待させて下さいと浦島を誘いました。やもめ暮らしの浦島は、美人と噂の乙姫に会えるのならば是非も無いと、亀の背中にまたがりました。
いくつもの波を越え1人と一匹は竜宮城を目指します。お腹が空いた浦島は亀にたずねました。
「もうそろそろ着く頃かい?」
「もうすぐですじゃ」
またいくつもの波を越え、釣った魚を生で食べるのにも飽きた頃、浦島は亀にたずねました。
「さすがにそろそろ着くんじゃないか?」
「も、もうすぐですじゃ。たしかそこを右に曲がったあたりに……いや、左だったか……」
亀の上で寝ることにも慣れた頃、久しぶりの陸が見えてきました。
「あれは……竜宮城?海の中という話では?」
「あれは……あれですじゃ。最近はもっぱら陸ですじゃ」
浜辺にあがった浦島に若い女の子たちが駆け寄ります。手に持った花の輪を浦島の首に掛けると、にっこりと微笑みました。
「アロハ~」
すっかりそこが気に入った浦島は、その地で幸せに暮らしましたとさ。
とっぴんぱらりのぷう。
終
これはお題に沿っているのか…と自問しながらも書いてみました。
とっぴんぱらりのぷう=めでたしめでたし。
めでたしめでたしより響きが好きです。
たらはかにさまの毎週ショートショート【誤解陸上】に参加させて頂きました。
前回のお題【左右研究】で毎ショセレクションに選んで頂きました😊
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