【ショートショート】ペガサス挑戦券
商店街の福引で当たった【ペガサス挑戦券】は、1等【米1年分】の横にひっそりと吊るされていた。裏返してみると「当日限り有効」の注意書き。
その夜、半信半疑で屋上に出ると、翼の生えた白い馬が、夜をかきわけ屋上に降り立った。白い毛並みが月の光に照らされて、水面のように揺れていた。その首には【ペガサス】と書かれた色褪せたタスキが掛けられている。
恐る恐るその背に跨ると、背後からゴホンと咳払いがした。制服姿の男が「返却は23時までです。時間厳守でお願いします」と言った。
ペガサスが飛び立つ。冷たい風が頬を撫でる。空は広かったが、視界の隅で腕時計の秒針が忙しなく跳ねていた。飛び立って数分後、ペガサスはくるりと向きを変え、23時ちょうどに屋上に降り立った。
白い背から降りると、ペガサスは制服の男に連れられて闇のなかに消えた。夢のような体験だったが、私は夜空の色を思い出せないことに気付く。
吐き出した白い息が、ペガサスの消えた闇に溶けていった。
終
挑戦要素入れ忘れたった。。
たらはかにさまの毎週ショートショート【ペガサス挑戦券】に参加させて頂きました。
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