-最終話:朝の光が、部屋の中に静かに広がっていく
朝の光が、カーテンの隙間から静かに差し込んでいる。
まだ部屋の空気は冷たく、
夜の名残が少しだけ残っていた。
布団から起き上がる前に、
しばらく天井を見ていた。
身体が、まだ昨日の揺れを覚えている。
ゆっくりと起き上がり、
カーテンを少しだけ開ける。
相模湾の光が、
部屋の中に薄く広がっていく。
朝の海は、昨日よりも静かに見えた。
椅子に座る。
昨日と同じ椅子。
でも、光が違うだけで、
部屋の表情がまったく変わって見える。
湯を沸かす音が、
部屋の静けさに溶けていく。
お茶を淹れて、
湯気がゆっくりと立ち上がるのを眺める。
その湯気が、朝の光に触れて薄く揺れている。
特別なことは何もしていない。
ただ、朝の光を見ているだけ。
でも、この「ただ見ているだけ」の時間が、
旅の中でいちばん好きだった。
帰りのサフィールの時間が、
少しずつ近づいている。
でも、まだ考えない。
いまは、光の変化だけを見ていたい。
次の旅でも、きっと同じように、
朝の光を眺めてから帰り支度をするのだろう。
※ サフィール踊り子の座席選びや、東京駅での“仕込み”の動線など、実用ガイドはブログにまとめています。
