-第4話:部屋のドアを開けて、ただ椅子に座る。
部屋のドアを開ける。
廊下の湿った空気が、一瞬で遮断される。
整えられた、無機質な空気に触れる。
荷物を床に置く。
トン、トン。
その音が、部屋の静けさを際立たせている。
窓際の椅子に向かう。
深く座る。
背中が、椅子の面に預けられていく。
張り詰めていた筋肉が、
ゆっくりとほどけていく。
身体の重さを、
すべて椅子に委ねている。
カーテンを開ける。
相模湾の光が、部屋に差し込んでくる。
窓の外の光が、少しずつ変わっていくのが分かる。
何もしていない。
ただ座って、窓の外を眺めているだけ。
この空白の時間が、
旅の核心になっている。
サフィールを降りて、
駅から宿まで歩いて、
部屋に入って、椅子に座る。
その流れの最後に、
この静けさが待っていた。
次の旅も、同じ椅子に座って、
同じ光を眺めている。
ただ座るだけの時間が、
旅を完成させる静けさになっています。
※ サフィール踊り子の座席選びや、東京駅での“仕込み”の動線など、実用ガイドはブログにまとめています。
