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馬の見分け方ーーうまのふしぎvol.3

うまる🐴こんにちは、うまるです!
みんなは競馬中継を見ていて、「あの馬は茶色いな」「あっちは白っぽいな」って思ったこと、ないかな? 実はあの「色の違い」には、ちゃんとした遺伝子の仕組みがあるんだ。今日はぼくが、馬の毛色のひみつをわかりやすく解説するよ!🎨


1. サラブレッドの毛色は「8種類」
まず基本から。サラブレッドの毛色は、公式には 8種類 に分類されているよ。
毛色   読み方   特徴
鹿毛(かげ):茶褐色の体に、たてがみ・尾・ 脚先が黒い。一番よく見る毛色!
黒鹿毛(くろかげ):鹿毛より全体的に黒っぽいけど、目や鼻の周り・脇・お腹は茶褐色
青鹿毛(あおかげ):黒鹿毛よりさらに黒い部分が多い。ほぼ真っ黒に見えることも
青毛(あおげ):体もたてがみも尾もすべて黒色。かっこいい!
栗毛(くりげ):明るい茶色〜赤茶色。たてがみや脚先も黒くならない
栃栗毛(とちくりげ):栗毛より濃い、チョコレートのような暗い茶色
芦毛(あしげ):年齢とともに体全体が白くなっていく。生まれたときは暗い色。鹿毛芦毛栗毛芦毛など
白毛(しろげ):生まれたときから白い。アルビノとは違うよ!

遺伝子のタイプで分けると、鹿毛系(鹿毛・黒鹿毛・青鹿毛)、栗毛系(栗毛・栃栗毛)、青毛、芦毛、白毛 の5グループになるんだ。


2. メンデルの法則と馬の毛色🧬
馬の毛色の遺伝は、中学校の理科で習う 「メンデルの法則」 に従うことがわかっていたんだ。
つまり、お父さんとお母さんから1本ずつもらった染色体(一対)の上に、毛色を決める遺伝子が乗っているということ。
昔から経験的にわかっていたことが3つあるよ。

① 鹿毛系と栗毛系は、同じ遺伝子の「バリエーション違い」で決まる② 青毛と芦毛は、鹿毛・栗毛とは別の遺伝子で独立して遺伝する③ 発現の優先順位は「芦毛 > 青毛 > 鹿毛・栗毛系」

そして2009年、馬の全ゲノム(遺伝情報のすべて)が解読されたことで、毛色を決める遺伝子の正体がついに明らかになったんだ!


3.毛色を決める3つの遺伝子🔬
1️⃣ MC1R遺伝子 ── 「鹿毛か栗毛か」を決める
MC1R(1型メラノコルチン受容体)という遺伝子が、鹿毛系になるか栗毛系になるかを決めているよ。
この遺伝子に変異が入ったものを 「栗毛因子」 と呼ぶんだ。馬は父母から1つずつ、合計2つの遺伝子を持っているから、組み合わせはこうなるよ。

栗毛因子の数結果
2つ持っている→ 栗毛系(栗毛 or 栃栗毛)
1つ持っている→ 鹿毛系(栗毛因子は「劣性」なので発現しない)
持っていない→ 鹿毛系

つまり、栗毛になるには 両親の両方から栗毛因子をもらう必要がある ということ。鹿毛の馬同士から栗毛の子が生まれることがあるのは、両親がそれぞれ栗毛因子を1つずつ「隠し持っていた」からなんだね。
ちなみに、鹿毛・黒鹿毛・青鹿毛の違いや、栗毛・栃栗毛の違いを決める遺伝子は、まだ解明されていないんだ。


2️⃣ ASIP遺伝子 ── 「青毛かどうか」を決める
ASIP(アグーチシグナル蛋白)という遺伝子の変異が、青毛を決めているよ。変異が入ったものを 「青毛因子」 と呼ぶよ。

青毛因子の数条件結果
2つ持っている芦毛因子なし→ 青毛(栗毛因子の有無は関係なし!)
1つ持っている─ → 鹿毛系 or 栗毛系
持っていない─ → 鹿毛系 or 栗毛系

青毛因子は栗毛因子と同じく「劣性」だから、2つ揃わないと青毛にはならないんだ。でも面白いのは、青毛因子が2つ揃うと、栗毛因子を持っていても 青毛が優先される ということ!


3️⃣ STX17遺伝子 ── 「芦毛かどうか」を決める
STX17(Syntaxin17)という遺伝子の変異が、芦毛を決めているよ。変異が入ったものを 「芦毛因子」 と呼ぶんだ。

芦毛因子の数結果
1つでも持っている→ 芦毛(他の因子がどうであっても芦毛!)
持っていない→ 他の遺伝子の組み合わせで決まる

芦毛因子は 1つ持っているだけで芦毛になる。これが「芦毛が一番強い」と
言われる理由だよ。芦毛の馬は生まれたときは鹿毛や栗毛のような色をしているけど、年齢とともにだんだん白くなっていくんだ。不思議だよね!


🏆毛色の優先順位まとめ
3つの遺伝子の関係を整理すると、こうなるよ。

芦毛(STX17)> 青毛(ASIP)> 鹿毛系・栗毛系(MC1R)


白毛のひみつ ── まだまだ謎が多い!
近年の研究で、第3染色体上のKIT遺伝子 に変異が入ると白毛になることがわかったんだ。白毛因子を1つまたは2つ持っていると白毛になるよ。
さらに、KIT遺伝子上で 突然変異 が起きて、突然白毛の馬が生まれることもあるんだ。日本で有名なソダシやハヤヤッコの白毛ファミリーも、もとをたどれば1頭の突然変異から始まっているよ。
白毛は芦毛と違って、生まれたときからすでに白い のが特徴。でも、アルビノ(メラニン色素を作れない)とは違って、目は黒いし皮膚にも色素があるんだ。白毛因子にはまだ不明な点も多くて、今後の研究が期待されているよ!


4. 馬の「個体識別」🔍── 毛色だけじゃない!
競馬やセリ市場では、馬を間違えないように 個体識別 がとても大切。現在、多くの国では首に埋め込まれた マイクロチップ(MC) の番号を読み取って、血統登録書と照合しているよ。マイクロチップは子馬のときに挿入されて、登録時にはDNA検査による親子判定も行われるんだ。
日本では、公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル がサラブレッド系競走馬や繁殖用馬の登録を行い、血統書を発行しているよ。

個体識別の3つのポイント
マイクロチップリーダーがない場合でも、以下の3つで馬を見分けることができるんだ。
① 毛色 ── まずは8種類のどれかを確認。
② 白徴(はくちょう) ── 顔や四肢の下部にある白い模様のこと。個体ごとに形や大きさが違うから、人間でいう「指紋」みたいなもの! 白い部分の位置や形によって、「流星」「鼻梁白」「白面」などの固有の名前がついているよ。
③ 旋毛(せんもう) ── 人間でいう「つむじ」のこと。馬は生まれてから位置も数も変わらないから、日本では識別にも使われているんだ。
個体照合の順番は、性別 → 毛色 → 顔の白徴 → 全身の旋毛 → 四肢の白徴 の順で確認するよ。


5.馬は「左側」がおもて!🐎
最後にちょっとした豆知識。馬の引き馬や装具の着脱、騎乗・下馬は、すべて 馬の左側 から行うのがルールなんだ。
英語では馬の左側を "near side"、右側を "far side"(または "off side")と呼ぶよ。「なぜ左側なの?」という明確な理由は実はなくて、自転車に左側から乗るのと同じように、人類と馬の長い歴史の中で自然に確立されたルールだと考えられているんだ。
子馬は生まれた翌朝から引き馬の躾が始まるよ。最初は人が母馬と子馬の間に入って、必ず子馬の左側に立つ。こうすることで、子馬は人を信頼し、安心して一緒に歩けるようになるんだ。
セリのカタログ写真も馬の左側から撮影するのが基本。たてがみを右に寝かせて、四肢が重ならないように垂直に立たせ、両耳が見える程度に正面を向かせてポーズを決めるよ。シャッターを切るまで馬の集中力を保つために、ボイスレコーダーに録音した馬の鳴き声を流したり、人間が変な動きや声を出して注意を引くテクニックもあるんだって!


6.まとめ📝
馬の毛色は、見た目の美しさだけじゃなくて、遺伝子レベルのドラマが詰まっているんだ。
• MC1R遺伝子 → 鹿毛か栗毛かを決める
• ASIP遺伝子 → 青毛かどうかを決める
• STX17遺伝子 → 芦毛かどうかを決める(最強!)
• KIT遺伝子 → 白毛を決める(まだ謎が多い)
次にレースを見るときは、「あの馬は芦毛だから、STX17遺伝子の変異を持っているんだな」なんて思いながら見てみてね。きっと、競馬がもっと面白くなるはず!

次回予告: うまるが解説する「生まれた命がレースに立つまで」── 新シリーズ、馬のお仕事vol.1!お楽しみに!
うまものがたり ── 一頭の馬から、競馬はもっと好きになる。
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