インフレーションに頼らない宇宙の作り方
結論から書きます
宇宙は、
「膨張で平らになった」のではなく
「最初から打ち消されていた」
のかもしれません。
いまの標準的な宇宙の説明
宇宙がほぼ平坦なのはなぜか?
→ インフレーションで説明します。
ざっくり言うと:
宇宙が一瞬でめちゃくちゃ膨張する
すると曲率(歪み)が押し潰される
結果、平らに見える
これはかなりうまくいっています。
有名で最有力の標準モデルですよね。
ちょっとした違和感
なぜそんな都合よく膨張するのか
その場(インフラトン)はどこから来たのか
初期条件は本当に自然なのか
つまり:
説明としては強いけど、構造としては重い
発想を変える
ここで、別の考え方をします。
「押し潰す」のではなく「打ち消す」
宇宙を2つ用意する
宇宙の大きさを表す量として「スケール因子 a」というものがあります。
ざっくり言うと、「宇宙がどれくらい広がっているか」です。
ここでちょっと発想をひっくり返します。
1つは普通の宇宙:
→ スケール因子:a
もう1つは“裏返した宇宙”:
→ スケール因子:1/a
これ、ただの思いつきに見えますが、実は完全な妄想ではありません。
ヒントになるのが、弦理論に出てくる
T双対性 という性質です。
これはざっくり言うと:
大きい空間と小さい空間は、物理的に同じかもしれない
というもの。
この発想を宇宙に持ち込むと、
大きく広がった宇宙(aが大きい)
すごく小さい宇宙(aが小さい)
が、実は裏表の関係としてつながる可能性が出てきます。
ここで面白いのは、
「宇宙が1つ」だと思っていたものが、
実は「a と 1/a の2つの見え方」をしているだけかもしれない
という点です。
混ぜる
この2つを、少しずつ混ぜるとどうなるか?
イメージはこれです:
a:広がる方向
1/a:縮む方向
ここが一番面白い
この2つをうまく混ぜると、
曲率が打ち消し合う
特にあるバランスになると:
完全にゼロになる(=平坦)
つまり何が起きているか
インフレーション:膨張でねじ伏せる
このアイデア:構造で相殺する
さらに重要な話
この「混ざり具合」が時間で変わると、
宇宙はこうなります:
収縮する
いちばん小さくなる
そこからまた膨張する
ビッグバンの正体
このモデルだと、
ビッグバンは“始まり”ではない
幾何学が切り替わる瞬間
になります。
観測できる違い
ここが一番重要です。
このモデルで考えた宇宙は、
重力波のスペクトルが普通と違う
通常(インフレーション):
大きなスケールほど強い(red tilt)
このモデル:
小さなスケールほど強い(blue tilt)
しかも途中にピークが出る
つまり
将来の観測で、
「どっちの宇宙か」区別できる可能性がある
このアイデアのポイント
ポイントはシンプルです。
宇宙の性質が“力学”ではなく“構造”から出てくる
何かを無理に起こす必要がない
もともとの対称性で説明できる
正直な話(大事)
これは完成された理論ではありません。
トイモデルです
一部は仮定に依っています
まだ詰めるところは多い
それでも面白い理由
それでもこの方向が面白いのは、
1つのアイデアで複数の問題に触れているから
平坦性問題
初期特異点
重力波の起源
まとめ
宇宙は膨張で平らになったのか?
それとも最初から打ち消されていたのか?
答えはまだ分かりません。
でも少なくとも、
「混ぜると消える」という見方はあり得る
もう少し知りたい人へ
※この記事は直感的な説明です。
トイモデル・数式・重力波スペクトルの導出などは、こちらにまとめています。
アイデアのメモとして公開しています。
ツッコミ・議論歓迎です。
