十勝に初上陸したときのこと
初めて十勝を訪れたときのことを書いてみようと思います。
いろんな場所を旅する中で、なぜ十勝だけ別格で惹かれてしまったのか?
長くなりますが具体的なエピソードでをご紹介します。
※経緯は記事「わたしのこと」をご覧ください。
飛行機の席が空きまくり?だった帯広便
十勝初上陸のきっかけは、JALの「どこかにマイル」。
少ないマイルで4つの候補地のどこかに行ける、というミステリーツアーの飛行機版のような制度で、要は空いている席を少しでも埋めて飛ばそう、ということですね。
どこかにマイルは何度も使っていますが、帯広はその候補地としてよくリストアップされる空港です(=席が空いてるってこと)。
そのおかげで十勝との運命的な出会いを果たせたと考えると本当にラッキー。帯広便、空いててよかった!
十勝の玄関口である帯広空港への初めての旅が確定してから取り組んだのは、現地のおすすめスポットを調べまくって旅程表にまとめることでした。

これを見ると計画的な人っぽく見えるかもしれません。
・・・が、とんでもない!
私はもともと計画を立てるのが苦手な、成り行き任せな人間なのです。
計画的ではないのに計画を立てるワケ
計画を立てざるを得なかった理由はシンプル。
車を運転できなかったから。
十勝で暮らす今はブンブン乗り回していますが、当時はペーパードライバーで運転経験がほぼなかったため、旦那さんから一人旅をOKする条件として「車の運転だけはNG」と言われていました。
なので、公共交通機関とタクシーを乗り継いで目的地に向かわねばならなかったのです。
電車でどこでも行けてしまう東京と違って、地方都市の多くはバスや電車の本数が限られます。また、バスや電車がない地域はタクシーを使うので、タクシー代がとてもかかります。
だからこそ、公共交通機関は何が使えるか、どのぐらいの本数あるかを事前に調べて旅程に反映し、タクシー代を最小限に抑えられるよう頑張っていました。
この旅程表はどこかにマイルで旅するたびに作成していましたが、慣れるとだんだん組み立てるのが楽しくなってきて、今では旅行の計画だけは得意になりました!
「乗ってく?」 by バスの運転手さん
さて、この行程に沿って帯広の旅が始まりました。
帯広でウェルカム感を感じた一発目は、バスの運転手さんとのやりとりでした。
私は初めて旅する土地では、できるだけその土地の神社にご挨拶に行きます。「この地に来れたことを嬉しく思います。道中お守りください」と。
帯広で最初にしたのも、帯廣(帯広)神社にお参りすること。ただ、空港から神社まで直接行けるバス・電車がありませんでした。
事前に調べたところ、空港から出るホテル循環バスの終点が神社に近いっぽいことが判明。とりあえず近くまで行ってみようと、このバスに乗ってみました。
終点で降りるとき、運転手さんに「ここから帯廣神社まで歩いてどのぐらいですか?」と聞いてみたんですよね。
すると、こんな答えが。
「え?神社まで歩くの?結構あるよ?あー、そう。東京から来たの。それじゃ距離分かんないよね。このまま乗ってく?車庫に行く途中で神社の近くを通るから、こっそり乗せていってもいいよ」
実際に乗せていただくと確かに歩くには距離があり、本当に助かりました。でもこれって東京ではあり得ないことだろうなと。
バス会社的にはルール違反だったかもしれませんが、十勝人とのファーストコンタクトとなったこの出来事がウェルカム感を醸成し、その後の十勝の旅を魅力3割増にしてくれたように思います。
当時の運転手さん、ありがとうございました!
「これ美味しいから食べてみな!」 by 隣の席の知らない人
続いてウェルカムされた場所は、20軒の小屋型店舗が立ち並ぶ「北の屋台」。夜の帯広を代表する屋台通りで、地元のみなさんが日常使いされています。
店内は狭く、コの字型のカウンターがひとつ。その中心でお店の方がテキパキ動きます。お客さんも隣同士、肘が触れ合うぐらいの距離感で座ることになります。
何の気なしにとあるお店に入ってみたら、ちょうど1席空いていて座ることができました。
まずは1杯頼んでからメニューを眺めていると・・・
「あんた、どっから来たの?」と隣のオジサマに話しかけられました。(十勝人はヨソモノをすぐに見分ける)
「東京です。帯広に来たのは初めてです」
「帯広なんてなんも見るとこないのに、遠くからよく来たね〜!この店、これ美味しいから食べてみな!」
ご夫婦で来店していたオジサマは、いきなりご自分が注文していたフードを差し出しました。常連らしく、その後もお店のおすすめメニューを勝手に教えてくれます。
オジサマ夫妻と会話をしていると、私の反対隣に座っていたお客さんも話に入ってくるし、お店の人も手を動かしながらちょいちょい口を挟んでくる。
一人で行っても自然と馴染ませてもらえる、狭いお店だからこそのアットホームさがとても嬉しかった。
こういうのイヤじゃない。むしろ好き!
「私ですみませんねぇ・・・」 by 総務の役職っぽい人
三つ目のウェルカム感は、よつ葉乳業の工場見学ツアーで。

オジサマガイドの写真も撮っていなかった。残念すぎる。
よつ葉乳業は十勝発祥の牛乳・乳製品メーカーです。
帯広市の隣町に大きな工場があり、平日限定ですが工場見学のツアーに参加することができます。
私がツアーに参加した日はガイド役の女性がお休みで、代理で総務部の課長クラス(たぶん)のオジサマが案内してくれました。
私は以前テーマパークでガイドツアーを担当していたこともあり、このような体験ツアーでは説明内容もさることながら、ガイド役のホスピタリティが気になってしまいます。
ツアー開始時は失礼ながら、普段ガイドをし慣れていなさそうなオジサマの案内で楽しめるかしら?なんて思っていました。
ところが、この方の対応が素晴らしかったんです。
ツアー中の基本的なご案内はもちろんのこと、どんな質問にも的確に、さらにはプラスアルファの情報まで加えて返ってくる。少々突っ込んだ質問に対する対応もお手のもの。
なんだなんだ、すごいぞ、この人。
ガイドツアーに小姑のような目(?)を持つ私も大満足な、ホスピタリティあふれる対応でした。
それなのに、ツアーの最後に「本当はちゃんとしたガイド役がいるのに、私ですみませんねぇ・・・」なんて申し訳なさそうに言われちゃうと、「いやいや、むしろレアカードを引いて得した気分です。ありがとうございます!」という気持ちになりましたね。
ちなみに、そのオジサマに「よつ葉乳業で一番おすすめの商品は?」と聞いて、教えていただいた発酵バターを試してみたところ、まろやかでとても美味しく、今も愛用しています。
じゃがいもにチーズかけただけ、の衝撃!

食については、さすが日本の食糧生産基地である十勝!
滞在中、何を食べても美味しかったのですが、中でも感動したのが道の駅ガーデンスパ十勝川温泉で食べたジャガイモにラクレットチーズをかけたもの。
(今はテナントが変わっているので同じメニューはないかも)
写真の通り、ふかしたジャガイモにチーズがかかっているだけなのですが、まずジャガイモが甘い!今までに食べたことのない美味しさ!「これ、本当にジャガイモ?」って思いました。
そしてとろーりのびるラクレットチーズの塩気がまたステキ!思わずおかわりしようかと思いました。
そういえば、北の屋台で隣のオジサマにすすめられて食べたポテトフライも、東京で食べるものと段違いで、ポテトフライですら素材が違うとこんなにも味わいが違うのか・・・・と驚きました。
シンプルな料理だからこそ素材の違いが感じられたのでしょうね。しかも安い!
ジャガイモ好きの方には天国のような場所なんです、十勝は。
なんか、みんな、やさしい!!
こんなふうに、十勝のあちらこちらで受けたやさしく温かなおもてなしに感動し、衝撃を受けるほど美味しい食事を楽しみ、大満足して帰京したわけです。
どこかにマイルで旅したどの地域でも人との触れ合いや食を楽しんできましたが、十勝での体験は他とは違う、なにか心にグッとくるものがありました。
短い旅の中でも、ヨソモノを快く受け入れてくれる十勝人の懐の深さを感じたのかもしれません。
この初上陸での体験をきっかけに、もっと十勝を知りたい!と思うようになり、東京から十勝に通う日々が始まり、最終的に二拠拠点居住にまで至ることになります。
長文を読んでくださり、ありがとうございました!
