夏の冷蔵庫には、ラタトゥイユを忍ばせて
トマトにパプリカ、なす、ズッキーニ……。
夏のスーパーは、カラフルな野菜で溢れている。相変わらずの暑さに嫌気がさすが、色とりどりの野菜からは元気がもらえて、夏も悪くない。
そんな夏野菜をふんだんに使った料理がある。
それはラタトゥイユ。たっぷりの夏野菜を煮込んだ、フランスの郷土料理だ。私は毎年、この時期になると、常備菜としてラタトゥイユを作っている。
はじめてラタトゥイユを作ったのは一人暮らしを始めたころ。実家で母が作っていたのを思い出し、レシピなどは見ず、何となくで作ってみた。
使うのは、玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、なす、そしてトマト缶。
野菜はそれぞれざく切りに。鍋にオリーブオイルを入れ火にかけ、玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、なすの順に炒める。
全体に油がまわったら、トマト缶、塩、ローリエを加えて煮込む。最後に、醤油をほんの少し入れて、完成だ。

野菜の旨みたっぷりの、素朴な味わい。醤油を少し入れると、味が締まる気がする。(もしかすると、そんな気がするだけかもしれない。)
あとで知ったのだけれど、母はトマト缶ではなく完熟のトマトを、ハーブも1種類ではなく何種類かを使っていたようだ。
たしかに、私が作るものは母のものより赤色が濃いし、味は単純だ。
けれども、私はこれはこれで気に入っている。
このラタトゥイユ、出来立てももちろん美味しいけれど、翌日以降は味が馴染んでより美味しくなる。
さらには、いろいろな食べ方で楽しめるのが嬉しいところ。
まずは、冷たいまま小鉢に入れて、そのまま一品に。

ラタトゥイユは本来、温かくして食べるもののようだけれど、私は冷たくして食べるのも好き。
だし醤油を少しかければ、和食にも馴染む。
オムレツに添えて、ソースのように。ラタトゥイユは冷たいままでも、温めても。

オムレツの他、焼いたお肉や魚に合わせることも。
パスタにアレンジすることだってできる。

写真は温かいパスタ。にんにくや、ウインナー、チーズを加えてボリューミーに。
もちろん、冷たいパスタにしても美味しい。
中でも、私の1番のお気に入りは、トーストした食パンにオリーブオイルをかけ、冷たいラタトゥイユをのせることだ。

熱々のトーストに、冷たいラタトゥイユが不思議とよく合う。
カリっとしたトーストに、ジュワっと広がるラタトゥイユがたまらない。
食べ進めていくと、パンにラタトゥイユが染みてくるが、それもまたいい。
朝、このトーストを食べるととても幸せな気分になる。
週末にラタトゥイユを仕込んでおけば、バタバタとした平日の朝だって、なんだか“ちょっといい朝”になるのだ。
私は今年の夏も、ラタトゥイユを冷蔵庫に忍ばせる。
この、“ちょっといい朝”を迎えるために。
私のラタトゥイユレシピ
材料(作りやすい分量)
玉ねぎ 1個
パプリカ(赤・黄) 各1個
ズッキーニ 1本
なす 2本
トマト缶 1缶(400g)
オリーブオイル 適量(大さじ2〜3)
ローリエ 1枚
塩 小さじ1/2〜お好みで
醤油 ほんの少し
作り方
1.野菜をそれぞれざく切りにする。ざく切りにしたなすは5分ほど水にさらし、水気を切る。
2.鍋にオリーブオイルを入れて中火にかける。玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、なすの順に加えて炒める。
3.全体に油がまわったら、トマト缶、塩、ローリエを入れ蓋をし、弱火で20分ほど煮込む。醤油や塩で味を整えて完成。
メモ
薄味のため、保存性はそれほど高くない。我が家ではだいたい3〜4日で食べ切る。
清潔な容器で保存し、なるべく早めに。食べる前は、状態を確認してから。
ちなみに、似ている料理にイタリアのカポナータがある。こちらも同じく夏野菜をたっぷり煮込んだ料理だが、ビネガーなどを加えて甘酸っぱい味付けにするのが特徴だ。
同じ夏野菜の煮込みでも、国によって味付けや雰囲気が変わるのは、なかなか興味深い。
おわりに
シンプルな味付けで、アレンジ自在なラタトゥイユ。
きっと、あなただけの“お気に入りの食べ方”が見つかるはず。
夏の冷蔵庫に、ぜひラタトゥイユを。

