3Dプリンターでサイクロン集塵機を作る-準備編
先日作成した、サイクロン集塵機のアダプターは、既にあるユニットと掃除機を接続するものでした。
こちらはマンションで木工作業をするためのものですが、実家にも集塵機が欲しいので、作ることにしました。
どんな集塵機をつくるか?
基本、サイクロン集塵機であることは外せません。ただの大容量集塵機なら、もうE-Valueの乾湿両用掃除機があります。
ですが、欲しいのはサイクロン集塵機なのです。
要件は、こんな感じです
騒音は気にしない。(でも電源容量に限度はあるので、掃除機の電圧は落とす予定)
掃除機には、E-Valueの乾湿両用掃除機(既に持っている奴)を使う
土足で歩く納屋の二階なので、木くず、土汚れ、カンナくず等、多少おかしなもの、(木くずに比べて)比較的大きめがあっても吸い込める
というか、電動カンナを将来使いたいので、大量のカンナくずを吸わせても性能が低下しないのが欲しい
サンダーも使うので、細かい粉塵もサイクロン部分で分離できる
一杯になったら、ぱっとごみ袋を閉じて捨てられる
(おまけ)せっかくなので、3Dプリンタで部品を作りたい!
そもそも、サイクロンでいいのか?
最初にこれを書いておく必要があります。
正直、吸引力の効率において、サイクロン集塵機は低効率です。
家庭用掃除機でも、吸引力でいえば今でも紙パック式のほうが高効率です。(しかも、紙パックのほうが虫とか、絶対触りたくないものを見ずに処分できる)
それでも木工でサイクロン集塵機が求められているのは、「1.木工が大量の木くずというゴミをだすから、20リットルという容量は魅力的」「2.サイクロン方式なら、掃除機のメンテナンスの手間も減る」からです。
要は、作業しているとあっという間に貯まるゴミの処分を、何度もやりたくないから、に尽きます。
おてがるコース(実績多数、低コスト)
正直、時間と手間暇、掛かるコストを考えたら、ペール缶の蓋につけるサイクロンユニットを買うのが一番手っ取り早いです。
穴をあける必要がありますが、ホールソー、あるいは鉄工用ドリル+金切りばさみ+やすり(グラインダー等)があればよいです。
ペール缶は、0.34mm~0.5mmのスチール製です。ドリルでも楽に穴があけられます。
あと、ごみ袋ですが、ロール式になっているものを使うのがよさそうです。
最大のメリットは、時間です。部品を買ってきて、ちょいちょいと穴だけあけて繋げれば、立派なサイクロン集塵機になる。
ほかの手段では、どうしても加工や設計に手間がかかります。時給換算なら絶対におてがるコースが一番です。
というか、正直、設計していてタイパの悪さに根を上げそうになったので、第一にこのコースを勧めています。
大容量コース(作る手間は多め)
ペール缶を上下に二つ繋いだタイプもあります。
「自作工房」さんの作成されたものです。
ただ、初めに注意しておきますが、ペール缶を2つ使ったからと言って、容量は2倍にはなりません。
自作工房さんのものも、上がサイクロン部分、下が集塵タンクですので、最大で20リットルが限度です。
ですが、おてがるコースのほうも、ペール缶の容量ぎりぎりまで使えるわけではありません。あまり貯めすぎると、掃除機側に吸い込まれます。おそらく、80%位が目途のはずです。
ですので、容量の差は20%位だと思います。
動画以外にも、ブログに記事があります。
上にあげたおてがるコースより加工の手間はありますが、もっと簡易な構造の集塵機も載っています。
正直、今回の検討の前は、自作工房さんのものを作ろうと思っていました。木くずの大きなもの~粉塵まで対応できて、かつ大容量。加工の手間はありますが、工程にそれほど難しい部分はありません。
丸く切るのも、トリマーとサークルカット治具を使っていますが、なくても丸ノコとか、ほかの手段で円切りできます。
ですが、アルミのパンチングメタル、高いんですよね……
私が二の足を踏んでいたのは、安価なパンチングメタルを探していた為です。
金属製で、実家近所のホームセンターで入手可能な、網形状のパーツはいくつか代替案がありましたので、作成まで秒読みの段階でした。
路線変更したのは、年末に買った3Dプリンタのせいです。
サイクロン集塵機を、3Dプリンタで作る(低コスト、タイパ低め)
3Dプリンタでパーツを作る場合のメリットデメリットですが、こんな感じになると思います。
設計と試作に時間がかかる。時給換算したら、キットを買うほうが絶対に安い
でも、色々な制約の中で設計するのは楽しい。Fusion360の勉強にもなる
Amazonセールで買いすぎたフィラメントの良い消費先になる
こうして記事にもなる(マネタイズしてないけど)
なんだか、「金じゃないんだよ!楽しいんだよ!」としか言ってませんね。
いくつか、先行事例もあります。
下はともかく、上はBambuLab A1 miniじゃ作れませんね。180mm x 180mm x 180mmが限度なので。
あと、こういう漏斗型に絞っていあるタイプは、すでにマンション用に所有していますし、製品と同じものを作るのが微妙に楽しくないので、却下しました。
らせん型にループする部分とか、やったことが無いので、そこは勉強になるとは思うのですが。
最終的に、作成するのは「自作工房」さんのタイプ(ドラム型セパレータ方式)にしました。
3Dプリンタ製サイクロン集塵機に必要なパーツ
必要なのは、大きく分けて3つです。
吸入口
掃除機をつなぐ接手
メインとなるセパレータ
吸入口
内径55mmのホースを繋ぐつもりなので、外形は55mm、ペール缶の側面に穴をあけて、そこに吸入口を付けます。
自作工房さんは、板金加工用の図面から、側面にあける穴の形状を作図していましたが、今回は、Fusion360を使ってペール缶をつくり、そこに穴をあけるパイプを差し込んで、境界面の形状を求める予定です。
掃除機の接手
ペール缶の中心に穴をあけて、垂直に固定されること。
E-Valueの掃除機がそのまま刺さること。
オプションとして、下部ペール缶の底付近に穴をあけ、ホースでつないで負圧をかけ、ごみ袋をペール缶に密着させる予定ですので、ホースの片方はこの接手から横に生えます。
掃除機の接続形状は、前回、丸ノコを繋ぐための接手を作った時のモデルがあるので、それを取り込みます。
負圧をかけてごみ袋を密着させる方法は、下記動画をどうぞ。
この仕組みは、結構昔からあるようです。3Dプリンタが身近になって、ホース用のアダプターが作りやすくなりました。
セパレータ
自作工房さんが丸く切った板とパンチングメタルで作った、ドラム式のアレです。
サイクロン掃除機を持っているなら、中に同じものがあります。

ここは円筒形で、サイドに吸入口が小さくたくさん空いている必要があります。
この穴のサイズ、密度はそれこそ試作を重ねるしかないのですが、とりあえず作ってみて、不満があれば作り直します。
でも、そんなに手間暇をかけて、吸引力の変化を調査できないので、とりあえず問題なく吸えるなら最初のバージョンをずっと使うかも。
掃除機のセパレータは、横以外に下にもすこし穴があります。
あと、下の部分は円周が大きく広がっていますね。これは、横穴部分にごみが戻らなくする工夫だと思います。
問題は、A1 miniの製作可能なサイズが180mmに制限される事ですが、自作工房さんのセパレータも、円の外形は180mmで、パンチングメタルの縦の長さは200mmのようなので、A1 miniの限界サイズで、ほぼ同等のものが作れそうです。
という事で、次は設計編です。
