バルセロナでのブランチの台頭で脅かされる伝統の朝食
バルセロナがあるカタルーニャ州はスペインの大部分と異なったカタルーニャ特有の文化が根付き、独自のカタルーニャ語が公用語の一つとなっていることは比較的知られているかと思います。今回はそんなバルセロナでここ何年か起こっているブランチ戦争について。
ブランチ専門店の爆発的増加
普段バルセロナの街の中心を歩いていると、次から次へと新しいブランチのお店ができていてビックリします。
エッグスベネディクトやアボカドトースト、イングリッシュブレックファーストにシャクシューカなどがメニューに並び、行列しているところも多々。これらは主にバルセロナの外国人(北ヨーロッパや米国)が多く住んでいたり観光客が多いエリアにあり、ターゲットの客層は正しくそれらの人々。実際外に並んでいる人々の会話を聞いていると、英語や北ヨーロッパの言語が多いです。得にインスタなどで拡散する有名なお店は、スイス人やイギリス人など北ヨーロッパ系のオーナーのよう。
そのため、地元紙やネットでは昨今のオーバーツーリズムの問題と結びつけて語られることが多いです。

そしてブランチの台頭によって独自の朝食文化が失われるのではないかとの危機感がカタルーニャ人の間で広がっています。そんな危機感を持ったとあるカタルーニャ人ジャーナリストがカタルーニャ独自の朝食、Esmorzar de Forquillaを食べることができるバルのマップを作成したそう(カタルーニャ語のみ)。
カタルーニャ伝統の朝食、Esmorzar de forquillaとは?
インスタ映えするブランチと異なり、地味に存在するのがカタルーニャ独自の朝食、Esmorzar de Forquilla。カタルーニャ語で「フォークの朝食(つまり、フォークで食べる朝食)」という意味で、正確な起源は分かっていないものの何世紀にも渡って続くカタルーニャの伝統的な朝食です。
もともとは、田舎で農業などの体力的な仕事に従事する人々が力をつけられるようにと、昼食まで腹持ちするカロリー高めの食事です。そのため、煮込み系など少しヘビーなものも多いです。バルに集まり会話を楽しみながら食べるため、文化的、社会的要素も強いのが特徴。
Esmorzar de Forquillaってどんなメニュー?
お店によってメニューは多少異なるものの、伝統的なカタルーニャ料理が多いので、メニューは大抵カタルーニャ語で書かれています。
Cap i Pota
カタルーニャ語で「頭と足」という意味で、仔牛の鼻と足、を玉ねぎやトマト、ビーフストックなどで煮込んだもの。
Estofat de Vedella
仔牛とジャガイモの煮込み。
Callos
牛のトリッパの煮込み。
Fricandó
トマトや松の実、オニオン、白ワインなどがベースとなった牛とマッシュルームのシチュー。
Butifarra con Judías
ブティファラというソーセージと白いんげん豆。
Bacalao a la Llauna
ハチミツとパプリカベースのソースをかけたオリーブオイルで揚げた鱈。
日本人にもお馴染みのトルティーヤ。バルセロナだけでなくスペインの朝食の定番です。
サンドイッチもスペインでは朝食の定番。カタルーニャだとブティファラ・ソーセージのサンドイッチなどがあります。
Esmorzar de Forquillaはどこで食べれる?
Esmorzar de Forquillaを提供するお店は、飾り気のない一見在り来たりのバルが多いです。
ただ、バルセロナ市内には中華系の人々が経営する飾り気のないバルも多く、そういったバルの食べ物は冷凍を暖めるだけのバル。サンドイッチなどはあっても手作りのEsmorzar de Forquillaはありません。
Esmorzar de Forquillaが食べれるバルは大抵カタルーニャ人が経営しているバルで、早いお店は6時~7時開店ですが、8時から9時の間に開店するお店が多いです。そして煮込みやシチュー系は9時から10時くらいに食べに訪れるのが一般的なよう。
観光で訪れる人にとって一番分かりやすいのは、市場の中にあるバル。ボルン地区のサンタ・カタリナ市場にあるBar Joan、サン・アントニ地区のサン・アントニ市場にあるBar Pinotxo(もともとはボケリア市場にあった老舗で、地元の人にもっと来てほしいとサン・アントニ市場へ移転)などが有名です。
市場以外にもいろいろあるので機会があればNOTEで今後紹介したいと思います。
バルセロナに滞在するなら是非1回は伝統的なEsmorzar de Forquillaを試してみてください!
