【福井】再々々々々訪問 一乗谷朝倉氏遺跡
久しぶりに、福井県の一乗谷朝倉氏遺跡へ行ってきた。
最低6回以上来ている。福井へ行くたびに立ち寄っているわけではないが、気がつけば何度も足を運んでいる場所である。
何度訪れてもよいと思う理由は、発掘も展示も、とにかく真面目だから。
派手な伝説や、無理やり作った施設で観光客を引っ張るのではなく、発掘された遺構や遺物を地道に調べ、それを可能な限り分かりやすく見せようとしている。その姿勢が気に入っている。
何より、戦国時代の城下町が、ほぼ丸ごと地中から姿を現したというスケール。
一乗谷を「日本のポンペイ」と呼ぶ人もいる。
さすがにポンペイと同じと言うには少々無理がある気もするが、町割りや屋敷跡、道路、井戸、庭園などの保存状態は見事だと思う。

今回は復原町並と博物館のみ
この日は、とにかく暑かった。しかも今回は家族でのお出かけ。自分一人なら山城跡まで登り、屋敷跡を端から端まで歩くところだが、そんなことをすれば背後から家族に斬られる。
ということで、今回は復原町並と福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館に絞って見学。
復原町並は、自分が最初に訪れた頃から、大きくは変わっていないと思う。
武家屋敷や町屋が並び、当時の道幅や生活空間を体感できる。何度も来ている場所ではあるが、実際の遺構の上に復元された町を歩くと、戦国時代の城下町が単なる想像上の風景ではなく、確かにここに存在していたのだと実感できる。

汗だくの甲冑体験着用
復原町並では、甲冑や当時の装束を身に着けられる体験が行われていた。せっかくなので、自分と子供3人で甲冑を着てみることにした。
甲冑といっても、胴だけを軽く羽織って記念撮影する程度のものではない。兜をかぶり、胴を着け、腕には諸籠手、脚には脛当を取り付ける、なかなか本格的なフルセットである。
大河ドラマで使われるものと同じ仕様らしく、一部にアルミやプラスチックを使って軽量化されているものの、それでも一式15kgほどあるという。
当然ながら、暑い。そして重い。それでも、甲冑を一式身に着ける機会など、そうあるものではない。
暑いからと最初は腰が引けていた長男も、いざ着てみるとすっかり気に入った様子だった。
頼んでもいないのに刀を抜き、そのまま黙って静止している。
どうやら写真を撮ってほしいらしい。
仕方がないので撮ってやった。
その後、甲冑姿の子供たちは、岩手から来たという観光客に写真を撮られていた。
頼まれもしないのにポーズを決めてサービスするあたり、親の気の弱さが遺伝しているのだろう。
自分も甲冑を身に着け、家族そろって復原町並を歩いた。
重さと暑さはなかなかのものだったが、甲冑姿で戦国時代の町並みを歩くというのは、思った以上に楽しい。何やら自分まで強くなったような気がしてくる。
なんやかんやで、家族そろって楽しい時間を過ごすことができた。
ただし、暑さだけはどうにもならない。
甲冑を脱いだ後は、全員が滝のような汗をかいていた。
係員のおじさんは、
「洗えないから、乾かすしかないんです」
と言いながら、汗を吸った諸籠手や脛当を軒先に並べて干していた。
着る側も大変だが、管理する側も、なかなか大変そうである。

金をかけて、丁寧に見せる博物館
続いて、一乗谷朝倉氏遺跡博物館へ。
以前の資料館は別館となり、道路を挟んだ反対側に新しい博物館が建てられている。とにかく規模が大きく、かなりの費用がかかっていることがうかがえる。
展示空間を広く取り、遺構や出土品を一つずつ丁寧に見せている。小さな展示ケースに資料をちまちまと詰め込むのではなく、遺跡全体の成り立ちや朝倉氏の歴史、城下町で暮らした人々の生活を順番に理解できる構成は非常に分かりやすい。
発掘された石敷遺構を、建物内でそのまま公開しているのも大きな見どころ。遺跡の博物館として、かなり本気。
一乗谷という遺跡を、福井県が大切に扱っていることがよく分かる。
しいて言えば、当時の城下町を再現したジオラマを、もう少し大きくしてほしかった。
城下町全体が発掘されている一乗谷だからこそ、建物や道路、川、山との位置関係を、巨大なジオラマで眺めてみたい。
細かな町の様子を上から見下ろせる展示があれば、遺跡を歩く楽しさもさらに増すと思う。

何度訪れても飽きない遺跡
今回は暑さと家族連れということもあり、遺跡全体をじっくり回ることはできなかった。それでも、甲冑を着て復原町並を歩き、見応えのある博物館も見学できた。家族で半日、十分に楽しむことができた。
一乗谷朝倉氏遺跡は、何度か訪れる価値があると思っている。
発掘や研究が続き、展示施設も変わっていく。季節や天候、一緒に訪れる人によっても見え方が変わる。
次は7回目か8回目の来訪になると思うが、とりあえずはもう少し涼しい時期にしたい。


福井県は、恐竜博物館といい、この一乗谷朝倉氏遺跡博物館といい、歴史や自然史の資源に恵まれているだけでなく、それを調べ、保存し、見せる姿勢も総じて真面目な印象がある。
展示を派手にすれば人が集まるとは限らないし、集まったところで中身が薄ければ長くは続かない。
今後も安易な客寄せに走らず、丁寧な運用継続を期待したい。
<おわり>
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