政権突く教授のバンダナ春色に 姫
あの上脇博之神戸学院大学教授(67)のドキュメンタリー映画が、近所の小ホールにやって来た。
「映像‘24 政治家が最も恐れる男」。
「地方の時代映像祭」放送局部門で、数々の賞に輝いたMBS制作作品だ。
上脇は1年前から、自民党派閥の政治資金パーティーの問題を突き止め、単なるミスではなく、組織的犯罪である、と刑事告発した。
東京地検特捜部が、解明に向けて動き出したのは、彼の告発が基になっている。
バンダナ姿がトレードの怒れる憲法学者。
政治とカネの問題を、徹底的に追求し、何度でも刑事告発を続けている。
不屈の精神に溢れた彼を、メデイアで度々目にした。
新聞折込のチラシでこのイベントを見た時、これは行かなくちゃ、と決めた。
当日の参加者約60名。会場は超満員だ。

上映に先立ち、谷川俊太郎の詩の朗読があった。
「子どもたちの遺言」より。
初老の女性と男性が交互に読む。
私たちは、じっくりと味わいながら、現代の子どもたちからの、大人たちへの想いや願いを想起する。
そして、谷川の詩の独唱。
「死んだ男の残したものは」。
翌日行われるベトナム戦争反対集会のために書き、武満徹が一晩で作曲した。
年配の男性が、アカペラで歌った。
「死んだ兵士の残したものは、壊れた銃と歪んだ地球…」。
声量が豊かで、詩の内容を深く噛み締めることができた。
さて、映画は迫力あり、スリルあり、ミステリータッチでドキドキしっ放しだ。
上脇は今の政治を変えたいと、2018年からの5年間で、7000万円の裏金発覚後、毎日マスコミの取材を受けている。
どんなに忙しくても、断らない。
記者にケータイ番号を教えているのだ。
普段は大学で、哲学や正義論を教えているが、
休日は「収穫日」。
ひたすら告発状を書く。
すでに150件を超えた。
政治家に緊張感を与えるために行う。
逃げ得は許さない。
国民はそのうち忘れるだろう、との思惑が透けて見える、と言う。
不起訴が続くが、諦めない。
私たちが忘れないために。
温厚な表情だが、身の危険はないのか?
観ている間中、心配していた。
それを避けるために、時には変身するという。
バンダナはその点、都合がいい。
帽子に変えると分からないんだよ、と軽やかに笑う。
凄い人がいる。命懸けで、本気で、この国の国民のことを考えている。
世の中捨てたものでもないんだ。
カンパになるかも?と思い、最新刊の著書を買った。
偶然出会った旧友とお茶して、しっかりと感想を語り合った。
如月の初日、春爛漫の心地だった。
裏金の告訴幾度も冴かへる
ペアで読む俊太郎の詩春を待つ
冬深し憲法学者の最新刊
春を待つカンパはずみし上映会
旧友と邂逅待春上映会
