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全部やれ。最初から“社長ごっこ”してると潰れる

誰よりも泥をかぶった社長だけが、信頼される


起業してすぐの僕は、何でも1人でやっていた。

午前中は提案資料を作り、午後は提携先に事業提案をしに行き、夜はシステム開発。
日付が変わってからは事業戦略や事業計画を1人で練り上げていた。

アポは1日平均8件。
朝7時にスタートして、仕事が終わるのは深夜3時。
それでも翌朝また、何事もなかったように動き出す。

「社長だから指示すればいい」と思ってるやつ、起業なめすぎ。

最初は全部やれ。
できるとか、できないとかじゃない。
それが現実だし、それが“経営”だ。


肉体も精神も、いつ壊れてもおかしくなかった

ある日、現場で重大な不具合が発生した。
委託先のメンバーと朝までかかって修正して、そのまま羽田空港へ直行。
息つく間もなく韓国の開発先へ出張。

また別の日は、現場のクレーム対応で、毒を延々と吐き続ける顧客と2時間以上対面し、その2時間後には、市長を訪問して事業提案をする。

地獄と外交の落差で、心がちぎれそうになった

しかも、資金調達は60億円超。
にもかかわらず、初年度の経常利益はマイナス8億円。

出資者ひとりひとりに頭を下げて、
「必ず5年後には売上100億になります」と言って回った。
正直、心の中はぐちゃぐちゃだった。
でも顔には出せない。ハッタリを本気で信じさせるのが、社長の仕事だった。


それでもやめなかった。やめるわけがなかった

理由はシンプルだった。

社会課題を解決する“圧倒的な価値”がこのサービスにはあった。
誰もやってない0→1の挑戦。
これが世に出たら、日本がもっと良くなる未来が見えていた。

そして何よりも──
死産で旅立った息子に、「僕はやりきった」と胸を張って言いたかった。
彼のいのちを無駄にしたくなかった。


“全部やった経験”が、今の経営にすべて活きてる

当時、無茶苦茶だった。
でも今は、それが武器になってる。

僕はジェネラリストとして、だいたいの知識は持っている。
だから専門家とも本質的な議論ができる。

リーダーの苦しみも、現場の混乱も、痛いほど分かる。
俯瞰してアドバイスもできるし、感情に寄り添った提案もできる。
それは、自分が血を流してきたから。

何より、“全部やった社長”だから、
仲間に愛情を持って接することができるんだ。


任せて失敗もした。でも、それも必要だった

韓国のメーカーと契約したとき。
社長のプレゼンが素晴らしくて信じてしまった。

でも実際に行ってみたら、工場もなくて、倉庫みたいな場所で
日雇いみたいな素人が設計してた。

アプリ開発も、「プロです」と言ってた人がほぼ素人。
ローンチ直前にバグが1000個以上出て、すべて洗い出して、
自分で仕様設計を巻き取り、信頼できる仲間に切り替えて、
一緒に乗り越えた。

自分が全部やったことがあるから、何が正しくて、何がヤバいかが瞬時に分かる。


社長ごっこしてるやつ、すぐバレるよ

口だけの社長。
丸投げする社長。
指示だけして現場に出ない社長。

社員はちゃんと見てる。
「この人、本気か?」って。
そして、泥をかぶった量に比例して、信頼は深くなる。


僕からの問い

あなたは、“全部やった”と言えるか?
人に任せたいのは、“経験した上で”の判断か?
それとも、“逃げたいだけ”の言い訳か?


▶︎次回予告(第6話)

「自信なんて、ないまま動け」
─ 不安をごまかすな。行動で吹き飛ばせ。


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