使い古した箸、なぜか捨てづらい理由があった|箸の日|2026年8月4日|記念日上等
箸触りという言葉があるかどうかわからないが、なんとなく自分に合った箸というものがある。最初は慣れないもち感に戸惑うも、慣れてくるとしっくりして、手になじむようになる。
新しい箸を買っても、食卓の隅で古い方を手放す決心がつかず、しばらく引き出しの奥に眠らせてしまう。そんな小さな迷いを抱えたことのある人は、きっと少なくないはずだ。
実はこの「捨てづらさ」には理由がある。8月4日は「は(8)し(4)」の語呂合わせから「箸の日」とされている日で、1975年、「箸を正しく使おう」という民俗学研究者の提唱を受け、わりばし組合が制定した記念日だ。
愛知県名古屋市に本店を構える割箸メーカー、藤本商會本店も同じ語呂合わせでこの日を記念日として届け出ており、2014年には日本記念日協会の認定・登録記念日にもなっている。
調べてみると、箸の歴史はもっと意外なところから始まっている。日本で箸が使われ始めたのは弥生時代から飛鳥時代、3世紀から7世紀ごろと推定されているが、当初の箸は食事の道具ではなかったという。
神様へのお供え物を素手で触れて汚さないための「神器」として使われていたというのが有力な説だ。
人が箸を使って食事をする文化が広まったのは7世紀ごろ、大陸からやってきた使節をもてなす中で、大陸の食事作法にならったことがきっかけとされている。つまり箸は、人と神様をつなぐ道具として先に生まれ、そのあとで初めて「食べる道具」になったことになる。
この由来を知ると、古い箸をただのゴミとして扱う気になれない感覚にも、ちゃんと筋が通っている気がしてくる。夫婦箸や祝い箸のように、人生の節目に箸を新調する習慣が今も残っているのも、単なる縁起担ぎというより、箸がもともと特別な道具だった名残なのだろう。
実際、愛知県豊橋市の龍拈寺には「箸塚」という石碑があり、毎年8月4日には使い古した箸を燃やして供養する「箸供養」が営まれている。長く食事を支えてくれた箸に、感謝の気持ちを込めて手を合わせる行事だ。
8月4日は語呂合わせの記念日がとにかく多い日でもある。「えい(8)よう(4)」で栄養の日、「は(8)し(4)ろう」ではしろうの日、「おは(8)よ(4)う」でおはようの日など、暮らしの入口になりそうな記念日が並ぶ。
どれも覚えておくと日常のどこかで役に立ちそうだが、その中でも箸の日は、日本人の食卓にいちばん近い場所にある記念日だと思う。毎日、当たり前のように手にしているものだからこそ、一年に一度くらいは立ち止まって見直してもいいのかもしれない。
今日の食事で、いつもの箸を少しだけ意識して持ってみる。持ち方は合っているか、先が傷んでいないか。そんな小さな確認だけで、付き合ってきた道具への見方が、少しだけ変わってくる。
{今日という一日を大事にしていきましょう。感謝!}
先日ある大会でノベルティで箸をもらった、不意を突かれた記念品だが、主催者の方も嬉しそうに渡してくれた。
もらって困るものではないが、たくさんある必要もない。
高級なものでなくても手になじむ箸触りがあるものは毎日に欠かせない。
そんなことを思う朝である。
{次回も、また目にしていただくと嬉しいです。}
【これからのひとり時間】
気候という言葉の元になった二十四節気・七十二候をもとに、今日のひとり時間を提案しています。
8月4日は、二十四節気でいう「大暑」の末候「大雨時行(たいうときどきふる)」にあたり、夕立や急な雨が降りやすくなる時期とされている。蒸し暑さのなかで、台所に立つ時間そのものが億劫になりやすい頃でもある。
そんな今日は、箸立てや引き出しの中を覗いてみる時間にしてみてはどうだろう。何本入っているか、いつから使っているか分からない箸が混ざっていないか、先が丸くなったり黒ずんだりしたものはないか、確認してみる。
すぐに全部を新調する必要はない。まずは一膳だけ、毎日いちばん手に取る箸を選び直してみる。それだけで、次の食事が少し違って感じられるかもしれない。もし気になる箸が出てきたら、感謝を込めて処分する日を今日にしてみるのも、この記念日らしい過ごし方だと思う。
【今日のちょい得メモ】
〈古い箸を持ち寄って供養できる、東京の箸感謝祭〉
毎年8月4日「箸の日」に東京・赤坂の日枝神社で行われる神事。使い古した箸を持参すると、境内で浄火にくべて供養してもらえる。誰でも参列可能で、木製の箸のみ受付。今年は午前10時30分から開始。
〈会場に行けなくても、郵送で箸を供養してもらえる〉
箸メーカー兵左衛門が、日枝神社の箸感謝祭をサポート。当日会場に行けない場合は、不要になった箸を同社へ郵送すると代わりにお焚き上げをしてもらえる。全国どこからでも利用可能。
〈職人手作りの竹箸が、箸の日限定の特別価格に〉
竹工房オンセが、7月14日から8月4日までの期間限定で、すべらない竹箸などのお箸を特別価格で販売中。箸の日にちなみ、普段の箸を見直すきっかけに使える。
【東海圏の情報】
〈使用済みの箸を新しい箸に交換してもらえる、豊橋の箸供養〉
「箸の日」の8月4日、愛知県豊橋市新吉町の龍拈寺で、名古屋市の割箸メーカー・藤本商會本店協賛による「箸供養」が営まれる。境内では使用済みの箸を焚き上げて供養するとともに、持参した使用済みの箸を新しい箸と交換してもらえる。対象は龍拈寺境内への来場者。
※東海圏で確認できた記念日直結の公式情報は現時点でこの1件のみのため、件数を無理に埋めず掲載しています。
【今日のその他の記念日】
橋の日/吊り橋の日
ビヤホールの日
栄養の日
ゆかたの日
パチスロの日
はしろうの日
おはようの日
【余白おみくじ】
「記念日上等」は、今日という日を大事に生きるための記事サプリを目指しています。
知らなければ見過ごしてしまうことも、知ると「なるほど」が増える。記念日をきっかけに、いつもの一日に新しい発見や小さな行動が生まれたら嬉しい。
余白人が、いちばん楽しんでいるのかもしれません。
皆様の毎日に、生活の余白がひとつ増えたら嬉しいです。
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