3つのお題に空想のひらめきを&イラストから空想した世界を書いて下さい。(ショートショート)月の階段と、二度寝の招待状
眩い光の向こう側へ、僕は再び足を踏み入れた。
重厚な装飾が施された扉。
そのノブに手をかけ、魔法のドアをあけて中に入ると、そこには息を呑むような絶景が広がっていた。
足元から天空へと伸びているのは、透き通るような「月の階段」。
神秘的な銀色の光に導かれるまま、僕は一歩ずつ、重力さえ忘れて月へと昇っていった。
月の都では、気品溢れるお姫様が僕を温かく迎えてくれた。
夢のような時間は瞬く間に過ぎていく。
しかし、彼女は不意に表情を曇らせ、僕に告げた。
「月の階段が消える時まで、残り一時間です。急いで戻りなさい」
心臓が跳ねた。
僕は慌てて階段を駆け下りる。
地上に辿り着き、安堵して振り返った瞬間、背後で凄まじい音が響いた。
銀色のステップが、まるでガラス細工のように粉々に砕け散り、虚空へと消えていく。
その破壊の跡から、ぬうっと現れたのは――森の巨人だった。
僕は必死に走り、再び現れたドアを潜り抜けた。
「なんだったんだ、今の夢。あの巨人は一体何者なんだ?」
飛び起きたベッドの上、心臓の鼓動がまだ耳元で鳴っている。その時だ。
「森の巨人の秘密を、教えてやるよ」
という掠れた声が、枕元で聞こえた気がした。
驚いて振り向くが、そこには朝の柔らかな光が差し込む誰もいない部屋があるだけだ。
巨人の秘密? 僕は壁に掛かったカレンダーに目をやる。
「なんだ。今日は休みじゃないか」
幸運な事実に、僕は思わず口角を上げた。
まだ時間はたっぷりある。
夢の続きへ戻り、あの巨人が隠し持っている真実を暴いてやろう。
僕は再び温かい布団に潜り込み、冒険の続きへと意識を沈めていった。

Fin。
※この小説はフィクションです。
登場するモノや人物は存在しません。
↑この企画に参加しました。
ありがとうございました。
