(ショートショート)ムシャクシャした夜は自然を感じて
ムシャクシャして眠れない。
「ドライブに行こう」と思いつき、やみくもに車を走らせる。
ひたすら走らせてると海が見えてきた。
(そうだ、海のポストがあるところまで行ってみよう)
リアルな日常とはおさらばしたい私の本音を、あの海のポストに流してしまいたい。
あたりは真っ暗だった。駐車場がしまっているため、近くに車を止め、車の中から星空を眺める。
何も考えないでいるうちに眠くなり、目を閉じた。
目が覚めると、そこは風の渡し舟の中だった。
姿が見えない風の船頭さんが「ピューピュー」と、音を吹きながら舟を漕いでいる。舟は静かに、どこへともなく進んでいく。
風の船頭さんがいきなり、暗い水面ではなく、舟の足元である砂の中を指さした。
そこには、きらきらと光る砂の中の星座が広がっていた。
「砂の中に何で星座があるんですかね?」と言いかけて、僕は夢から覚めた。
(何だったんだろう今の夢?)
あたりはちょっと日がさしてきた。車から出て空を見上げて深呼吸する。
夜に見た砂の中の星座と、今、頭上に輝きを失った朝の空を重ねた。
変わり映えのない一日が今日もまた始まる。
Fin。
↑この企画に参加しました。
ありがとうございました。
