(ショートショート)エクレア食べたい
小さな女の子は、病室の窓から青い空を見ていた。
生まれつき治療法がない難病にかかり、彼女の世界は病院と家の往復に閉ざされている。
この入院生活にも慣れてきた。
小さな女の子が抱く、唯一のかわいい夢は、食事制限を気にせずに好きなものをお腹いっぱい食べてみたいということ。
小さな女の子はベッドに座り、お気に入りの「おかしの絵本」を開く。
色とりどりの綺麗な色や形のおかしたちが、絵本の世界に広がる。
おめかしして今か今かと出番を待っているおかしたち。
絵本の中のカラフルな色のマカロンが話しかけてきた。
「君はどんなお菓子食べたいの?」
「エクレア食べたい!」
大きな声で朗らかにいう小さな女の子。
だが、すぐにへこむ。
「でも、私こんなんだから、食べられないんだ」
エクレア姫は優しく声かける。
「待ってるわ。私たちだっていろいろあるけど、希望は捨てないの。そのかいあって、あなたとこうして会えたしね」
看護師さんが病室にやってきた。
「まぁ、かわいい絵本ね」
「おかしさんたちが励ましてくれたの。私、負けない!」
小さな女の子は、絵本の中のエクレア姫と目を合わせ、未来の約束を込めてほほ笑んだ。
Fin。
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ありがとうございました。
